ミニチュアピンシャーの断耳は必要?切る・切らないの判断と日本での考え方

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ミニチュアピンシャーといえば、ピンと立った耳が印象的ですが、実は生まれつきではなく「断耳」で作られた形です。

では、現代の飼育環境で耳を切る必要はあるのでしょうか?

本記事では、断耳の目的・日本での扱い・自然耳の魅力を分かりやすく解説します。


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目次

ミニチュアピンシャーの断耳とは?

断耳とは、生後まもない子犬のうちに耳の一部を外科的に切除して形を整える手術のことです。

もともとは闘犬や番犬として耳を噛まれないようにするための実用的な目的がありました。

ミニチュアピンシャーもその名残で断耳されることがあり、手術後に耳がまっすぐ立つ独特のシルエットになるのが特徴です。

しかし現代では、狩猟や闘犬の文化がほぼなくなり、見た目を整えるための“美容目的”が中心となっています。

断耳は生後2〜3か月の時期に行われることが多く、全身麻酔下で行うため子犬の負担やリスクも無視できません。

また、日本では法律で禁止されてはいませんが、動物福祉の観点から推奨されない手術とされています。

断耳のメリットデメリット

断耳の主な理由は「見た目のバランス」「外耳炎予防」「聴力向上」と言われますが、実際のところ見た目以外の効果はほとんどありません

耳が垂れていても、こまめなケアで蒸れや病気は防げます。

筆者の愛犬も折れ耳のまま15歳を迎え、耳の病気は一度もありません。

耳をひっくり返して換気できるため、むしろ衛生的に感じるほどです。

断耳は見た目のために子犬期に行われることが多く、痛みや麻酔リスク、精神的ストレスを伴う処置です。

しかも、切ったからといってすぐ耳が立つわけではなく、固定具で形を保つ手間もかかります。

結論として、健康面での利点は乏しく、不要な手術であることがほとんど。

自然な耳のままで問題ないといえるでしょう。


ミニピンの耳を切らないとかさぶたになるのは本当か?

ミニチュアピンシャーの耳にできる「かさぶた」は、単なる傷ではなく血管炎という皮膚の病気の可能性があります。

この病気は短毛・寒がりの犬に多く、特に耳の先端が冷えで炎症を起こし、壊死して欠けてしまうこともある厄介な症状です。

初期は「遊んで傷ついたのかな?」程度に見えるため見逃されがちですが、放置すると悪化します。

寒い時期やこたつの熱でも悪化するため、早めの受診が大切です。

耳にかさぶたや割れを見つけたら、自己判断せずすぐ動物病院で診てもらいましょう。

見た目が似ていても単なるかさぶたとは限りません。

断耳にかかる費用

ミニチュアピンシャーの断耳手術は、一般的に2万〜5万円前後が目安とされています。

ただし、地域や動物病院によって費用は大きく異なり、麻酔・術後ケア・固定具などが別料金になる場合もあります。

特に耳の形を整えるための術後の固定処置(ギプスやテープなど)を数週間行う必要があるため、その分の通院費用も考慮しておく必要があります。

麻酔にはリスクが伴うため、事前の健康診断や血液検査を行う病院も多く、これらを含めると総額で5万〜7万円程度になるケースも少なくありません。

また、現在では美容目的の断耳を行わない病院も増えており、手術を受けられる動物病院自体が少ないのが実情です。

どうしても行う場合は、必ず経験のある獣医師に相談し、リスクと費用を十分に理解したうえで判断することが大切です。

断耳の歴史と日本での現状

断耳の起源と目的

ミニチュアピンシャーをはじめ、ドーベルマンやシュナウザーなどで行われてきた断耳は、もともと「闘犬」「番犬」「狩猟犬」としての役割が由来です。

耳を立たせることで、敵や獲物に耳を噛まれにくくする実用的な目的がありました。

しかし、現代では闘犬や狩猟の文化が薄れ、断耳は見た目のシルエットを整える“ショードッグ用の習慣”として残っているだけです。

そのため、家庭犬として飼う場合は機能的な意味はなく、ほぼ見た目の問題と言えます。


日本では法律上どうなっている?

日本では断耳は法律で禁止されてはいません

ただし、動物愛護管理法の観点から「動物に不必要な苦痛を与える行為」として推奨されていないのが現状です。

また、日本獣医師会も「美容目的での断耳・断尾・声帯切除などは原則行わないことが望ましい」と公式に表明しています。

海外ではさらに厳しく、ヨーロッパの多くの国では断耳が全面禁止。

イギリスやドイツ、スイスなどでは、断耳された犬はショーにも出場できません。


自然な耳が好まれる時代へ

かつては「断耳した方が格好いい」と言われた時代もありましたが、最近では「自然な耳の方が可愛い」「その子らしい」と考える飼い主が増えています。

SNSなどでも、立ち耳・折れ耳それぞれの魅力を生かしたミニピンの写真が多く見られ、「無理に耳を切る必要はない」という考えが主流になりつつあります。

健康面でも、耳を切らずにこまめなケアを行えば外耳炎の予防も十分可能です。

美しさよりも愛犬の安心と健康を重視する時代に変わってきたといえるでしょう。

まとめ

断耳はかつて闘犬文化の名残でしたが、現在では見た目以外の実益はほとんどありません。

日本では禁止されていないものの、動物福祉の観点から推奨されておらず、自然な耳を尊重する流れが主流です。

ミニピン本来の魅力は耳の形よりも、元気で活発な性格そのもの。

愛犬にとって一番幸せな選択を、飼い主自身の目で見極めていきましょう。

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