シェパードは耳を切る?断耳が行われない理由と世界の現状を解説!

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シェパードの耳はなぜ立っているのでしょうか?

「耳を切るの?」「断耳が必要?」と疑問を持つ方も多いはず。

この記事では、シェパードの断耳事情や、世界と日本の考え方の違い、そして自然な立ち耳の魅力について分かりやすく解説します。

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目次

シェパードは耳を切らない|その理由とは?

シェパードは断耳を行わない

結論から言うと、シェパードは耳を切りません。

もともと生まれつき立ち耳の犬種であり、断耳を行う必要がないためです。


断耳は垂れ耳の犬種で行われる

断耳を行う犬種の多くは本来垂れ耳で、「外耳炎になりにくくなる」「聴覚がよくなる」などの理由で耳を切る文化が生まれました。

しかし、これらは科学的な根拠が乏しく、実際にははっきりとした効果は確認されていません。

筆者の経験的にも、垂れ耳の犬は耳の中が蒸れやすく、外耳炎になりやすい傾向があります。

一方で、立ち耳のシェパードは通気性がよく、耳の中が清潔に保たれやすいのが特徴です。

実際に筆者の飼っていたシェパードは軽いケアだけで問題ありませんでしたが、ラブラドールのような垂れ耳犬種では定期的な耳掃除が欠かせませんでした。


仕事の種類の違い

また、耳の形と「仕事」の種類にも違いがあります。

立ち耳の犬(シェパード・ドーベルマンなど)は音に敏感で、警察犬や警戒犬など、瞬時の判断を求められる仕事に向いています。

一方、垂れ耳の犬(ラブラドール・ゴールデンなど)は嗅覚が優れており、麻薬探知犬や災害救助犬として活躍するケースが多いです。

つまり、耳を切るかどうかは犬種の特性と役割に関わるものであり、シェパードに断耳は不要なのです。

断耳をする犬種

前述のようにシェパードは断耳しない犬種ではありますが、シェパード以外では耳を切る犬種もいます。

  • シュナウザー(ミニチュア、スタンダード、ジャイアント)
  • ピンシャー(ミニチュア、ドーベルマン)
  • グレートデン
  • ボクサー
  • ボストンテリア

等、他にもありますが、一般に知られているのは上記の犬種かと思います。

昨今は動物愛護の観点から、上記の犬種でも断耳しない犬達も増えてきました。

JKC(ジャパン・ケンネルクラブ)等のドッグショーに出陳する犬達の中にも、断耳せずに出陳する犬達も増えて来ていますが、犬種のスタンダード(犬種標準)に断耳と記されている犬種は、現在も耳を切った容姿で出陳しています。

なぜ断耳が行われるのか?

はるか昔、闘犬が盛んだった頃にさかのぼりますが、その当時は相手に咬みつかれにくいように、咬みつかれても軽症で済むようにとの考えから、耳を切ると言う考え方に至ったようです。

ヨーロッパでは耳の垂れた警察犬が外敵に襲われた時に、出来るだけ被害が少ないようにと断耳する行為に至った、と言う話もあります。

牧羊犬や狩猟犬も、牛や羊に接触する事でケガをするのを防いだり、木や草でケガをしないようにと言うのが、断耳する事のそもそもの理由でした。

断耳する犬種である牧羊犬や狩猟犬、警察犬ですが、その最も大きな理由は耳の損傷を最小限に防ぐためだったのですね。

現在の日本に於いては、闘犬というカテゴリーがなく(土佐犬除く)、牧羊犬や狩猟犬として働く犬も決して多くはありません。

JKCの犬種スタンダードにも、断耳が行われていることと記した犬種がいますが、これまでの慣習にのっとり耳を切る行為が行われている、と言えます。

ドッグショーに出陳する犬だけでなく、審美目的での断耳・断尾は禁止、としている国も多くなりましたが、警察犬や軍用犬には容認されている国が多いようです。

断耳をめぐる世界の現状と日本との違い

現在のヨーロッパやアメリカでの断耳事情

現在では、ヨーロッパ諸国を中心に“断耳禁止”の流れが強まっています。

例えばドイツやイギリス、フランスなどでは、美観目的で耳を切ることは動物虐待とみなされ、法律で禁止されています。

これらの国々では、犬は自然な姿こそ尊重されるべきという考え方が広まり、ショーに出る犬であっても断耳していない個体が増えています。

一方でアメリカやロシアなど、一部の国ではショードッグの伝統を理由に断耳が合法的に行われています。

ただし、動物愛護団体の働きかけやSNSでの意見の拡散により、徐々に断耳しない飼い主が増加しています。

日本での法的扱いと倫理観

日本では断耳自体を明確に禁止する法律はありませんが、「動物の愛護及び管理に関する法律」により、“不必要な苦痛を与える行為” が禁止されています。

そのため、美観目的だけで耳を切る行為は獣医師の倫理規範にも反し、ほとんどの動物病院では行われません。

かつては警察犬・軍用犬・ショードッグなどの「職業犬」への処置として行われていた時代もありますが、現代の日本では、必要性が乏しく、倫理的にも受け入れられにくくなっています。

断耳をしないシェパードが持つ自然な魅力

自然な耳を持つジャーマン・シェパードは、凛々しさと優しさを併せ持つ表情が魅力です。

立ち耳が示す警戒心の高さや集中力は、もともと彼らの能力に備わっているもので、断耳によって得られるものではありません。

また、断耳をしないことで表情の豊かさがより伝わりやすく、家庭犬としての穏やかで誠実な一面が際立ちます。

近年ではSNSでも「ナチュラルイヤー」のシェパードが人気を集めており、自然体の美しさが新しい価値観として広まりつつあります。

シェパードは耳を切るの?【まとめ】

シェパードは断耳を必要としない立ち耳犬種であり、自然な姿こそが本来の魅力です。

断耳の歴史的背景を理解しつつ、これからは「ありのままの姿」を大切にしていきたいですね。

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