
犬に靴下をはかせるべきか迷っていませんか?
滑り止めとして便利という声がある一方で、「嫌がる」「蒸れる」「歩きにくそう」といった不安を抱える飼い主さんも多いものです。
この記事では、靴下のデメリットとメリットをバランスよく整理し、自分の愛犬にとって本当に必要かどうか判断できるよう、注意点も含めて丁寧に解説します。
犬に靴下をはかせる前に知っておきたい注意点

靴下は便利なアイテムですが、使い始める前に知っておくべきポイントがあります。
犬にとっては「足を覆う」というだけで大きな変化になるため、環境・体質・性格に合わせた導入が必要です。
靴下が本当に必要か、どの場面で使うべきかを判断する材料として、いくつかの観点を詳しく整理しておきましょう。
足の健康状態によっては靴下が逆効果になる
爪が伸びすぎていたり、肉球にひび割れ・皮膚炎がある状態だと、靴下の締め付けや蒸れが刺激となり、症状を悪化させてしまうことがあります。
特に夏場は湿気がこもりやすく、軽い皮膚トラブルが痒みや炎症につながることがあります。
使用前に肉球や指の間をチェックし、問題がある場合は靴下よりも治療やケアを優先することが大切です。
長時間使用は蒸れによる皮膚トラブルのリスク
靴下は保温性が高く、冬場は温かい反面、ずっと履かせていると汗や湿気がこもって蒸れやすくなります。
足先が湿り続けると、雑菌の繁殖や皮膚のふやけにつながり、結果的に「痒い」「赤くなる」といったトラブルが起こることがあります。
散歩・室内の滑り止めなど「使う状況」をあらかじめ決め、こまめに脱がせて乾燥させましょう。
行動制限によるストレスが強く出る犬もいる
犬によっては足先への違和感が強く出て、動きがぎこちなくなったり、立ちすくんだまま動けなくなることもあります。
これはストレス反応のひとつで、無理に履かせ続けると「靴下=嫌なもの」という学習につながってしまいます。
嫌がる場合は無理をせず、まずは足先を触る練習や、短時間の慣らしから始めることで、過度なストレスを避けることができます。
誤飲防止のために破れやすい靴下は避ける
子犬・若い犬の場合、靴下そのものを噛んで遊んでしまうことがあります。
特に布が薄い靴下は簡単に破れ、糸や布片を飲み込む誤飲事故につながることもあります。
サイズ選びだけでなく、生地の丈夫さや滑り止めの質も重視し、噛み癖がある犬には注意が必要です。
体格・犬種によって「必要度」は大きく異なる
短足犬種(ダックスなど)や老犬は滑りやすい床対策として靴下が役立つ一方、足腰が強く活動的な犬は逆に動きにくくなることがあります。
また柴犬や日本犬は肉球が硬めで、裸足の方が歩きやすいケースもあります。
犬種の特性・生活環境(フローリングの有無など)を考慮し、「本当に靴下が必要か」を個別に見極めることが大切です。
犬に靴下をはかせるデメリット

まずは、デメリットからご紹介します。
とにかく嫌がる
足をさわられることを嫌がる犬は、多いのではないでしょうか。
靴下をはかせたことで、歩くときに違和感があって不快感から歩きにくさを感じてしまうようです。
犬が歩くときは、肉球を伝って情報をとっています。
肉球から「痛感・触感・圧感・温度感」などの情報をとっているため、その情報を感じることができないと、違和感をもってしまいます。
普段から、愛犬の足まわりや肉球に触れて、触られることに慣れさせる練習が必要でしょう。
サイズ選びが大変
人間と同じく、犬もサイズの合わないものを身に着けるのは苦痛です。
製造元や、種類によっても、靴下には若干のサイズの違いがあります。
愛犬の足に合ったものを選んであげることで、不快感を減らすことができます。
犬に靴下をはかせるメリット

次に、メリットをご紹介します。
防寒・防熱対策になる
人間が寒いときに靴下が欠かせないように、犬にとっても冷えから足を守る効果があります。
愛犬の肉球を触ってみたことはありませんか?
ぷにぷにした肉球は、少しひんやりとしていたのではないでしょうか。
とくに寒い冬場は、冷たい地面やフローリングに足をつけることが多くなるため、冷から体調を崩したり風邪を引いたりする可能性があります。
夏場は、暑い地面から愛犬の手足を守ってくれる効果があります。
人間よりも低く地面に近い場所を歩く犬にとって、靴下は熱中症対策のひとつにもなります。
冬場は寒さから、夏場は暑さから、靴下は大切な愛犬の足を守る効果が期待できます。
肉球の保護ができる
犬の肉球には、クッション性があり足の関節の負担を軽減しながら歩けるようになっています。
お散歩中は、落ちているものを踏んで肉球をケガしないように、靴下が肉球を守ってくれます。
万が一、災害が起こったときも、靴下をはきなれていることで、ガレキや割れたガラスなどから守る「防災」の役割も果たします。
滑り止めの効果がある
滑り止めの効果があるのは、主に屋内でのこと。
フローリングなどの滑りやすい床では、元気に走っている状態で踏ん張りがきかなくなることがあります。
滑り止めのついた靴下をはいていると、歩きにくさも軽減されて、転んでケガをするリスクを避けることができます。
また、老犬で足腰が弱くなっている場合は、滑り止めがあることで歩くときの負担が軽減されます。
よろよろと歩いているときに、すべって転んでケガをすることで、よけいに歩けなくなってしまう可能性もあります。
老犬には、老犬にあった靴下を選んであげることがポイントです。
転んでケガをすると、腰椎椎間板ヘルニアや膝蓋骨脱臼や、骨折など愛犬にとって辛い状態になってしまいます。
我が家の老犬に、滑り止めつき靴下をはかせてみました。
後ろ足が踏ん張りきれなくなっていて、歩いては転んで一回転している状態だったのですが、転ぶ頻度が減ったように思います。
靴下も、愛犬の合ったものを選んで使ってみることは必要だと、感じました。
犬の靴下のデメリットとは?【まとめ】
犬に靴下を使うかどうかは、体質・年齢・生活環境で必要度が大きく変わります。
デメリットとメリットの両方を理解し、短時間の慣らしやサイズ選びを丁寧に行えば、愛犬の快適さや安全性を高めることもできます。
もし靴下が合わない場合は、フローリング対策や肉球ケアグッズなど別の方法も検討しつつ、愛犬にとって一番ストレスの少ない選択を探してみてください。