
文鳥は元気そうに見えても、思いがけず突然亡くなることがあります。
原因は事故や中毒など身近なものが多く、予防できるケースも少なくありません。
本記事では文鳥の突然死の主な原因と、その対策について詳しく紹介します。
飼い主が知っておくことで、大切な文鳥の命を守ることにつながります。
文鳥の突然死の主な原因とは?

文鳥の突然死の原因としては主に4つの理由があげられます。
- 不慮の事故
- てんかん発作
- 中毒
- 極端に悪い飼育環境や栄養不足
それではひとつずつ予防と対策について見ていきましょう。
放鳥時の不慮の事故
文鳥は小さい生き物です。
ですから、放鳥時には事故が起こらないよう十分気を付ける必要があります。
放鳥時の事故が原因で亡くなってしまうケースはとても多いです。
放鳥する際には、文鳥から目を離さないようにしましょう。
放鳥しながら家事をするなどの、いわゆる「ながら放鳥」は事故につながります。
せっかく放鳥しているのですから、他の事はストップして文鳥と遊んであげてください。
また文鳥はクッションの隙間など、狭いところに入りたがります。
ソファに座った拍子にけがをさせてしまった、というのはよくあるケースです。
特に窓は要注意です。
透明なので、存在に気付かず突っ込んでしまうことがあります。
レースカーテンなどで遮っておきましょう。
てんかん発作
文鳥は急なストレスや緊張によっててんかん発作を起こす場合があります。
特に神経質な性格の文鳥に起こりやすいようです。
てんかん発作が起こると、けいれんや開口呼吸、ギュウギュウといった鳴き声を発します。

普通であれば数分で発作は終わり、特に後遺症もありません。
ですが、ひどい場合はてんかん発作のショックで突然死してしまうこともあります。
突然に大声を出す、急に違う環境に連れていくといった行為は文鳥にとってはかなりストレスです。
やむをえない場合を除き、そのような負荷をかけるのは避けましょう。
中毒
私たちの身近なものに有害な物質が含まれている場合があります。
そういったものに文鳥が触れることで、中毒を起こし突然死してしまうことがあるようです。
代表的なものには、テフロン加工のフライパンやオーブンレンジがあります。
熱した際に生じる物質が文鳥にとって有害なのです。
ハーブやお香といったものも中毒を引き起こします。
芳香剤などの使用も控えましょう。
基本的に「人間の食べ物」や「化学物質」は文鳥にとって有害な可能性が高いです。
金属製のものや新しい家具などには下手に近づけないほうが良いでしょう。
アルコールなどの揮発性物質も有害です。
文鳥グッズを洗う時は洗剤を使わず、煮沸消毒をするようにしてください。
アルコールを含む消毒液も使わないようにしましょう。
極端に悪い飼育環境や栄養不足
文鳥にとっての適温は成鳥は20~25度、ヒナの場合は27度前後です。
冬場は10度を下回ると体調を大きく崩してしまいます。
反対に夏は暑すぎると、熱中症になってしまうことがあるかもしれません。
特にヒナは環境の変化に弱く、突然死してしまうことも十分ありえます。
ヒーターなどで調整し、適温になるようにしてください。
また、栄養不足も突然死の原因になりえます。
主食だけでは栄養が不足するので、青菜やボレー粉などの副食もしっかり与えてください。
エサ箱には十分入っているように見えても、実は殻だけだった、ということもあります。
与えすぎもよくないですが、普段の食べる量を観察して、必要な量が食べられるようにしてください。
爪切りによる死亡リスク
文鳥の爪は定期的に切ってあげる必要がありますが、不適切な方法で行うと命に関わる危険があります。
爪の血管部分(クイック)を深く切ってしまうと大量に出血し、止血が遅れると出血多量で死亡してしまうケースもあります。
また強く抑え込みすぎて心臓に負担をかけることもあります。
必ず静かで落ち着いた環境で行い、自信がない場合は動物病院で処置してもらうことをおすすめします。
卵管脱による死亡
メスの文鳥は繁殖期に卵管脱を起こすことがあります。
卵を産む際に卵管が体外に飛び出してしまい、炎症や感染を引き起こすのです。
放置すると命に関わる危険が高く、最悪の場合死亡してしまいます。
卵を頻繁に産む体質の子はカルシウム不足や栄養バランスの乱れが関係するため、ボレー粉や青菜を与えて予防しましょう。
異変を感じたらすぐに獣医師の診察を受けてください。
熱中症による死亡
文鳥は暑さに弱く、真夏の室温が30度を超えると熱中症のリスクが一気に高まります。
呼吸が荒くなり、羽を広げて口を開けるなどの症状が見られたら危険信号です。
放置すると急速に体温が上がり死亡することもあります。
直射日光を避け、エアコンや扇風機を活用して温度管理を徹底しましょう。
特にヒナは成鳥以上に熱に弱いため要注意です。
食べ物による中毒死(スイカの場合)
スイカ自体は少量であれば必ずしも有害ではありませんが、水分が多く消化不良を起こしやすい食べ物です。
体が小さい文鳥に多量に与えると下痢や脱水症状を引き起こし、体力を奪って死亡することがあります。
糖分の過剰摂取も肥満や内臓への負担につながるため、与える場合はほんの一口程度にとどめ、種や皮は絶対に与えないようにしてください。
雛の死亡率
文鳥のヒナは非常に繊細で、成鳥に比べて死亡率が高いのが実情です。
温度や湿度の管理を誤るとあっという間に体調を崩してしまいます。
また親鳥が育児放棄をした場合、人工飼育が必要となりますが、給餌方法や間隔を誤ると命を落とす危険性が高まります。
ヒナのうちはとくに注意深く観察し、異常があればすぐに対応することが重要です。
文鳥の突然死を防ぐための飼育チェックポイント

飼育環境の見直し
文鳥は小さな体のため、わずかな環境の乱れでも命に関わることがあります。
日常的に温度や湿度の管理を行い、ケージは風通しの良い場所に設置しましょう。
直射日光や冷暖房の風が直接当たる場所は避け、一定の生活リズムを守ることが大切です。
掃除を怠るとカビや細菌が繁殖し、中毒や感染症につながる危険もあります。
健康チェックと記録
突然死を防ぐためには、普段の行動や体調をよく観察することが重要です。
食欲があるか、フンの状態は正常か、羽づくろいをしているかなど、日々の様子を記録しておくと異常に気付きやすくなります。
元気そうに見えても、少しでも異変を感じたら早めに動物病院に相談しましょう。
特に「てんかん発作」を起こす個体は、再発リスクがあるため注意深い観察が必要です。
生活リズムとストレス管理
文鳥は規則正しい生活に安心感を覚える鳥です。
急な環境の変化や大きな物音、乱暴な扱いは強いストレスとなり、発作や体調不良につながります。
放鳥は毎日一定の時間で行い、遊び方も過激にならないよう配慮しましょう。
夜間は静かな環境で十分な睡眠時間を確保することも、突然死を防ぐうえでとても大切です。
文鳥の突然死の原因と対策【まとめ】
文鳥の突然死は、事故やてんかん、中毒、環境不良などが引き金となることが多いです。
しかし日々の観察や飼育環境の見直しによって、防げるリスクも数多く存在します。
突然死を未然に防ぐために、今日から生活リズムや環境を整えてあげましょう。