
犬の手作りご飯は「味付けなし」で作るのが基本ですが、なぜ調味料が危険なのか、どの程度までならOKなのか気になる方は多いはず。
この記事では、犬に味付けが不要な理由、無味でも食べてくれる工夫、基本の食材と量、簡単レシピまで一つずつ丁寧に解説します。
初めての方でも安心して作れるよう、注意点と安全なポイントもまとめました。
犬に手作りご飯をあげるメリットとデメリット

手作りご飯を始める前に、飼い主さんが手作りすることのメリットとデメリットについて考えてみましょう。
メリット
・愛犬にとって安全な食材だけを与えることができる
・非常時にドッグフードが食べられなくなっても代替食で命をつなげられる
・体調によって内容を簡単に調整できる
・誕生日やイベントの時に愛犬を喜ばせてあげられる
デメリット
・食材の調達が大変
・毎回調理しなくてはならないので時間の確保が必要
・栄養バランスを考えたレシピを考えるのが難しい
・犬が食べて良い食材とダメな食材の見極めが難しい
人間の家族のために献立を考えている方なら「わかるなぁ」と思っていただけるかもしれません。
「今日は何を作ろう?」と、毎日悩んでしまいますよね。
これが人間とは違う動物の犬となれば、食べてはいけないものもたくさんあるし注意してレシピを考えなくてはなりません。
では、手作り食を与えている飼い主さんたちは、こうした問題をどのように解決しているのでしょうか。
犬の手作りご飯は“味付けなし”が基本

犬のご飯は 塩・砂糖・調味料は一切使わない のが原則です。
犬は人より味覚が鈍く、食べ物の味より“香り”で食欲が決まるため、味付けをしても違いをほとんど感じません。
さらに、市販の調味料には
- 玉ねぎエキス
- にんにくエキス
- 高い塩分
- 香辛料
など、犬にとって有害な成分が含まれている場合が多く、健康トラブルの原因になります。
そのため、手作りご飯は 素材の味だけで作るのが最も安全でおいしい方法 です。
犬の味覚は人より鈍く“味より香り”で食べる

犬は人のように味で食べ物を判断する動物ではありません。
味蕾(味を感じる器官)は人の5分の1ほどしか持っておらず、調味料を加えても味の違いをほとんど感じません。
それよりも、肉や野菜の“香り”で食欲が刺激されるため、素材そのままの方がむしろおいしく食べられます。
調味料の塩分・糖分は内臓負担につながる

塩・砂糖・しょうゆなど人間用の調味料は、犬の腎臓・肝臓に負担をかけます。
特に塩分は体が小さければ小さいほど影響を受けやすく、少量でも長期的に与え続けると高血圧や腎機能低下につながる可能性があります。
味付けなしが最も安全で長寿にもつながります。
人間用調味料には“犬に有害な成分”が混ざりやすい

ドレッシング・市販スープの素・調味パウダーには玉ねぎエキス、にんにくエキスが含まれていることが多く、これらは犬にとって中毒の原因になる成分です。
原材料を完全に把握するのは非常に難しいため、人の調味料は一切使わないのが基本になります。
“味が薄い=食べない”は誤解|食べない原因は別にあることが多い

味付けしないと食べないと感じる場合、実は
・食材が大きすぎて食べにくい
・脂が多く消化しづらい
・温度が低くて香りが立たない
など、味以外の理由が多くあります。犬は温めたものや、香りが強い食材(鶏肉・イワシ・鮭)に食いつきやすいため、温度と香りを工夫する方が効果的です。
手作りご飯は“薄味”ではなく“完全に無味”が正解

「薄味ならいいのでは?」と思いがちですが、犬に与える場合は“完全に調味料ゼロ”が正しい基準です。
野菜と肉を煮込んだスープは十分に旨味が出ており、これだけで犬は満足します。
素材本来の味こそが犬にとっての最適な味付けになります。
手作りご飯の基本と量は「バランスと頭の大きさ」

犬の手作りご飯で大切なのは、栄養バランスと量の目安を知ることです。
犬は昔オオカミだったとはいえ、今では雑食に近い消化能力を持っており、肉だけでなく野菜や炭水化物も消化できます。
そのため、肉に偏りすぎると腎臓への負担や肥満の原因になります。
基本の栄養バランス
手作りご飯は、以下の比率を目安にするとバランスが整います。
動物性食材:炭水化物:野菜=6:2:2
この比率をベースに、体調や好みに合わせて微調整していきます。
量の目安
手作りご飯の量は、一般的には
「犬の頭の大きさと同じくらい」
を1食の目安にします。
もちろん体格や年齢で変わるので、下痢・嘔吐・体重の増減などを見ながら調整してください。
手作りご飯 調理の基本
- 野菜は細かく刻んで消化しやすくする
- 人が生で食べない肉は必ず加熱する
- 油は極力使わず、茹でる・蒸すが基本
- ニンジンやリンゴは直前にすりおろすと栄養が吸収されやすい
- 犬が食べていい食材か必ず確認する
- 持病がある犬は獣医師と相談しながら作る
無理に完璧を目指す必要はなく、まずはこの基本を押さえるだけで、安全で続けやすい手作りご飯になります。
常備しておくと心強いお助け食材とレシピのコツ

手作りご飯を続けていると「あと一品足したい」「食欲がない日に少しだけ補強したい」という場面があります。
そんなときに役立つ、常備しやすい食材をご紹介します。
鶏ガラスープ(冷凍ストックに便利)
鶏ガラを水だけでじっくり煮込んだスープは、香りが良く、水分補給にも使える万能素材です。
骨は与えられませんが、周りの身や軟骨は細かくしてトッピングできます。
レバーと卵(食欲がない日の栄養補給に)
レバーや卵は少量でしっかり栄養が摂れるため、体調が落ち気味の時に便利です。
ただし栄養価が高すぎるため、日常的には週1回程度が目安。
発酵野菜・トライプ(野菜を買い込めない時に)
発酵野菜は野菜を消化しやすく加工したもの。少量で栄養が補えます。
トライプ(鹿などの胃の内容物を加工したもの)は香りが強く、植物性栄養を効率よく摂れるのがメリットです。
忙しい日の「あと一品」に便利。
味付けなしで作れる“簡単調理のコツ”

犬の手作りご飯は、塩・砂糖・調味料は一切使わないのが基本です。
犬は人ほど味で食べ物を判断しないため、素材の香りだけで十分おいしく食べてくれます。
また、市販の調味料には犬が中毒を起こす玉ねぎエキスや強い塩分が含まれることが多いため必ず避けましょう。
味付けなしでおいしく作るポイント
- 肉や魚は必ず加熱する
- 油は使わず、茹でる・蒸すもしくは電子レンジで加熱するのが基本です。
- 野菜は細かく刻むと消化しやすい
- ニンジン・リンゴは食べる直前にすりおろすと栄養の吸収が良くなる
- 香りの強い食材(鶏肉・イワシ・鮭)は食いつきアップに効果的
超シンプルな「スープごはん」の例
鶏ササミや白身魚を茹で、そのゆで汁に野菜を加えた“スープごはん”は、手作り初心者でも失敗しない定番です。
具材の量は愛犬の体格に合わせて調整し、粗熱を取ってから与えてください。
よく使われる食材
(肉)鶏ムネ・ササミ・豚ヒレ・牛赤身・鹿・馬
(魚)鮭・イワシ・タラ・タイ
香りが強く消化が良いものを中心に選ぶと、味付けがなくても食欲が落ちにくくなります。
まとめ
犬の手作りご飯は“味付けゼロ”が基本で、素材そのものの香りを活かす方が健康にも良い食べ方です。
無理に味を足さず、肉・野菜・炭水化物のバランスと量を守ることで、毎日の食事がもっと安全で楽しいものになります。
手作り食はドッグフードと組み合わせると続けやすいので、まずはシンプルなレシピから始めてみてくださいね。