
カクレクマノミは映画やアクアリウムで人気の海水魚ですが、実は性別が変わるという驚きの生態を持っています。
オスメスの見分け方を知ると、繁殖の仕組みや飼育の奥深さが理解できるようになります。
この記事では、見分け方の具体例や性転換の理由についてわかりやすく解説します。
カクレクマノミのオスメスの見分け方とは?

カクレクマノミの性別は大人であれば見た目で見分けがつきます。
すごく簡単です。
大きいか小さいか、体の大きさでカクレクマノミの性別の見分けがつきます。
例えば水槽に複数匹飼育していて、一番大きいものがメス、次に大きいものがオスです。
でもってその2匹が仲良さげに一緒に泳いでいたら夫婦の関係になります。
一番大きいものがメスに変わり、二番目に大きいものがオスになる。
つまりより小さい3番目4番目の個体がもし近くで暮らしている場合はその個体たちはオスでもメスでもないです。
でもってなにかおきてメスが消えるとオスがメスになり、次にオスでもメスでも無い個体がオスに変わっていきます。
すぐに変化するわけではないですが、このような状況下になると時間をかけつつも変化はおきます。
なんで体のサイズでオスメスが変わるのかというのも不思議ですよね。
だって人では身長が高い女性もいれば低い男性もいます。
というわけで、いまのままだと記事はあっさり終了してしまうかつこのクマノミの性別の差の理由について解説している記事が少なく見えたので以下はいろいろ補足で書いておきます。
カクレクマノミ以外のクマノミも同じ特性

カクレクマノミの性別の仕組みはとても特徴的ですが、実はこれはカクレクマノミだけの特性ではありません。
クマノミの仲間にあたるクマノミ属(Amphiprion)全体に共通する特徴です。
クマノミ属は約30種が知られており、模様や体色こそ多種多様ですが、性別の決まり方は同じで「雌性先熟」と呼ばれる性転換の仕組みを持ちます。
つまり、最も大きな個体がメス、次に大きい個体がオス、それ以外の小さな個体は未成熟という順位づけの構造は、どのクマノミでも変わりません。
例えば、オレンジ色と白帯模様が美しいハマクマノミでも、赤褐色の体色をもつトウアカクマノミでも、群れの中では一番大きい個体が必ずメスとなります。
小さな個体たちは性別が確定していないため、上位個体に変化があれば時間をかけて性転換が起こり、群れのバランスが保たれるのです。
この仕組みは、広い海で新しいオスやメスを探すのが難しいクマノミにとって、限られた行動範囲で確実に繁殖を続けるための重要な戦略といえるでしょう。
クマノミのオスメスを見分ける具体的なポイント
クマノミは性転換を行う魚として知られていますが、飼育者にとって最初に気になるのは「今いる個体がオスかメスかどうか」でしょう。
ここでは水槽内での観察から判断できる具体的な見分け方を解説します。
体のサイズと順位関係

クマノミの群れでは体の大きさがそのまま性別と序列に直結します。
もっとも大きな個体がメス、次に大きい個体がオス、それ以外の小さな個体はまだ性別が確定していない「未成熟個体」です。
特に水槽で複数飼育していると、この順位関係がはっきりと現れるので判断しやすいです。
行動の違い

オスメスを区別するもうひとつのポイントは行動面です。
大きいメスはイソギンチャクの中で堂々とした動きを見せ、オスはその周囲でメスを守るような振る舞いをすることが多いです。
未成熟個体は群れの端にいて控えめに行動し、あまり目立たないのが特徴です。
繁殖期の変化

繁殖期になるとメスは体をさらに大きくして産卵の準備を整えます。
オスは巣穴を掃除したり、産卵床を整備したりと繁殖活動を主導する行動が目立つようになります。
この時期の観察は性別を見極める良いチャンスになります。
なぜクマノミの性別は変化する?

なんで変化するのかというと、まずイソギンチャクに隠れることを日常生活にしているクマノミたちは、そんなに行動範囲が広くもなく広い海でオスメスの出会いが難しいことになります。
職場に出会いが無くても、スマホ一つで婚活アプリを登録すれば異性と交流がとれる人とはわけが違います。
そして海はサバイバルです。
仮にオスメスの夫婦を築けたとしても、どちらか片方を失うリスクももちろんあります。
仮に人がそんな状況におちいったら不利ではないでしょうか?
教会に行って永遠の愛を誓うより次の相手の候補者をリストアップしておく方が賢明です。
でもそれならオスはメスをたくさんみつけてハーレムにしたり、メスだってイケメンなオスを囲い込みたい気持ちが湧きますよね?
そうはいかない事情があるわけです。
クマノミはなぜオスメス一対一の夫婦なのか?

これも行動範囲が限られることによる制約が大きいのでしょう。
例えば仮に永遠の愛ではなく戦略的に花嫁花婿候補をリストアップするにも性別が変化しないことによるリスクがあります。
例えば彼氏募集期間に入ったとして、女性しか見つからない、男はいたけどまだ子供、、、なんて可能性もありえます。
という風に、身を守ることに精一杯で行動範囲が制約されているクマノミの場合は、最初からオスメスが決まって変化しないより、性別が変化する体をもったほうが、柔軟に対応できることになります。
クマノミは、なぜメスが大きくなりオスが小さいのか?

じゃあなんでオスではなくメスが大きくなるのか?というのも気になりますよね?
魚の中で性別が変化する魚は多いですが、全員がクマノミと同じように「オス→メス」となるわけではないです。
「メス→オス」の魚もいます。
このように違いがあるということは、そっちが良いことが多いからなっている可能性が高いはず。
クマノミにとって「メスが大きい方」がなぜいいのかというと、卵を多くつくれるから、という説があります。
クマノミの性別から見える、性別の面白さ【まとめ】
カクレクマノミは体の大きさでオスメスが決まり、群れの環境によって性別が変化するユニークな魚です。
繁殖を考える際には性別の見分け方を理解しておくことが大切です。
性転換の仕組みを知ることで、飼育の楽しみ方もより広がるでしょう。
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