
シェパードを飼う時に、外で飼った方が良いのか室内の方が良いのか、悩む方もいらっしゃると思います。
通常、小型犬や中型犬を外で飼うという選択肢は、現在は動物愛護の観点からほとんどないと思います。
一方、大型犬でもシェパードやドーベルマン等の場合、他の人はどうしてるの?と思う方が少なくないと思います。
ここでは、シェパードは外飼いしても良いのか、そのメリットやデメリット、外で飼う時の注意点やしつけの仕方を解説していこうと思います。
シェパードの外飼いについて
外飼いは可能?

結論を先に言いますとシェパードの外飼いは可能です。
外飼いと言うと、イメージとしては何かに繋がれて、傍に犬小屋が置いてある状況を想像される方が多いかもしれませんが、今は外犬舎と呼ばれる、犬のために建てられた建物の室内で過ごす事が多いようです。
ブリーダーや訓練施設では、こういった外犬舎で過ごすシェパードも多々います。
自宅に広い庭があって、犬舎から出ればすぐに運動できるような環境なら、むしろ外飼いはシェパードに向いているかもしれません。
また、硬めでダブルコートでもある被毛は、どんな天候にも対応可能です。
シェパードを外飼いするメリットについて、考えつくものをあげてみます。
*室内が汚れない
*匂いがこもらない
*家の物をいたずらされない
*ストレスが貯まりにくい
*防犯になる
等、シェパードを外飼いにするメリットはいくつかあります。
注意点は?

シェパードは外飼いも可能ですが、注意しなければいけないポイントもいくつかあります。
シェパードを外飼いにした場合のメリットをあげましたが、デメリットも当然あります。
*体調の変化に気付きにくい
*ウィルスなどに感染する機会が増える
*気候の変化、特に真夏の熱中症対策は必至
*警戒心が強くなるため吠え癖が付きやすく、結果無駄吠えが増える
*身体が汚れやすくなるので、まめにシャンプーする必要がある
等、外飼いならではの注意点があります。
しつけ方法

シェパードは、元々が警戒心が強い気質であり、防衛本能に優れた犬種です。
家庭で飼う場合は外飼いにする事で、より警戒心が強く出てしまうため、室内で飼う以上にしっかりしたしつけや訓練が必要になります。
シェパードをお家に迎えたその時から、しつけの第一歩は始まっていると認識しましょう。
幼少期からの社会化トレーニング
他人も他犬も敵ではなく、無視すれば良いと覚えさせましょう。
大事なのは、社会化期と呼ばれる4ヶ月までです。
警戒心の強いシェパードは、特にこの時期の社会化は必須です。
がまんや無視も、この時期に基礎を入れてしまいましょう。
主従関係、信頼関係をしっかり築く
責任感の強く愛情深い犬種なので、飼い主の言う事は素直に従っていれば良いのだと認識させましょう。
シェパードは訓練が大好きな犬種なので、一緒に訓練することで飼い主との絆はより深まります。
基礎訓練のスワレ、マテ等から始まり、一定の場所で静かに動かず、待つ事が出来るようにしましょう。
地道に訓練していく事で、吠え癖に関しても持続して吠え続ける事はせず、飼い主の”吠えるな!”の一声で吠え止めばひとまず成功です。
頭も身体も運動不足にさせない
シェパードは、とても運動量が必要な犬種です。
庭で遊ばせていても、散歩は1日2時間程度は必要です。
運動不足になると、一気にストレスが貯まりやすくなります。
ボール投げやフリスビーなど、変化のある運動をさせてあげましょう。
雨の日などは、ノーズワークと呼ばれる知育玩具などを使って、頭を使わせるのも良いでしょう。
かくれんぼ遊びも、楽しく頭と身体を使う遊びになります。
環境づくりの3つのポイント

犬舎や寝床の設置場所と構造
外飼いをする場合、シェパードの居場所は「庭の片隅」ではなく、「家族の目が届く範囲」に置くことが理想です。
常に様子を確認でき、異変にすぐ気づける距離感を保つことが大切です。
犬舎は地面から少し高く設置し、風通しを確保しながらも直射日光と雨を避けられる屋根付きの構造にします。
内部には断熱材を使用し、夏は風が通り抜けるように、冬は冷気が入りにくい構造にすると快適に過ごせます。
また、金属製ではなく木製や断熱パネル素材など、温度変化の少ない材質を選ぶのがポイントです。
季節ごとの温度管理と注意点
シェパードは寒さには強い犬種ですが、日本の「湿度」と「猛暑」には弱い傾向があります。
夏場は特に熱中症対策が重要で、犬舎に直射日光が当たらないように設置するほか、扇風機・遮光ネット・冷感マットなどを併用して温度を下げる工夫をしましょう。
冬は冷気が入り込まないよう出入り口にカーテンを設け、寝床には厚めの毛布を敷いて保温します。
屋外に置く水皿は凍結や虫の混入にも注意が必要で、常に清潔で新しい水を保つことを意識しましょう。
ご近所トラブルを防ぐコミュニケーション術
外飼いの大きな課題の一つが「吠え声による近隣トラブル」です。
しつけで「吠え止め」のコマンドを教えるのはもちろん、普段から運動・スキンシップを十分に取り、ストレスによる無駄吠えを防ぎましょう。
また、シェパードは見知らぬ人への警戒心が強いため、庭越しに通行人へ吠えることもあります。敷地フェンスには適度な目隠しを設けることで、視覚刺激を減らして落ち着きを保たせることができます。
さらに、定期的に近隣へあいさつや説明をしておくと、「しっかり管理されている」と理解してもらいやすく、トラブルを未然に防ぐ効果があります。
シェパードは外飼いできる?【まとめ】
シェパードの外飼いについて、注意点やしつけ、訓練のしかたについて解説してきました。
シェパードにとって、外飼いはメリットもありますがやはりデメリットもあります。
特にデメリットは、シェパード自身の健康面やご近所トラブルに発展する可能性もあるので、しっかり考慮して決める必要性があります。
シェパードを外で飼うにしても室内で飼うにしても、まずは人が環境を整えてあげる事が大事です。
環境を整えると言う事は、訓練やしつけをしっかり行い他人・他犬に迷惑を掛けず、ご自分のシェパードが出来るだけ病気やケガをしないように管理してあげる事です。
家族の一員になったシェパードが、生涯において心穏やかに過ごしてくれる事を願ってやみません。