
犬がずっと舐めてくるのは、ただの愛情表現だけではありません。空腹や不安、体調不良のサインのこともあります。
この記事では、犬が舐め続ける理由を詳しく解説しつつ、「舐めさせても大丈夫なのか」「やめさせたい時はどうするか」など、飼い主が気になる点をまとめてお伝えします。
理由を知ることで、愛犬の気持ちをより深く理解できるようになります。
犬が顔をずっと舐めてくる5つの理由

犬が顔をずっと舐めてくる主な理由は次の5つです。
- 帰ってきて嬉しい
飼い主の帰宅時に興奮して、尻尾を振りながら「おかえり!」の気持ちで顔を舐める行動はよく見られます。 - 大好きという愛情表現
飼い主に甘えたい時やスキンシップとして顔を舐める犬も多いです。他の人を舐めるのは、社交的な性格から来ることもあります。 - 心配して起こしている
飼い主がうなされていたり、落ち込んでいる時など、「大丈夫?起きて」と伝えたくて舐めることがあります。 - 空腹で食べ物をねだっている
オオカミの習性を受け継ぎ、口元を舐めて「お腹すいたよ」とアピールすることがあります。 - ストレスを抱えている
不安や寂しさが溜まっていると、飼い主の顔をしつこく舐めることで気持ちを落ち着かせようとする場合もあります。
犬が手をずっと舐めてくる3つの理由

犬が手を舐め続ける理由は次の3つが中心です。
- 飼い主の手=安心と愛情の象徴
手はご飯やおやつ、身の回りのケアなど「良いこと」をしてくれるパーツ。
そのため、犬にとって特別で安心できる存在になり、愛情表現として手を舐める行動が出やすくなります。 - 「起きて」「気づいて」の合図
朝や夜中に手を舐め続けてくるのは、トイレをした報告や「起きてほしい」というサインのことがあります。 - おいしい匂いや興味
食べ物の香りが残っている時や、単に好奇心から手を舐める場合もあります。
ただし、飼い主以外の手をしつこく舐める犬は少なく、多くは「大好きな人限定」の行動です。
手を舐めたあと、枕に乗って「もう起きてね」とアピールするような仕草も、飼い主への強い信頼と甘えの表れといえるでしょう。
過剰に舐めてくる時に疑うべきサイン(病気・不安・習慣化)
皮膚トラブルや痛みを隠している可能性
犬は自分の体調不良を隠す習性があります。
体のどこかが痛かったり、皮膚がかゆい時、落ち着かせるために飼い主を何度も舐め続けることがあります。
特に、耳・肉球・脇腹などをしつこく舐めた後に飼い主を舐める行動は、「助けてほしい」「気が紛れるから舐めている」などのサインのこともあります。
皮膚が赤い、湿疹がある、フケが出る、触ると嫌がるなどが見られる場合は早めに診察を受けるのが安全です。
分離不安による過度な舐め行動
飼い主の後追いが激しい、留守番の直前に落ち着きがない、帰宅時に興奮しすぎるなどの傾向がある犬は、分離不安の一種として「舐め続ける」ことがあります。
舐めることで飼い主との距離が近くなり安心できるため行う行動で、放置していると留守番中の吠え・破壊行動・自傷行為につながるケースもあります。
舐め行動がエスカレートしてきたら生活リズムや留守番方法の見直しが必要です。
しつけの結果「舐めれば構ってもらえる」と学習している
犬はとても学習能力が高く、「舐めたら飼い主が笑う」「舐めたら撫でてくれる」という経験をすると、行動がどんどん強化されます。
本来は軽い挨拶のつもりだったものが、気づけば“舐め続けないと落ち着かないクセ”になってしまうこともあります。
構いすぎず、落ち着いた時に褒めるなど、行動の切り替えを意識すると改善しやすくなります。
子犬~若い犬に多い「探索・好奇心」
人間の手足・顔には汗や食べ物の匂いが残っているため、好奇心旺盛な年齢ほど舐める頻度が上がる傾向があります。
とくに若い犬は「世界を舐めて確かめる」ことも多いので、急にやめさせるより、舐めてもいい物(ラバートイなど)へ誘導する方がストレスなく切り替えられます。
舐める頻度が明らかに増えた時のチェックポイント
- 急に舐める場所が変わった(手→顔など)
- 夜中に何度も起こして舐めてくる
- 飼い主不在時にソワソワしている
- 寝つきが悪くなった
- 自分の体の特定の場所も舐め壊すようになった
こうした変化がある場合、単なる愛情表現ではなく「ストレス・不安・体調不良」の可能性があるため、早めに原因を探ってあげると安心です。
犬がずっと舐めてくることはやめさせるべきなの?

犬が舐めてくる理由を知ると許してしまいがちですが、衛生面のリスクは無視できません。
犬の口には多くの菌があり、人にも犬にも感染症の可能性があります。
また、人の手についた化粧品やハンドクリームを舐めると、犬の体調を崩すこともあります。
そのため、家族以外の人を舐めるのは控えさせた方が安全です。
舐めそうになったら「ダメ」と声をかけて、リードで距離を取るだけでも十分対策になります。
自分を舐めさせたくない場合は、
・顔をそむける
・落ち着くまで立ったまま対応する
といったシンプルなしつけが有効です。
ただし、ストレスが原因で舐めている場合は改善が必要です。
舐めすぎに加えて、体を舐め壊す・毛をむしるなどの行動があるなら、生活環境や体調を一度見直してあげましょう。
まとめ
犬がずっと舐めてくる行動には、ほとんどの場合はっきりとした理由があります。
愛情表現であることが多いものの、過剰な舐め行動はストレスや体調不良のサインのことも。
人への配慮や衛生面にも注意しつつ、必要に応じて行動の軌道修正をしていくことが大切です。
気になる変化が続くときは、早めに生活環境の見直しや受診も検討してください。
あなたと愛犬の距離が、今よりもっと心地良いものになりますように。