
ロシアンブルーは穏やかで上品な印象を持たれる猫ですが、環境や飼い主の接し方によっては突然攻撃的な行動を見せることもあります。
この記事では、実際の体験をもとに「なぜロシアンブルーが凶暴化するのか」「その前に見せるサイン」「落ち着かせる方法」を詳しく解説します。
ロシアンブルーは狂暴化する?

ロシアンブルーは「穏やかで静かな猫」という印象を持たれることが多いですが、実は環境や飼い主との関係性によっては一時的に攻撃的な行動を見せることがあります。
ただし、それは本来の性格が「狂暴」なのではなく、恐怖・不安・ストレスなどが限界に達したときに起きる防衛反応です。
たとえば、引っ越しや模様替えなどの環境変化、知らない人が訪ねてくる、急に抱き上げられるなどの出来事がきっかけで、威嚇したり引っかいたりすることがあります。
また、ロシアンブルーは非常に頭が良く、飼い主の感情を敏感に察するため、怒りや不安が伝わると同じように警戒心を強めてしまうのです。
このようなときは無理に近づかず、静かな場所で落ち着かせてあげることが大切です。
時間をおいてから優しく声をかけ、少しずつ信頼を取り戻すことで、再び穏やかなロシアンブルーの姿に戻ってくれます。
筆者宅のロシアンブルーの幼少期の性格

私が初めてロシアンブルーを迎えたのは、猫を飼うのが初めてのときでした。
ペットショップでひと目惚れして連れ帰ると、すぐにベッドの下へ隠れ、出てきたと思えばしっぽを膨らませて警戒。
犬のように抱き上げようとすると「シャー!」と怒られ、驚いたのを覚えています。
それでも時間をかけて少しずつ慣れ、膝の上で寝たり体の上に乗ってきたりと、まるで犬のように甘えるようになりました。
ところが、一時的に実家に預けた後、再び迎えに行った際、まるで別猫のように隠れて出てこなくなったのです。
布団に入った瞬間、突然猫パンチをされ、「シャー!」と威嚇。
怒り狂ったロシアンブルーに手が出せず、私は布団の中で息をひそめるしかありませんでした。
15分ほどで落ち着きましたが、信じられない光景にショックを受け、愛猫との関係をどう修復すべきか深く考えさせられました。
なぜ突然凶暴化したのか

筆者の体験談を前述しましたが、なぜこのような事件が起きたのか考えました。
結論としては、ロシアンブルーは犬っぽいとは言われていますが、大前提にやはり「猫である」ことには変わらないという点にあります。
記憶力には2種類あり、長期記憶と短期記憶があります。
猫は一時的に記憶する短期記憶が優れています。
私が実家に預けている間に、悲しいことではありますが私と一緒に暮らしていた記憶を消失してしまったのです。
また、ロシアンブルーは家族認定すると非常に人懐っこい性格を見せるのですが、家族認定から外されてしまった私は、知らない人が部屋に入ってきた、怖いといったように猫の頭の中で変換されてしまったのです。
どうすれば凶暴化を防げた?

猫が記憶するためには、短期記憶を繰り返し与えてあげることが必要となります。
実家に預けたときに、もう少し顔を出してあげ、猫に合わせて忘れない程度に触れあってあげる必要があったのです。
また私は今回凶暴化したときに、明らかに怖がっている態度を相手に見せてしまいました。
飼い主としての威厳がなく、「私がご主人様だ」と相手に錯覚させてしまったのです。
凶暴化した場合の対処法

猫にひっかかれる時とても痛いし、意外にも傷は深くなります。
ただ背中を向けて逃げてしまうことは一番だめなことです。
カッとなってしまった猫は自分でも自分をコントロールができない状態であるため、まず小さな穴のあいたスーパーのカゴのようなものを用意しておきます。
そしてその凶暴化しだしたときに猫にそのカゴをかぶせるのです。
すると本来暴れたいところですが、狭さで暴れることができず、こちら人間サイドもケガをしない。
しかし本人にとって自分の空間が確保されているために、どんどん落ちつてくるのです。
ロシアンブルーが凶暴化する前に見せるサインとは?
表情やしっぽの動きでわかる「警戒モード」

ロシアンブルーは普段おとなしく、表情の変化も控えめな猫種ですが、怒りや恐怖を感じた際にはわずかなサインを出しています。
たとえば耳を後ろに伏せたり、しっぽを大きく膨らませて左右に強く振ったりといった行動は、「これ以上近づかないで」という警告のサインです。
この段階で距離を取り、目を合わせず静かにその場を離れることで、凶暴化を防げるケースが多くあります。
飼い主の行動がストレスの原因になることも

ロシアンブルーは環境変化やスキンシップのタイミングにとても敏感です。
突然抱き上げたり、強引に触れたりすると「支配された」と感じ、攻撃的になる場合があります。
特に信頼関係がまだ不十分な時期には、優しく声をかけ、相手のペースに合わせて触れることが大切です。
「無理に触らない勇気」こそが、信頼を築く第一歩といえます。
抱っこが嫌い?

ロシアンブルーは飼い主にはとても忠実で愛情深い猫ですが、実は「抱っこが苦手」な子が多い傾向にあります。
これは性格の問題ではなく、もともと繊細で警戒心が強い猫種であることが理由です。
抱き上げられると自分の足で踏ん張れず、体勢をコントロールできないため、不安や恐怖を感じやすくなります。
特に初対面や信頼関係が十分に築けていない段階で抱っこすると、驚いて暴れたり、「シャー!」と威嚇したりすることもあります。
ただし、完全に抱っこを嫌うわけではありません。
日常的に優しく声をかけ、スキンシップを重ねることで、少しずつ「安心できる抱っこ」を覚えてくれます。
ポイントは、いきなり持ち上げず、まず膝の上で撫でることから始めること。
信頼が深まると、自分から膝の上に乗ってきたり、短時間の抱っこならリラックスしてくれるようになります。
ロシアンブルーにとって抱っこは「愛情の証」ではなく、「安心できる関係の結果」。
焦らずゆっくり距離を縮めていくことで、抱っこ嫌いのイメージは自然と消えていきます。
そもそも、なつかないのはなぜ?

ロシアンブルーは「ツンデレ猫」とも呼ばれるほど、なつき方に個体差がある猫種です。
飼い主にだけ心を開く反面、信頼関係が築けるまでは距離を保つ慎重な性格をしています。
そのため、迎え入れてすぐに甘えてくれることを期待すると、「なつかない」「避けられている」と感じてしまうこともあります。
特になつきにくい原因として多いのが、接し方のタイミングと環境の変化です。
ロシアンブルーは静かで落ち着いた空間を好むため、騒がしい場所や大勢の人がいる環境ではストレスを感じやすくなります。
また、無理に抱き上げたり、しつこく触れようとすると「怖い存在」と認識され、ますます心を閉ざしてしまうのです。
なついてもらうためには、焦らず「猫のペース」に合わせることが大切です。
目を合わせすぎず、同じ空間に静かにいる時間を増やすだけでも、少しずつ安心してくれるようになります。
信頼が深まれば、自分からすり寄ってきたり、飼い主の行動をそっと観察するようになります。
ロシアンブルーは愛情表現が控えめなだけで、決して冷たい猫ではありません。
時間をかけて信頼を築けば、まるで犬のように一途で献身的な一面を見せてくれるようになります。
ロシアンブルーの凶暴化を予防する日常ケアのコツ

ロシアンブルーは静かな環境を好み、騒音や知らない来客が続くとストレスが溜まります。
お気に入りの寝床や高い場所を確保してあげることで安心感を得られ、過度な警戒を防げます。
また、遊び時間を決めておくと、飼い主=楽しい存在として記憶されやすく、信頼関係の維持にもつながります。
こうした「安心・リズム・距離感」の3要素を意識することが、凶暴化防止の最大のポイントです。

ロシアンブルーの凶暴化する理由とその対策方法【まとめ】
ロシアンブルーが凶暴化するのは、決して性格が悪いからではなく、恐怖や混乱が原因です。
飼い主が冷静に対処し、安心できる環境を整えれば再び信頼を取り戻すことができます。
焦らず、時間をかけて寄り添う姿勢が最も大切です。
