
猫の抜歯をすすめられたけれど、本当にやって大丈夫なのか不安ですよね。
この記事では、抜歯の目的やメリット・デメリット、そして「後悔しないための準備とケア方法」を詳しく紹介します。
実際に抜歯後に後悔した飼い主の声も参考にしながら、愛猫にとって最善の選択を一緒に考えていきましょう。
猫の抜歯の目的

猫の抜歯は、歯周病や口内炎などの治療が目的です。
歯周病が進行すると腎不全など全身疾患の原因になることもあり、重症化防止のために抜歯が行われます。
特に難治性口内炎は強い痛みを伴い、ステロイド治療で改善しない場合は全抜歯が有効とされています。
また、歯石の蓄積も口臭や炎症の原因となるため、定期的なチェックが大切です。
抜歯は不安もありますが、早期発見と適切な治療で猫の苦痛を減らせます。
口臭や歯肉の腫れを感じたら、早めに動物病院で診てもらいましょう。
猫の抜歯前に知っておきたいこと
抜歯後の食事はどうなる?

猫が歯を抜いた後は、しばらくの間やわらかいフードを与える必要があります。
ウェットフードやふやかしたドライフードを中心に、痛みが落ち着くまでは固いものを避けましょう。
多くの猫は数日〜1週間で食欲が戻り、抜歯前よりも食べやすくなったと感じるケースもあります。
特に口内炎や歯周病で痛みがあった猫は、抜歯後に「ごはんをしっかり食べるようになった」という声も多く聞かれます。
ただし、歯の本数が大幅に減った場合は、今後も柔らかめの食事に切り替える方が安心です。
噛む力が弱くなることで、丸飲みしやすくなるため、フードの大きさや形状にも注意しましょう。
抜歯後の猫の生活の変化

歯を失っても、ほとんどの猫は問題なく生活できます。
なかには全抜歯をした後も元気に遊び、ごはんをモリモリ食べている子も珍しくありません。
抜歯後に注意すべきなのは、痛みや腫れ、口臭などの回復サインの見逃しです。
食欲が戻らない、口を触ると嫌がる、唾液が多いといった症状が続く場合は、再診が必要です。
また、口腔内トラブルの再発防止には、抜歯後も定期的な口腔ケアを続けることが大切です。
歯がなくても、歯茎の清潔を保つためにガーゼで軽く拭く、口腔ジェルを使うなどのケアが推奨されます。
猫の抜歯を後悔する飼い主の声とその背景

〔今日の猫俳句〕積年の
— 寝ても覚めても猫ぐらし (@PgLujdl8b9R0hf9) May 18, 2023
歯痛取り除き 夏の空
かりんは歯石を取り歯肉炎を治療するために入院しました。治療の過程で右下の奥歯の根元が膿んでいることがわかり、二本抜歯しました。これまで歯科検診をしてこなかったことを後悔するばかりです。 pic.twitter.com/rPjL5FRy1M
うちはと言うと、、、にゃおさんは相変わらずの睡眠時間。
— nyafumofu (@nyafumofu) February 4, 2021
猫は、、、昨日クロちゃんを病院へ。
回虫・猫風邪・口臭で行ったんだが、口臭に関しては麻酔での歯科治療が必要との事。。。
抜歯しかないらしく、もっと早く治療してあげればととても後悔、、、(´;ω;`)
ムサの歯磨きをしていたけど、全猫対象に歯磨きを実施する事にしたらタビの歯茎から出血が!
— UY-807@ユビキタスを感じたい (@UY8071) September 30, 2017
慌てて医者に連れて行ったけど歯槽膿漏なので抜歯だそうです。
ああ、もっと早く歯磨き始めればよかった!
後悔しかない。 #猫 #cat pic.twitter.com/zoceWMFUmE
猫の抜歯そのものを後悔する飼い主は少なく、多くは
「もっと早く気づいてあげればよかった」
「予防できたかもしれない」
というタイミングへの後悔が多い傾向にあります。
つまり抜歯に至るまでに防げなかったことに対する後悔が多いと言えるでしょう。
猫は痛みを隠す動物のため、症状が進行してから初めて異常に気づくことも少なくありません。
そのため、日頃から「口臭」「よだれ」「食べ方の変化」「顔をかく仕草」などを観察しておくと、早期発見につながります。
また、抜歯後に「もっと違う治療法があったかも」と感じる場合もあります。
このような後悔を防ぐには、事前にセカンドオピニオンを受けることが大切です。
治療方針を比較することで、納得のいく決断がしやすくなります。
猫の抜歯を後悔しないためには、
・術前に十分な説明と相談を受けること
・抜歯後のケアを理解しておくこと
・早期の口腔トラブル発見を意識すること
がポイントです。
抜歯は猫のQOL(生活の質)を守るための治療であり、痛みを取り除くための手段。
正しい知識と準備で、後悔しない選択をしてあげましょう。
猫の抜歯に麻酔は危険?死亡率はあるの?

猫の抜歯には全身麻酔が必要なため、「麻酔で死んでしまうことはないの?」と不安に思う飼い主さんも多いでしょう。
実際、麻酔による死亡リスクは0.1〜0.3%前後といわれており、非常に低い確率です。
つまり1000頭に1〜3頭程度の割合で、何らかの麻酔事故が起こる可能性があるとされています。
このリスクは、猫の年齢や持病、体調、麻酔方法によって変わります。
特に腎臓病や心臓病などの持病がある猫、高齢猫、または脱水・貧血などがある猫ではリスクが上がります。
そのため、抜歯前には必ず血液検査やレントゲン検査などの術前検査を受けて、麻酔が安全に行えるかを確認します。
近年では麻酔薬の進歩やモニタリング機器の発達により、リスクはさらに低下しています。
手術中は心拍・血圧・体温・呼吸状態を常時チェックし、異常があればすぐ対応できる体制が整っている病院も多くあります。
抜歯は痛みを取り除き、生活の質を向上させるための治療です。
麻酔リスクはゼロではありませんが、適切な事前検査と術後ケアを行えば極めて安全性の高い処置といえます。
心配な場合は、麻酔の方法(吸入麻酔か静脈麻酔か)やモニタリング体制について、事前に獣医師に確認しておきましょう。
猫の抜歯にかかる費用の目安

猫の抜歯費用は、抜く歯の本数や治療内容、動物病院の設備によって大きく異なります。
目安としては次のとおりです。
- 軽度(1~2本):1〜2万円前後
- 中程度(数本):3〜6万円前後
- 全抜歯(口内炎などの場合):7〜15万円前後
これらの金額には、通常 麻酔費・点滴・術前検査・投薬代 などが含まれます。
ただし、血液検査やレントゲンなどの術前検査を別料金で請求される場合もあり、合計でさらに数千円〜数万円上乗せになることもあります。
また、全身麻酔を使用するため、日帰りではなく一泊入院になるケースもあります。
その場合は入院費(3,000〜10,000円前後)が追加されることもあります。
ペット保険に加入している場合は、歯周病や口内炎など原因によっては保険が適用されるケースもあるため、事前に保険会社へ確認しておきましょう。
費用が高額に感じるかもしれませんが、抜歯によって痛みや食欲不振から解放される猫は非常に多いです。
治療の目的と見積もりをよく理解し、信頼できる動物病院で相談することが大切です。
猫の抜歯後の経過と回復の目安
抜歯後の猫は、しばらく痛みや違和感で食欲が落ちることがあります。
多くの場合、1〜3日程度で少しずつ回復し、1週間ほどで普段の食事に戻れることが多いです。
抜歯直後(0〜2日)
麻酔の影響で眠そうにしたり、よだれが増えることがあります。
食事はウェットフードやふやかしたドライフードなど柔らかいものを少量ずつ与えましょう。
出血が続く場合や口を頻繁に気にする様子があれば、早めに病院へ相談してください。
数日後(3〜7日)
腫れや痛みが落ち着き、食欲が戻りはじめます。
この時期に再び口臭や出血が見られる場合は、感染や炎症の再発の可能性があるため注意が必要です。
処方された抗生物質や痛み止めは、指示通りに最後まで使い切ることが大切です。
1〜2週間後
ほとんどの猫がこの時期に完全回復します。
抜歯跡の歯茎がきれいに塞がり、再び普通に食事や毛づくろいができるようになります。
全抜歯を行った猫でも、慣れると問題なく生活できるケースがほとんどです。
ただし、硬いフードやおやつは1〜2週間ほど控えるようにしましょう。
抜歯後のケア
抜歯が終わっても、再発防止のためには定期的な口腔チェックが重要です。
歯石や口内炎の再発を防ぐために、ガーゼで歯茎を優しく拭く、口内ジェルを使用するなどのケアを続けると安心です。
猫の抜歯で後悔する?メリットとデメリット

メリット
猫の抜歯のメリットは以下のようになります。
痛みや不快感の軽減
抜歯することで、感染や歯周病などによる痛みや不快感を軽減することができます。
患部の歯を取り除くことで、猫がより快適に過ごすことができます。
口内の健康改善
進行した歯周病や歯の感染を抑えるために、患部の歯を取り除くことで口内の健康を改善することができます。
これにより、口内の感染や疾患の進行を防止し、全体的な健康状態を改善することができます。
治療の必要性の軽減
治療が難しい歯の問題や損傷を抱えている場合、抜歯はより簡単で効果的な解決策となることがあります。
歯を取り除くことで、患部の問題を解決し、より早く回復させることができます。
予防
歯の感染や損傷を早期に処置することで、口内の健康を維持し、将来的な問題の予防にもつながります。
抜歯によって、口内の健康を維持し、猫の全体的な健康を促進することができます。
これらのメリットは、猫の口内健康を改善し、痛みや不快感を軽減し、将来的な問題を予防するために抜歯が行われる場合があります。
適切な処置と管理のもとで、猫の口内健康を維持することが重要です。
デメリット
猫の抜歯のデメリットは以下のようになります。
咀嚼能力の低下
歯を失うことで、猫の咀嚼能力が低下する可能性があります。
特に複数の歯を抜歯する場合、食事の咀嚼や摂取に影響を与える可能性があります。
外観の変化
歯を失うことで、猫の外観に変化が生じる場合があります。
特に前歯や顎の歯を失う場合、外観に影響を与える可能性があります。
食事の制限
抜歯後は、特定の食事制限が必要になる場合があります。
特に手術後の回復期間には、柔らかい食事や特別な食事が必要な場合があります。
手術リスク
抜歯手術には手術リスクが伴います。
麻酔や手術中の出血、感染などが起こるリスクがあります。
ストレスや不安
抜歯手術や回復期間中に猫がストレスを感じる可能性があります。
手術や医療処置に対する不安やストレスが生じることがあります。
これらのデメリットは、猫の抜歯を検討する際に考慮すべき重要な要素です。
獣医師との相談や適切な管理下で、猫の口内健康を維持するための最適な選択肢を検討することが重要です。
猫の抜歯が必要となる前に!予防方法

猫の虫歯や歯周病、口内炎を予防するためには、以下の方法が効果的です。
定期的な歯のブラッシング
猫の歯を定期的にブラッシングすることで、食べかすや細菌を除去し、歯周病や歯垢の形成を防ぎます。
専用の猫用歯ブラシと歯磨きペーストを使用し、獣医師の指示に従って行います。
適切な食事
適切な栄養を含む食事を与えることで、猫の口内の健康を維持します。
特に歯の健康をサポートするために、歯磨き効果のある特別なフードや、歯垢を防ぐための食事を選ぶことが重要です。
デンタルケア用品の利用
デンタルケア用のおもちゃやスプレー、口腔洗浄剤などを利用して、猫の口内の健康をサポートします。これらのアイテムは、歯の洗浄や歯周病予防に役立ちます。
定期的な歯科検診
定期的な歯科検診を受けることで、獣医師が歯や歯茎の健康状態をチェックし、早期に問題を発見し治療することができます。
猫の抜歯を後悔することがある?【まとめ】
猫の抜歯は、痛みや炎症を取り除き、健康を取り戻すための治療です。
しかし、術前の説明不足やケアへの不安から後悔につながることもあります。
事前に十分な相談を行い、抜歯後も食事やケアを丁寧に行うことで、猫も飼い主も安心して過ごせるようになります。
不安なときはセカンドオピニオンも活用し、後悔のない判断をしてあげましょう。