
モルモットの妊娠は、飼い主にとって大きな喜びである一方、命がけの出来事でもあります。
特に妊娠初期の兆候を見逃さず、早めに対応することが母体と赤ちゃんを守る第一歩です。
この記事では妊娠兆候から妊娠期間の流れ、出産に潜むリスクまでわかりやすく解説します。
モルモットの妊娠
妊娠兆候

モルモットは体が小さいため妊娠してもすぐには外見で判断しにくく、飼い主が兆候を見逃しやすい動物です。
ですが、よく観察すれば「妊娠かもしれない」と気付けるサインがいくつかあります。
これらを理解しておくことで、早めに環境を整え、妊娠中毒などのリスクを下げることができます。
体重の増加とお腹のふくらみ
最もわかりやすい兆候は体重の増加です。
妊娠が進むと徐々にお腹が丸みを帯び、触ると固い部分を感じることがあります。
特に2週間以上で50g以上増えている場合は妊娠の可能性が高いとされます。
ただし、肥満との区別が難しいため、日々の体重測定が大切です。
行動や性格の変化
妊娠したモルモットは普段より落ち着きがなくなったり、逆に大人しくなる場合があります。
また、食欲が急に増えたり、巣材を集める行動が見られることもあります。
普段と違う行動の変化は小さな兆候でも見逃さないよう注意が必要です。
乳頭や体つきの変化
妊娠が進むと乳頭が少しずつ大きく目立ってきます。
毛の隙間から確認できるようになるのは妊娠中期以降です。
また、お腹まわりが全体的に張ってくるため、見た目でも妊娠を疑いやすくなります。
もし乳頭や腹部の変化が明確なら、早めに動物病院で確認を取ることをおすすめします。
妊娠期間と経過

モルモットは1回の出産で2~4匹の子供を産む事ができます。
モルモットの妊娠期間は約2ヵ月とされており、他のげっ歯類と比べて長いため妊娠中のトラブルも起こりやすいとされています。
長い妊娠期間を経た子供は、生まれた時から眼が開いていて、毛や歯も生えてる状態でお母さんモルモットのミニチュアの様な感じでとてもかわいいです。
モルモットにも適正な妊娠適齢期と呼ばれる時期があります。
それはメスが6~9ヵ月までに初産を行うと良いとされています。
6~9ヵ月となると飼い始めて数ヵ月の頃なので交配を考える時期ではない様な気もしますが、モルモットにとってそこで初産を終わらせるとそれ以降に出産時の難産になりにくいと言われています。
成熟の早いモルモットであると、2~3ヵ月で出産をが出来るとされているので、モルモット家族に迎え入れる頃には既に子供を作る能力が備わっていると言う事です。
モルモットの妊娠中に発生する様々なトラブルについて
モルモットの世界にも、妊娠中のトラブルがあります。
初産が遅れると難産になる傾向

特に、適齢時期を過ぎて妊娠をした母親モルモットでは、分娩の途中で出産が遅れてしまい、人間が助産師の様なう役割を行い、正常な分娩を手助けする場合があります。
先程も記述した様に、「難産」の原因の一つに、メスの初産が挙げられます。
モルモットの骨盤の一部は軟骨でできています。
メスが6~9ヵ月齢以上の年齢のなってしまうと、骨盤が上手く作用しない事があり、難産につながります。
時には、人間同様に帝王切開での出産も選択される場合があります。
メスの年齢を考え、計画的に繁殖を行うことが難産を防ぐための手段の一つとなります。
モルモットの妊娠中毒

症状
妊娠中毒にかかってしまう事もあります。
妊娠中毒は緊急疾患なので命に関わることとなります。
最初は軽い飲食不振がメインになります。
その後半日から1日程度で呼吸の異常が現れて呼吸困難や痙攣も見られるようになり、食欲は全くなくなってしまいます。
そして動けなくなってしまいます。
おかしいなと感じた時にはもう手遅れになってしまう事が殆どとなり、早くて2~3日で死亡してしまう事になるそうです。
原因
妊娠中毒になる原因として考えられる事としては、肥満状態のモルモットに多いようです。
そして、高度の急性脂肪肝で代謝異常が起こってしまう事も原因の一つに挙げられます。
対応
出来る治療は早期発見による早期治療の開始が最も重要なので、普段の様子をしっかりと観察してあげる事が重要となります。
妊娠中毒の処置としては入院する事もある様で、点滴治療や注射をを行う事があるようです。
上記にも記述しましたが、肥満状態のモルモットは妊娠中毒のリスクが高くなる傾向があるので、モルモットの適正体重を意識して食べ物を与えてあげる必要があります。
体重管理もしっかりと行う事をお勧めします。
そして、妊娠中毒にかかりやすい時期としては冬期が多い様なので、小屋の寒さ対策や環境を整えて安全に妊娠時期と出産を終えられるように配慮してあげて下さい。
モルモット繁殖に関するFAQ

モルモットの妊娠期間と経過について!【まとめ】
モルモットは小さな体で命を育むため、妊娠と出産は大きな負担となります。
妊娠兆候を早めに見極め、体重管理や環境調整を行うことで、難産や妊娠中毒のリスクを減らせます。
今後も出産や子育てに関する関連記事も参考にしながら、モルモットと飼い主が安心して新しい命を迎えられるよう備えていきましょう。