
甲斐犬は日本犬の中でも体力があり、食事管理がとても大切な犬種です。
この記事では、子犬から成犬までの餌の量と回数、成長に合わせた切り替え方法、さらにおすすめの食材や手作りごはんの考え方まで詳しく解説します。

甲斐犬の餌の量と回数はどのくらい?
甲斐犬の食事管理では、成長段階に応じて「量」と「回数」を調整することが大切です。
特に成犬と子犬では必要な栄養や消化能力が異なるため、年齢に合わせて与え方を変える必要があります。
成犬の餌の量と回数

成犬の甲斐犬は体格差が大きいですが、平均体重が約12〜18kgの中型犬に分類されます。
一般的なドライフード(100gあたり約350〜400kcal)を与える場合、以下が1日の目安量です。
| 体重 | 1日の目安カロリー | ドライフード量(目安) | 回数 |
|---|---|---|---|
| 10kg | 約550〜600kcal | 約150〜170g | 2回 |
| 12kg | 約650〜700kcal | 約180〜200g | 2回 |
| 15kg | 約800〜850kcal | 約220〜250g | 2回 |
| 18kg | 約950〜1000kcal | 約260〜300g | 2回 |
この表はあくまで目安です。
日々の散歩時間や季節によってエネルギー消費が変わるため、多く動いた日は少し多め、雨で動かない日は少なめにと、1割前後の範囲で調整してあげるのがコツです。
我が家の甲斐犬(5歳・約14kg)は、朝・夕・留守番前の3回に分けて与えています。
1回あたり少しずつにすることで、胃腸への負担を減らしつつ満足感も保てています。
2回でも3回でも構いませんが、「決まった時間に食べきる」ことを習慣づけましょう。
子犬の餌の量と回数

甲斐犬の子犬は、生後半年までが最も成長の早い時期です。
この時期は体づくりのために十分な栄養が必要になります。
生後2〜3ヶ月の子犬は、消化器官が未発達のため1日3〜4回に分けて与えましょう。
生後半年〜1歳頃にかけて、ゆっくりと2回食に移行していきます。
| 月齢 | 体重目安 | 給餌量(1日) | 回数 |
|---|---|---|---|
| 2〜3ヶ月 | 約3〜5kg | 約100〜130g | 3〜4回 |
| 4〜6ヶ月 | 約6〜9kg | 約150〜180g | 3回 |
| 7〜12ヶ月 | 約9〜12kg | 約180〜200g | 2回 |
子犬期は「太らせないこと」よりも「しっかり成長させること」が優先です。
下痢をしていなければ、少し多めでも問題ありません。
極端に減らすより、よく食べてよく眠るリズムを意識しましょう。
餌の量を決めるポイント

体重による計算式もありますが、甲斐犬は個体差が大きく、環境によっても必要量が変わります。
そのため、犬の体型と便の状態を見ながら微調整する方法が最も確実です。
・肋骨がうっすら触れる程度が理想体型
・便がやわらかい時は与えすぎ、固い時はやや少なめ
・被毛のツヤや筋肉の張りも健康のバロメーター
このやり方を身につけておくと、成犬になってからも自然に調整ができるようになります。
まとめ
- 成犬は1日2〜3回、1回あたり150〜300gが目安
- 子犬は1日3〜4回、小分けにして与える
- 体調と運動量で1割程度の範囲で加減
- 下痢や体重減少がなければ多めでもOK
甲斐犬は筋肉質で体力のある犬種です。
日々の食事が健康を左右しますので、目安量を参考にしながら、その子の体調に合った「ちょうどいいごはん量」を見つけていきましょう。
子犬と成犬で餌の種類は変えた方がいいの?

家に来たばかりの頃は、それまで食べていたものと同じ餌を与えるのが良いでしょう。
急に餌の種類を変えてしまうと、子犬が下痢を起こすこともあります。
もしその餌が子犬用のものであれば、そのまま成犬になるまで続けても大丈夫です。
子犬用の餌は栄養たっぷりでカロリーも高いので、まだ消化能力が低い子犬にとっては少量で栄養が摂れるという利点があります。
その後、成犬になって体の成長がゆるやかになった頃を見計らって、徐々に成犬用の餌に変えていきましょう。
成長が止まると、子犬用の餌ではカロリーオーバーになって太りやすくなるため、子犬用の餌から始めた場合は切り替えか必要です。
甲斐犬に合った餌の選び方

高タンパクな赤身肉中心がおすすめ
甲斐犬は運動量が多く、筋肉質な体を維持するために高タンパク・低脂肪のフードが向いています。
もともと山岳地帯で狩猟犬として活躍していたため、日常的にエネルギー消費が多く、筋肉の修復や体力維持にたんぱく質が欠かせません。
主原料にはチキン・ラム・鹿肉などの赤身肉が理想的で、これらには筋肉の合成を助けるアミノ酸や鉄分、亜鉛が豊富に含まれています。
特に鹿肉は低脂肪でアレルギーを起こしにくく、敏感な皮膚をもつ甲斐犬にも相性が良い素材です。
魚由来のたんぱく質やサーモンオイルを含むフードを取り入れると、毛艶や皮膚の健康維持にも効果的です。
ヒューマングレードの高品質フードを選ぶ
「ヒューマングレード」とは、人間が食べても安全な原料を使っているという意味です。
「ミール」など曖昧な肉表記があるものは品質が不明な場合があるため、できるだけ避けましょう。
甲斐犬のように運動量が多い犬は、原材料の質がエネルギーの持続力に直結します。
肉の種類や加工方法が明確に表示されたフードを選ぶと安心です。
原材料の順番と添加物に注意
フードの原材料は多い順に記載されています。
最初に小麦やとうもろこしなど穀物が書かれている場合、かさ増し目的の可能性があります。
肉や魚が最初に記載されているものを選びましょう。
また、着色料・香料・保存料などの人工添加物が多い製品は避けるのが無難です。
特に以下の成分は控えたいところです。
- ソルビン酸カリウム
- BHA・没食子酸プロピル
- プロピレングリコール・ソルビトール
自然由来の保存料を使っているタイプや、無添加フードを選ぶと安心です。
環境と食いつきも大切
どんなに品質の良いフードでも、食べてくれなければ意味がありません。
甲斐犬は警戒心が強く、落ち着いた環境でしか食べないこともあります。
人の出入りが少ない静かな場所で、毎日同じ時間に与えると安心して食べるようになります。
また、味や粒の大きさの好みも個体差があります。
少量パックを試して食いつきを確認し、合わなければ無理に続けず別の種類を試すのがコツです。
迷った時は獣医師やブリーダーに相談しながら、体質と性格に合ったフードを見つけてあげましょう。
甲斐犬の餌におすすめの食材と手作りごはんの考え方
栄養バランスを考えた手作りごはん

甲斐犬は筋肉質で運動量が多いため、タンパク質を中心にした食事が理想的です。
鶏むね肉・牛赤身肉・白身魚などの高タンパク食材に加えて、少量の野菜や炭水化物を組み合わせることで、バランスの取れたごはんになります。
調理のポイントは「加熱」と「塩分カット」です。
生肉や味付き食材は避け、ゆでる・蒸すといった調理で素材のうまみを引き出すと、消化吸収がよくなります。
また、サプリメントで不足しがちなカルシウムやオメガ3系脂肪酸(亜麻仁油など)を補うと、皮膚と被毛の健康維持に役立ちます。
ドライフードと手作りの併用もおすすめ

完全手作り食にこだわると、栄養管理や調理の手間が大きくなります。
そのため、「朝はドライフード・夜は手作りごはん」などの併用スタイルが現実的です。
ドライフードの良さ(保存性・栄養の安定性)と、手作りの良さ(嗜好性・水分補給)を両立できるため、食いつきも安定します。
特に食欲が落ちやすい夏場は、ウェットタイプや手作りの温かいスープを加えると効果的です。
与えてはいけない食材に注意

健康のために手作りを取り入れる際は、甲斐犬にとって有害な食材にも注意が必要です。
代表的なものとして以下があります。
- ネギ類(玉ねぎ・長ねぎ・にらなど)
- チョコレート・カフェイン
- ぶどう・レーズン
- 香辛料の強いもの(カレーなど)
- 生の豚肉(寄生虫のリスク)
これらは中毒や消化不良の原因になるため、絶対に与えないようにしましょう。

甲斐犬の餌の量と回数は?【まとめ】
甲斐犬の食事は「量・質・タイミング」の3つのバランスが重要です。
年齢や運動量に合わせて無理なく調整し、手作りを取り入れる場合も安全な食材を意識しましょう。
元気で長生きできるよう、日々のごはんを通して健康を守ってあげてくださいね。