犬に果物をあげてもいいのかは、飼い主さんなら一度は気になるところだと思います。
りんご・バナナ・みかんなど身近な果物は、実は犬でも食べられるものが多いのですが、与え方や量を間違えるとお腹をこわしたり、糖分の摂りすぎにつながることもあります。
この記事では、犬が食べてもいい果物の基本ルールを先に押さえたうえで、りんご・バナナ・みかんの三つを中心に「皮はどうする?」「毎日食べて大丈夫?」「どれくらいならOK?」という疑問に分かりやすく答えていきます。
それぞれの果物ごとに注意点や危険なポイントもまとめていますので、今日から安心して果物を与えられるようになります。
犬に果物を与える時の基本ルール

犬に果物をあげること自体は問題ありませんが、人間と同じ感覚で与えると消化に負担がかかることがあります。
果物は水分と糖分が多いため、犬にとっては「特別なごほうび」くらいに考えておくと安心です。
少量から始める
まず大切なのは、少量から始めること です。初めての果物は体質に合わない場合があり、下痢や吐き戻しにつながることがあります。
ひとかけら程度から試し、数時間様子を見ると安全です。
与える頻度と量に注意
次に、与える頻度と量 です。毎日のように果物を与えると糖分がたまりやすく、太りやすくなる犬もいます。目安としては、普段の食事全体の10%以内におさめると負担が少なくなります。
皮・芯・種は取り除く
また、皮・芯・種 は基本的に取り除きます。
硬い部分は消化できず、そのまま便に出るか、場合によっては喉につまる危険があります。特にぶどうなど一部の果物は犬にとって有害なので、どの果物がOKなのかを把握しておくことが大切です。
犬はりんごを食べても大丈夫?

りんごは犬が食べても大丈夫な果物のひとつで、食物繊維やビタミンCが含まれているため、適量ならおやつとして安心して与えられます。
ただし、人間が食べるときと違って「どの部分を与えるか」「どれくらいが安全か」を意識する必要があります。
りんごの甘さは犬にとって魅力的ですが、糖分が多いので一度にたくさん食べるとお腹がゆるくなることがあります。
特に小型犬は体が小さい分、糖の影響を受けやすいため、少量にとどめておくのが安心です。
また、りんごの香り成分が苦手な犬もまれにいます。
はじめてあげる時は小さく切って、嫌がらずに食べるかどうかも確認してあげると良いですね。
以下、りんごに関するよくある疑問を深掘りしていきます。
りんごの皮や芯は与えていい?
りんごの皮は薄くて柔らかいので、犬が食べること自体は問題ありません。
ただし、皮には農薬やワックスが残っている場合があるため、しっかり洗ってから 与えたほうが安全です。
皮の食感が苦手な犬には、むいてから小さく切ると食べやすくなります。
一方で、芯・種・ヘタは必ず取り除く ようにしてください。
りんごの種には「アミグダリン」という成分が含まれ、体内で分解されると微量ながら有害物質に変わる可能性があります。
少量で急性症状が出るケースはほぼありませんが、わざわざ与える必要はありません。
毎日あげてもいい?量の目安は?
りんごは毎日あげても問題ありませんが、量だけ注意が必要です。
果物は食事ではなくおやつの扱いになるため、体重5kgの犬なら1日数口〜小さめのおやつ1個分ほど が目安です。
大きく切ってそのままかじらせるよりも、小さめにカットして与えた方が消化にも優しいです。
毎日あげる場合、ほかのおやつの量を少し減らし、全体のカロリーが増えすぎないように調整してあげると健康的です。
下痢・アレルギーの注意点
りんごをあげたあとに下痢や軟便になりやすい犬もいます。
これは、糖分が体質に合わない、あるいは繊維が多くて消化しきれないことが理由です。
はじめてあげる時は、ひとかけらから始めて様子を見ると安心です。
また、まれにりんごアレルギーの犬もいます。
食べた直後に口周りをかゆがったり、皮膚が赤くなることがあるため、異変があれば与えるのを中止してください。
FAQ|犬にりんごを与える際のよくある質問
犬はバナナを食べても大丈夫?

バナナは犬が食べても問題のない果物のひとつで、やわらかくて消化しやすいことから、シニア犬や子犬にも与えやすい食材です。香りも強すぎないため、多くの犬が好んで食べてくれます。
ただし、バナナは果物の中でも 糖分が多い という特徴があります。
甘さが強いぶん、与えすぎると体重増加やお腹のトラブルにつながるため、量と頻度を調整しながら楽しむことが大切です。
また、バナナは食物繊維も豊富です。
適量なら便通を整える手助けになりますが、体質によっては逆にゆるくなりやすい犬もいるため、初めて与えるときは少量から様子を見ると安心です。
ここからは、よくある疑問を順番に解説していきます。
一日にどれくらいの量が適量?
目安としては、体重5kgの犬なら1~2cm程度の輪切りが2〜3切れ ほどです。
小型犬の場合、バナナの1/10本も食べれば十分なおやつになります。
中型犬や大型犬でも、一度に半分以上の量を与える必要はありません。
あくまで「ご褒美として少しだけ」が基本です。普段のおやつと同じ扱いで、バナナを与えた日は他のおやつを減らして調整すると健康的です。
熟しすぎ・青いバナナの注意点
バナナは熟してくると甘みが増しておいしくなりますが、 黒くなるほど熟したバナナは糖分がさらに多くなる ため、与える量は特に少なくする必要があります。
香りが強くなり、逆に食べたがらなくなる犬もいます。
反対に、まだ青みが残るバナナは でんぷん質が多く消化しにくい 場合があります。
どちらかといえば、黄色くなった通常の状態のバナナが最も与えやすく安全です。
下痢や肥満リスクはある?
バナナは甘みの強い果物のため、与えすぎると太りやすくなります。
特に室内で生活する犬は、お散歩量が少ないとカロリー過多になりやすいため、量を守ることが重要です。
また、食物繊維の影響で軟便・下痢 になりやすい犬もいます。
はじめてあげた日や久しぶりにあげた日は、便の様子を軽くチェックしておくと安心です。
体質に合わないと感じる場合は、他の果物に切り替えて問題ありません。
FAQ|犬にバナナを与える際のよくある質問
犬はみかんを食べても大丈夫?

みかんは犬が食べても問題ありませんが、ほかの果物と比べると少し注意しながら与える必要があります。
みかんには酸味があり、胃腸が弱い犬は刺激になりやすいため、りんごやバナナよりは「好き嫌いの分かれやすい果物」といえます。
また、みかんの果肉は水分が多く、甘みもありますが、薄皮や筋の部分は消化が苦手な犬もいます。
小さくちぎって与えると食べやすく、喉につまるリスクも減らせます。
みかんの香りは好きな犬もいれば、まったく興味を示さない犬もいます。
まずは一房の中身を少しだけ与えて、食べられるかを確認してあげると安心です。
ここからは、特に注意したいポイントを順番に解説します。
皮・薄皮・種は与えない方がいい理由
みかんの 外皮・薄皮・筋・白いワタ・種 は、犬に与えないほうが安全です。
外皮は分厚く、犬の消化器では分解がほとんどできません。
そのまま便に出ることもありますが、量が多いと吐き戻しや消化不良につながることがあります。薄皮や白い筋も同じく消化が苦手で、胃腸が弱い犬ほど負担となりやすい部分です。
また、種は固くて消化しないうえ、誤飲の危険もあります。
与える場合は果肉だけを取り出し、小さくしてあげるようにしましょう。
みかんの適量と頻度
みかんは水分が多く、糖分も含まれているため、少量をたまに が基本になります。
目安としては、体重5kgの小型犬なら 房1〜2つ分の果肉 で十分です。
毎日のように与える必要はなく、お散歩後のご褒美としてあげる程度がちょうど良いバランスです。
酸味が強いみかんは胃に負担がかかる場合があるため、前後の食事量も調整し、特に空腹時に大量に与えないように気をつけてください。
下痢・嘔吐などのトラブルについて
みかんを食べたあと、犬によっては 下痢・軟便・嘔吐 をする場合があります。
これは酸味成分や水分の多さが刺激になり、胃腸が弱い犬ほど反応が出やすいためです。
もしトラブルが起きた場合は、みかんの量を減らすか、ほかの果物に切り替えると良いです。
特にシニア犬や子犬は消化器がデリケートなので、与える時は少量から様子を見ることをおすすめします。
FAQ|犬にみかんを与える際のよくある質問
犬に与える果物のOK/NG早見表

| 果物名 | OK/NG | 注意点・ポイント |
|---|---|---|
| りんご | ○ | 皮は洗えばOK。芯・種はNG。適量なら毎日でも可。 |
| バナナ | ○ | 糖分が多いので少量。与えすぎは肥満の原因。 |
| みかん | ○ | 果肉のみ。皮・薄皮・筋・種はNG。酸味で下痢も。 |
| 梨 | ○ | 水分が多く与えすぎ注意。小さく切って与える。 |
| スイカ | ○ | 種と皮はNG。体を冷やしやすいので夏に少量。 |
| メロン | ○ | 糖分が高い。ご褒美程度に少量。 |
| イチゴ | ○ | 酸味が苦手な犬も。アレルギーの可能性あり。 |
| 柿 | △ | 種・ヘタはNG。硬い部分は消化しにくい。 |
| 桃 | △ | 種は誤飲リスク。アレルギー犬もいる。 |
| パイナップル | △ | 硬い芯・皮はNG。繊維が多いので細かく刻む。 |
| キウイ | △ | 酸味が強く下痢しやすい犬も。 |
| ぶどう | × | 腎障害リスク。絶対に与えない。 |
| レーズン | × | ぶどう同様に危険。少量でも中毒の可能性。 |
| アボカド | × | 果肉・皮・種すべて毒性成分あり。与えない。 |
※ ○=食べてもOK △=注意が必要 ×=NG
まとめ|果物は“少量・たまに”が基本
犬に果物を与えるときに大切なのは、どの果物でも「少量・たまに」という基本さえ守れば、安全に楽しめるということです。
りんご・バナナ・みかんは代表的なOKフルーツですが、どれも糖分が多く、与えすぎは肥満や下痢の原因になります。
また、皮・種・芯などは消化しにくく、誤飲のリスクもあるため、取り除いて果肉だけを与えるのが安心です。
はじめての果物はひとかけらから与え、体質に合うかどうかを確認してあげてください。
果物は毎日の食事の代わりにはなりませんが、季節のお楽しみやごほうびとして少し添えると、犬との生活がもっと楽しくなります。
安全な果物を選びながら、愛犬の体調や好みに合わせて取り入れてみてください。