チンアナゴを家で飼う方法と混泳の注意点|必要な水槽環境も解説

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ひょっこり顔を出す姿が可愛らしいチンアナゴ。水族館での人気も高い魚ですが、実は家庭でも飼うことができます。

ただし、海水魚ならではの環境づくりや注意点があります。

本記事では、必要な水槽設備や砂の選び方、混泳の可否など、チンアナゴを家で飼うためのポイントを詳しく解説します。

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目次

チンアナゴを家で飼うための水槽環境と必須設備

水族館やテレビでチンアナゴの姿を見かけることはあっても、「家で飼う」というイメージを持っている方は少ないかもしれません。

細長い体を砂から伸ばすユニークな姿は、なんとなく特別な施設でしか見られない存在に思えますよね。

実際にはチンアナゴは家庭で飼えると知ると、驚かれる方も多いです。

チンアナゴは海水魚なので、淡水魚とは異なる飼育環境が必要です。

水槽

まず水槽の大きさは、最低でも60cm規格(容量60L前後)以上が望ましく、複数匹飼育する場合やレイアウトに余裕を持たせたい場合は90cm水槽が理想です。

人工海水

チンアナゴを飼うには、海水魚用の人工海水を作る必要があります。

手順はそれほど難しくありませんが、比重や水質を正確に整えることが重要です。

  1. 人工海水の素を用意する
    熱帯魚ショップやネット通販で販売されている海水魚用の人工海水の素を購入します。メーカーによって塩分濃度や成分が異なるため、パッケージの説明書をよく読みましょう。

  2. カルキ抜きした水を準備する
    水道水をそのまま使うと塩素が残って魚に悪影響を与えます。カルキ抜き剤を使うか、一晩以上汲み置きして塩素を飛ばしてください。

  3. 人工海水の素を溶かす
    バケツや大きめの容器に水を入れ、説明書の規定量に従って人工海水の素を加えます。塩は一度に入れず、少しずつ加えてよくかき混ぜます。

  4. 比重を測って調整する
    海水魚用の比重計(または屈折計)で比重を測ります。チンアナゴに適した比重は1.020~1.025前後です。低ければ塩を少量追加し、高ければ真水を加えて調整します。

  5. 水温を合わせる
    人工海水ができたら、水槽に入れる前に水温を24~26℃に合わせます。急激な温度変化は魚のストレスになるため、ヒーターやクーラーでしっかり調整しましょう。

こうして作った人工海水はすぐに使えますが、可能であれば一晩エアレーションして安定させるとより安全です。

水温

水温は24~26℃が目安で、温度変化に弱いためヒーターとクーラーの両方を準備すると安心です。

水流ポンプ

また、チンアナゴは海の中層を漂うプランクトンを捕食しているため、飼育下では緩やかな水流を作って餌を運びやすくすることが大切です。

水流ポンプを使って水槽全体に優しい流れをつくり、砂底にとどまりながら餌を捕まえられる環境を整えてあげましょう。

チンアナゴは細かい砂を用意して飼う

チンアナゴは砂の中に潜る習性があります。

見たらわかると思いますが、砂の用意が必要です。

砂だったらなんでもいいかと言われるとそうでもないです。

粒の大きさが小さいものにしましょう。
目安は1㎜以下です。

穴の中に潜っている様子をまで見やすくしたい!

というなら、半透明なポリカーボネートのつぶつぶのものを入れて見るという手法も存在はしますが、細かいサンゴ砂のほうがおすすめです。

理由として彼らはただ穴を掘っているわけではないからです。

チンアナゴはどうやって穴をつくる?

チンアナゴは穴を掘ったあと、粘液を使って掘った穴を固めることで自分の住処を完成させます。

昔チンアナゴを担当していた同僚に実際に粘液を出して砂を固めていることがわかる写真を見せてもらったことがあります。

その写真を見る限り、粘液にはもちろん限界があって、少しでもサイズが大きい粒だと粘液で固めることが難しいのではと想定できました。

ポリカーボネートのつぶつぶのものは100均でよくみかけて、入れれば実際チンアナゴも穴を掘るのですが、微妙に粒が大きくて粘液で固めにくく、おそらく理想的な巣作りはできていないのではないかと思われます。

自由研究などで一時的な観察で使うのはいいですが、無駄なストレスは与えないためにも使用は避けた方が良いです。

チンアナゴは混泳で飼うことはできる?

チンアナゴは他の魚と混泳できますが、いくつかの条件があります。

まず避けたいのは、大きな体を持つ魚や、気性の荒い魚です。

例えばカクレクマノミやハマクマノミの中でも気が強い個体フグ類大型ハギ類(ナンヨウハギ成魚など)カサゴやハタ系の肉食魚などは、チンアナゴにとって脅威となります。

こうした魚が近くにいると、チンアナゴは危険を感じて穴からほとんど出てこなくなります。

逆に、温和でサイズ差の少ない小型魚なら混泳は可能です。例えばデバスズメダイ、クロスズメダイの小型種、ハタタテハゼ、カクレクマノミ(穏やかなペア)などが候補になります。

ただし、これらも個体差や相性によっては干渉することがあるため注意が必要です。

チンアナゴは基本的に砂底に体を埋めて暮らすため、水槽の上層や中層を泳ぐ魚と組み合わせると縄張り争いが少なく、混泳が安定しやすくなります。

混泳時は餌がきちんと底まで届くよう工夫し、チンアナゴにも十分行き渡るようにしましょう。

チンアナゴは飼うと面白い!

というわけで、チンアナゴは飼育できます。

熱帯魚屋さんでなら安くて一匹1980円くらいで売っていたりします。

値段的にも手がとどく生き物です。

流行り出すまでは穴からあまり出てこない地味で目立ってなかった魚です。

実はそれは飼い方の問題もあることもわかっています。

チンアナゴは海では群も作ったりしているのですが、流行るまでほとんどの水族館では2匹3匹程度しか水槽に入れていませんでした。

しかし某水族館が大きな水槽に100匹単位で入れて見たところ、仲間がたくさんいる安心感もあるのか穴から顔を出す数も増えるし、ニョキニョキ見た目もすごいしで流行り出しました。

私も水族館で働くまではあんまり興味のなかった魚ですが、飼ってみるといろんな表情を見せてくれる面白い魚です。

ぜひ飼育されてみてはいかがでしょうか?

まとめ

チンアナゴは適切な砂や水槽環境を整えれば、家庭でも長く飼育できる魅力的な魚です。

混泳は温和な小型魚となら可能ですが、餌が行き届くよう配慮しましょう。

水質や水温の管理を怠らず、チンアナゴならではの可愛らしい仕草や群れでの暮らしを、ぜひ自宅でも楽しんでみてください。

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