
うさぎがトイレで寝てしまう姿を見て「汚くないの?」と心配になる飼い主さんも多いでしょう。
実は安心や快適さが理由であることが多いのですが、健康面での注意も必要です。
本記事では、うさぎがトイレで寝る原因と、飼い主が知っておくべき対策を分かりやすく解説します。
うさぎがトイレで寝る理由
安心するから!?

排泄物は、人間にとっては汚くて、身体に付くなんて考えられませんよね。
けれど、動物にとっては自分のおしっこやうんちは自分の縄張りをアピールするための重要なアイテム?です。
うさぎは縄張り意識がとても強い動物です。
特にオスのうさぎは、スプレー行動というおしっこを飛ばす行動をする事があります。
これは、おしっこの匂いをつける事で、自分の縄張りを主張するための行動です。
うさぎは、自分のおしっこの匂いがすると、縄張りが確保されていると感じて安心するようです。
つまり、自分のおしっこの匂いに囲まれていると安心するという事です。
そう考えると、トイレでうさぎが寝ていても、全く不思議ではないですよね。
綺麗にケージを掃除してくれる飼い主さんの元で飼育されているうさぎにとっては、自分のおしっこの匂いが付いているのはトイレだけなのですから、トイレを縄張りだと感じて、安心して眠る事ができるのです。
そこがトイレだと思っていないから!?

身体が小さい子うさぎはトイレにすっぽりとおさまるサイズ感なので、トイレで寝るのが快適なのかもしれません。
筆者が以前飼育していたうさぎは、子うさぎの頃はペレットを入れるケースにすっぽりとおさまってリラックスしている事がよくありました。
うさぎは狭い場所が好きなので、囲まれている感じがするトイレは落ち着くのかもしれません。
うさぎがトイレで寝るのは、トイレをトイレだと思わず、寝床やリラックスするスペースだと思っている場合もあります。
トイレを寝床だと思っている場合は、恐らく別の場所で排泄してしまっているのではないでしょうか。
その場合は、掃除が大変になってしまうので、トイレを覚えてもらう必要があります。
そのためには、普段排泄している場所を綺麗に掃除し、おしっこの匂いを消しましょう。
そして、トイレにだけ、飼育しているうさぎのおしっこの匂いがついたティッシュなどを入れておきます。
うさぎは、自分のおしっこの匂いがするところで、繰り返しおしっこをする性質があるので、別の所でおしっこした場合は、すぐに匂いを消し、常にトイレにだけ匂いが付いている状態にしましょう。
これを繰り返す事で、ほとんどのうさぎはトイレを覚える事ができると思います。
うさぎがトイレをトイレときちんと認識することができたら、トイレで寝ることもなくなるかもしれません。
涼しいから?

うさぎのトイレには金網が敷いてある事が多いと思うのですが、もしかしたら金網の上がひんやりしていて涼しいから寝転がっているのかもしれません。
夏場に、うさぎがトイレでよく寛いでいるな、と感じたら、他にうさぎが涼める場所を作ってあげてください。
アルミシートや凍らせたペットボトルを置くなど涼しい場所が他にあればトイレで寝る事はなくなるかもしれません。
うさぎがトイレで寝るときに注意したい健康リスク

皮膚や被毛が汚れることによる影響
トイレで長時間寝ていると、どうしてもおしっこやうんちに触れる時間が増えます。
尿で足やお腹の毛が汚れると、皮膚炎や毛の黄ばみの原因になりやすいです。
特に長毛種のうさぎは被毛に汚れが絡みつき、放っておくと臭いや細菌の繁殖につながります。
定期的にお尻まわりをチェックして、汚れが目立つときは濡れタオルで優しく拭いてあげましょう。
アンモニア臭による呼吸器への負担
排泄物を放置するとアンモニア臭が強くなり、うさぎの呼吸器に負担を与える可能性があります。
うさぎは肺や鼻がデリケートで、刺激臭を吸い込むと咳や鼻水の原因になることもあります。
トイレ砂をこまめに交換し、常に清潔を保つことが大切です。

不衛生による病気のリスク
不潔なトイレで寝続けると、細菌や寄生虫に感染するリスクも上がります。
特にお尻まわりが濡れていると「尿やけ」や「皮膚のただれ」が起こりやすく、悪化すると病院での治療が必要になります。
清潔なトイレ環境を維持しつつ、他に快適な寝床スペースを用意することで、うさぎの健康を守ることができます。
うさぎがトイレで寝る場合の対策

うさぎがトイレで寝てしまうのは自然な行動の一つですが、衛生面や健康面を考えると、できるだけ快適な寝床を別に用意してあげたいところです。
ここでは、飼い主ができる対策を紹介します。
快適な寝床を用意する
トイレ以外に安心して休めるスペースがあれば、うさぎは自然とそちらで過ごすようになります。
例えば、ふわふわのマットや牧草を敷いたベッド、狭くて落ち着けるハウスを設置すると良いでしょう。
特に囲われたハウスは縄張り意識が強いうさぎにとって安心感があり、トイレ以外でくつろぎやすくなります。
トイレをより「トイレらしく」する
トイレを寝床と勘違いしないように、排泄専用の場所だと分かる工夫も大切です。
具体的には、トイレ砂を厚めに敷く、匂いのついたティッシュを置いて排泄を促すなどの方法があります。
うさぎは自分のおしっこの匂いがする場所をトイレと認識するため、繰り返し使ううちに「ここは排泄の場所」と学習します。
サイズはうさぎの体格に合わせる
小さすぎるトイレは窮屈で排泄しにくく、逆に大きすぎると寝床と勘違いされやすくなります。
成長を見越して、体を伸ばした時にちょうど収まるくらいのサイズを選ぶのがおすすめです。
特に大型のうさぎには、猫用トイレを代用するケースもあります。
形状は角型や三角型が主流
ケージの隅に置くなら三角型、広いスペースに設置するなら四角型が便利です。
三角型は省スペースで配置しやすく、四角型は寝床と区別しやすいというメリットがあります。
飼育環境やケージの広さに応じて選びましょう。
掃除しやすい素材と構造を選ぶ
プラスチック製で丸洗いできるものが基本です。
底に金網が付いているタイプなら、うんちや尿で足が汚れにくいので清潔を保ちやすくなります。
取り外しが簡単な網や、消臭効果のあるトイレ砂と組み合わせると、日々の手入れが楽になります。
温度・涼しさ対策をする
夏場はトイレの金網やプラスチック部分がひんやりして気持ち良いため、涼む目的で寝てしまうことがあります。
その場合は、アルミプレートや陶器製のひんやりグッズをケージ内に設置し、別の場所でも快適に休めるようにすると良いでしょう。
冬場は逆に、寝床を保温性のある素材で整えてあげると、トイレで寝る習慣が減ることがあります。
トイレと寝床のケージ内のおすすめの設置場所
うさぎが快適に過ごすためには、トイレと寝床をケージ内でどこに置くかも重要なポイントです。
配置次第で、排泄の習慣が身につきやすくなり、リラックスできる空間も作れます。
トイレはケージの隅に置く
うさぎはもともと隅で排泄する習性があります。
そのため、ケージの角や壁際にトイレを設置するのが基本です。
隅に置くことでうさぎが安心して用を足しやすくなり、トイレの場所を覚えるきっかけになります。
寝床はトイレから離れた位置に
寝床はできるだけトイレから離して清潔さを保ちましょう。
特に、給水器や餌入れの近くに寝床を設けると、うさぎが安心して休む場所として使いやすくなります。
排泄スペースと休憩スペースをはっきり分けることで、トイレと寝床の区別がつきやすくなります。
空気の流れを考慮して配置する
夏は風通しの良い位置、冬は冷気が当たりにくい位置に寝床を置くと、快適に過ごせます。
トイレは掃除しやすい手前側に、寝床はケージの奥側に置くと管理しやすく、うさぎにとっても落ち着ける環境になります。
うさぎがトイレで寝る原因と対策【まとめ】
うさぎがトイレで寝るのは自然な行動である一方、不衛生な環境が続くと健康リスクも伴います。
安心できる寝床を用意し、トイレは常に清潔に保つことが大切です。
トイレでの行動に困っている場合は、本サイト内の「うさぎのトイレ環境づくり」関連記事も参考にしてください。