
保護猫が何日もご飯を食べてくれない…。
そんな時、飼い主としてどうすればいいのか悩みますよね。
この記事では、猫がご飯を食べない原因と、最終手段である「強制給餌」の正しいやり方を、動物病院での指導内容をもとに分かりやすくまとめました。
保護猫がご飯を食べない原因とは?

見知らぬ場所だから怖い・ストレス
警戒してるんですよね…そらそうでしょう、人でも知らない大きな生き物の家に閉じ込められたら怖くてご飯どころじゃありませんよ…。
怖くて周りを観察しているのだと思います。
無理矢理構うようなことは止めておきましょう。
無害だと分かると猫から様子を伺いにきますから、でも絶対に飼い主さまから手を出してはいけません!よけいに警戒されるようになります。(焦らないでじっくり待ちましょう)
オヤツを食べるところも見たいのはわかりますが、…我慢です。
置いて立ち去りましょう。
缶詰やパウチなどのご飯を人肌程度の温めると匂いが引き立ち食欲を誘うようです。
歯周病が原因
症状としては、よだれが出ています。
口の周りの毛がよだれで濡れ目ヤニのようになっている子もいます。
野良猫の成猫に多いことですが、人の食べ残しやゴミ箱の物を食べることで、口の中が不衛生になり歯周病になりやすいのです。
歯が痛くてご飯を食べない子がいます。
人と同じで歯周病は歯茎の病気で歯が抜けてしまいます。
グラグラして痛い歯を抜歯する治療をおこないますが、状態によっては歯石だけを取り除いてくれる病院もあります。
ただ、人とは違いどちらの治療も全身麻酔をするため、何度もリスクのある全身麻酔をして歯石を取り除くよりも、一度の全身麻酔ですむ抜歯を勧める病院が多いと思います。
猫かぜ、猫ウイルス感染の場合
鼻水が凄いです。
クシャミや鼻ちょうちんを膨らませることも….
鼻水鼻詰まりで匂いが嗅げなくて、食べ物の確認ができずご飯を食べない子もいます。
ご飯を人肌に温め香りで食欲を誘いましょう。
柔らかい缶詰やパウチなどが良いです。
それでも食べないようならチュールのようなオヤツや猫用粉ミルクを濃い目に作りあげてみてください。(ソフトクリームが柔らかくなったくらいの状態が良いです)
※猫は他にも色々な病気になります。
上の症状から食欲不振になり、患う病気もありますので早めのに治療をしてあげてください。
保護猫がご飯を食べられるようにする工夫

落ち着ける環境を整える
保護したばかりの猫にとって、一番大切なのは「安心感」です。
大きな音や人の気配が多い場所では緊張してしまい、食事どころではありません。
最初の数日は静かで人の出入りが少ない部屋にケージを設置し、布をかけて暗めにしてあげましょう。
また、トイレや水飲み場の位置を動かさずに固定しておくと、猫が安心して動けるようになります。
少しずつ慣れてくると、隠れていても人の動きを観察するようになります。
この段階になれば「食べる気はあるけど怖い」という状態なので、匂いの強いご飯をそっと置いて、視線を合わせずに離れましょう。
ご飯を食べたくなる工夫をする
人肌程度に温めることで匂いが強まり、食欲を刺激します。
ウェットフードを少し混ぜる、またはちゅ〜るのような液状おやつをトッピングするのもおすすめです。
どうしても食べないときは、スプーンの先や指先に少量つけて鼻先に近づけると、「食べ物だ」と認識して口をつけてくれることがあります。
また、ドライフードをふやかして柔らかくしたり、香りの強いカツオやササミ系のフードに切り替えると食べやすくなるケースも多いです。
先住猫や人との距離の取り方
すでに先住猫がいる場合は、いきなり同じ空間に入れないようにしましょう。
最初はお互いの匂いをタオルなどで交換し、1週間ほどかけて少しずつ慣らすのが理想です。
先住猫が落ち着いていれば、新入りの保護猫も安心してご飯を食べられるようになります。
また、保護直後は「人に見られながら食べるのが怖い」状態です。
人がいると食べない場合は、しばらく部屋を出て、カメラやペットモニターで様子を観察すると良いでしょう。
食べている瞬間を直接見るより、安心して食べられる環境を作ることが大切です。
食欲不振は何日までが限度?

生後3ヶ月までの赤ちゃん猫の場合
6時間までにミルクを飲まない場合は病院へ
赤ちゃん猫は1〜2時間おきくらいにお乳を飲みます。
生後3~6前後
半日ミルクを飲まない場合は病院へ
まだ水を飲まないのでこまめにお乳を飲みに母猫を探す頃です。
成猫の場合
2日です、24時間までに食べない場合は病院へ。
水を1日飲まない場合は早めに連れて行ってあげてください。
慣れるまで何日かかる?

人に慣れるまでは、飼い主さまと猫さんしだいです……。
元も子も無い言い方になり申し訳ありません…。
飼い主さまが焦り、コミュニケーションを頑張ればガンバるほど遠ざがる子もいることを、知っておいてください。
早い子だと、1週間ほどで飼い主さまのそばでご飯を食べてくれるようになります。
遅い子は数年かかる子もいます。(我が家にもいました。)
物音が怖く、人が立ち上がる動作にも反応して逃げるような子でした。(未だにその子はグイグイ行く夫が苦手なようです。)
猫がどうしても食べない時の強制給餌について

強制給餌が必要なケース
猫が自分からまったくご飯を食べない場合、肝リピドーシス(脂肪肝)などの危険な病気を発症するリスクがあります。
特に成猫では、2日以上食べない状態が続くと命に関わることもあるため、動物病院での相談が第一です。
強制給餌はあくまで応急処置であり、原因(病気・歯痛・ストレス)を見極めることが最も大切です。
病院で指示があった場合や、獣医師に勧められた時に行いましょう。
強制給餌のやり方
- ウェットフードをすり潰す
市販の総合栄養食ウェットフードを少量のぬるま湯で伸ばし、ペースト状にします。
温めすぎると風味が飛ぶため、人肌程度(約37〜38℃)が理想です。 - シリンジまたはスプーンを使用
ペースト状にしたフードを、シリンジ(針なし注射器)や小さめのスプーンで口の端から少しずつ入れます。
無理に口をこじ開けず、猫が自然に舐めるように促しましょう。 - 体を安定させる
猫を膝の上に乗せ、タオルで軽く体を包むと落ち着きやすくなります。
顔を上に向けすぎると誤嚥(ごえん)の危険があるため、水平を意識してください。
強制給餌を行う際の注意点
強制給餌は猫にとって大きなストレスになる行為です。
嫌がって暴れる場合や、吐き戻しが見られる場合はすぐ中止しましょう。
また、自宅で続けてもうまくいかない・1日経っても回復しない場合は、必ず病院へ。
獣医師は流動食タイプの療法食や、胃チューブを使った給餌方法を指導してくれる場合もあります。
無理をせず、猫の安全を最優先に考えましょう。
保護猫がご飯を食べない原因と対策方法を解説!【まとめ】
猫が食べないのはストレスだけでなく、病気のサインかもしれません。
まずは病院で原因を調べ、指導のもとで慎重に強制給餌を行いましょう。
焦らず、少しずつ信頼関係を築きながら食欲を取り戻してあげてください。