
アカヒレは丈夫で飼いやすい小型熱帯魚ですが、ある日ふと見るとお腹がパンパンに膨れていて驚くことがあります。
原因は消化不良や卵、病気など様々。
この記事では、それぞれの原因の見分け方と安全な対応方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
アカヒレってどんな魚?
アカヒレはその大きさからメダカの仲間と思われがちですが、実際にはコイ科の魚です。
熱帯魚として扱われていますが、実は中国とベトナムに生息しているため、分布域のほとんどは温帯域です。
そのため、熱帯魚として売られている魚の中でも低温に対してかなりの強さをもっています。
全長は3~4センチ程度で、ネオンテトラと同じくらいです。
名前の通り、特に尾ひれが赤く染まり、胴体は黒っぽいので大きさの割にはゴージャスな印象のある魚といえるでしょう。
非常に丈夫な種で、アカヒレをメインに楽しむのはもちろん、水槽立ち上げ時に水質を安定させるためのスターティングフィッシュとして活用されることもあります。
アカヒレのお腹がパンパンの原因は?
アカヒレのお腹がパンパン!消化不良の場合

さて、そんなアカヒレのお腹がパンパンに膨れ上がっていたら、何らかの異常だと思っていいでしょう。
意外とよくある原因が、消化不良です。
与えた餌の鮮度が落ちていたり、適温よりも低い水温で餌を食べさせると、食べた餌がお腹の中で腐敗し、ガスが発生してお腹が膨れ上がることがあります。
放っておけば治ることもありますが、ガスの発生量が多いと平衡を保てなくなることもあります。
小さな魚なので人の手でできることはありません。
隔離して様子を見ましょう。
アカヒレのお腹がパンパン!卵を持っている場合

アカヒレは小さな魚で、緩やかな群れを作って暮らす性質があります。
そのため、普通は10匹以上の群れで飼育します。
見た目での判別は難しいものの、たいていは複数で飼えばペアがそろっていて、やがてメスが卵を持つこともあります。
当然、お腹に卵を抱えたメスはお腹が膨れ、特に産卵直前になるとパンパンになります。
この場合、産卵すれば元に戻るので、さほど心配はいりません。
ちなみに、アカヒレは小さな魚なので、卵も稚魚も極小です。
おそらく産卵した卵を見つけることも難しいでしょう。
アカヒレのお腹がパンパン!病気の場合

何らかの病気に感染した場合も、お腹がパンパンになる症状が出る場合があります。
よくあるのは「腹水病」と呼ばれるもので、エロモナス菌が内臓に感染することで引き起こされる病気です。
悪化すれば死に至る上に、治療の難しい厄介な病気といえるでしょう。
ほかの個体に感染する可能性もあるので、まずは隔離し、グリーンFゴールドなどの治療薬を試してみましょう。
ストレスで免疫力が下がっていると発症するので、日ごろから水質維持に努め、良い環境で飼育するようにしましょう。
アカヒレのお腹がパンパン!外見と行動で原因を見分ける目安
お腹が膨れているアカヒレを見つけたとき、消化不良・卵・病気のどれが原因かを一目で判断するのは難しいですが、いくつかの目安があります。
まずお腹の形に注目しましょう。
卵を持っている場合は、全体的に丸みを帯びていて、バランスの取れた膨らみ方をしています。
特にメスは腹部の両側がふっくらと広がることが多いです。
一方で、腹水病などの病気の場合は、お腹が不自然に左右非対称に膨らんだり、鱗が逆立つ「松かさ症状」が見られることもあります。消化不良は膨らみが一時的で、時間とともに改善するケースもあります。
次に行動の変化です。
卵を抱えたメスは基本的に元気に泳ぎ回りますが、病気や重度の消化不良の場合は動きが鈍く、水槽の底でじっとしていたり、浮き気味になって泳ぎがぎこちなくなることがあります。
このように、見た目と行動の両方を観察すればある程度の原因推測が可能です。
ただし、どの場合も早期の隔離と経過観察は大切です。
アカヒレのお腹がパンパンに大きくなった!?【まとめ】
アカヒレのお腹がパンパンになる原因は、消化不良・卵・病気と多岐にわたります。
見た目や行動の変化を観察すればある程度の原因は推測できますが、いずれの場合も隔離と経過観察が大切です。
日常的に水質管理と餌の管理を行い、トラブルを未然に防ぐ環境づくりを心がけましょう。