
水族館でも人気者のチンアナゴ。
実は自由研究のテーマとしても魅力的な生き物です。
ケンカや餌やり、一日の行動パターンなど、観察を通して新しい発見ができるかもしれません。
本記事では、チンアナゴで自由研究を行う際のテーマや観察方法を紹介します。
チンアナゴの観察場所は水族館がおすすめ
チンアナゴは人気生物なので、割と全国の水族館で展示されています。
規模感はバラバラですが、もしチンアナゴで自由研究したいならお近くの水族館の年間パスポート(平均5000円くらい)でも買って定期的に観察しに行くことがまず必要かと思います。
それ以外だとチンアナゴを家で飼うかですね。

このどちらもの方法で「えーっめんどくさいなぁ」とか「ちっ、お金かかる」と思った人はそもそもチンアナゴに対する愛情が論外レベルでないので別のテーマに切り替えることをおすすめします(笑)

水族館のなかでも、東京や関東圏に住んでいる人なら「すみだ水族館」がおすすめです。
ここは全国的には珍しくチンアナゴの展示に力を入れています。
他の水族館ではみられないくらい、チンアナゴに対して大きな水槽でかつ百匹単位の数をいれています。
チンアナゴの日を制定したのも、チンアナゴの繁殖記録を行ったのも当館です。
飼育員も他の水族館に比べるとチンアナゴレベルは高いでしょう。
チンアナゴのケンカを観察
チンアナゴはケンカします。
といっても、そのケンカは不思議です。
生き物がケンカするとしたら、相手のことが気にくわない理由があり、お互いに譲りたくない理由があるからこそ発生します。
よくあるのが、テリトリーの近くに来たからとか、オス同士がメスをゲットするためにとかです。
チンアナゴのケンカを毎日くまなくチェックしていると、どうもお互いの距離が近いからとかでケンカしているようには見えません。
近くにはいない、ちょっと離れた位置にいる個体間でケンカしていることもしばしばあります。
そして、群れでいながら争っているのは同じ個体同士のような印象があります。
個体識別を完璧に行ってたわけではなかったので、自信がないのですが、おそらくケンカは距離が近いから起きるわけではなく別で明確な理由があるように思います。
観察を通して調べてみると面白いかもしれませんね。
チンアナゴの餌を食べる時を観察

チンアナゴももちろん餌を食べます。
動物プランクトンを食べています。
餌やりの時間を決めて公開している水族館もあるので、観察したいときはまずは問い合わせしてもいいかもしれませんね。
こんなこと書いていいのかわかりませんが、もし時間が決まってなかったとしても事情を話せば施設によっては一回くらい忙しくない日とかで時間を合わせれば対応してくれる場所もあったりするかもしれません。

餌を食べているときは、普段よりも体を伸ばしますし、餌を食べるタイミングで排泄を行う個体もでてきます。
人間だったらとんでもないマナー違反ですが、チンアナゴ的には穴の中でフンをするよりは体を出したタイミングで排泄したほうが効率的にもいいのでしょう。
こういったことにも注目して観察し、チンアナゴと人との生活スタイルを比較してみるのも面白かもしれません。
チンアナゴの一日の行動パターンを観察する

チンアナゴは、いつ見ても同じように揺れているように見えますが、よく観察すると時間帯によって行動や姿勢が変わることがあります。
例えば午前中は体を長く伸ばして外の様子をうかがっていることが多く、午後になると少し短くなって砂の中に潜る時間が増える、といったパターンです。
自由研究としては、水族館の開館時間をフルに使い、同じ個体(模様や位置で見分ける)を追いながら1時間ごとに行動を記録していく方法がおすすめです。
記録項目の例としては「体の長さ」「砂の中にいる時間」「周囲のチンアナゴとの距離」「餌への反応」などが挙げられます。
さらに、照明の明るさや来館者の数、近くで写真を撮る人の有無といった環境の変化もあわせてメモしておくと、行動との関連性が見えてきます。
このようなデータは、グラフや表にまとめることでわかりやすくなり、見た目にも完成度の高い自由研究になります。
チンアナゴを実際の観察でより知ろう!

自由研究なので、何かすごい発見することより、自分の中でリアルを通して知識を得られる体感があることが自由研究では大切だと思います。
私は一時期、ほぼ毎日100枚~300枚くらいチンアナゴの写真撮影していた時期があったのですが、毎日そこまでやりこんでるとチンアナゴがどんなタイミングで口を開けるか、いつ何時に体をよく伸ばしているか、手に取るようにわかるようになっていました。
だからなにって言われるとそれまででですが、そこまでくるとチンアナゴと会話しているような感覚になり、不思議な感覚になってきます(笑)自由研究を通して、自分だけが知ってるチンアナゴのちょっとした特徴がわかるといいですね。
チンアナゴのオスメスの見分け方や繁殖について

チンアナゴは、見た目からオスとメスを判別するのは非常に難しい生き物です。
水族館の飼育員でも、よほど慣れていないと見分けるのは困難で、一般の来館者が一目で判別することはほぼ不可能といえます。
また、自然界では繁殖行動を行っていますが、水族館でその瞬間を目撃できる可能性はほぼゼロに近く、長年観察していても出会えないほどです。
それでも、オスメスの存在や繁殖の流れを基礎知識として知っておくと、自由研究での理解が深まります。
特に繁殖期の行動や、ペア形成の仕組みは興味深く、展示解説や図鑑の情報と照らし合わせながら学べば、研究レポートに厚みが出るでしょう。
チンアナゴのオスメスの見分け方や繁殖の詳細については、こちらの記事で解説しています。

まとめ
チンアナゴは一見同じ動きを繰り返しているようで、よく観察すると行動にさまざまな変化があります。
ケンカや餌やりの瞬間、一日の行動パターンなどを記録すれば、他にはない自由研究が完成します。
ぜひ水族館でじっくり観察し、自分だけの発見をまとめてみてください。