
ドッグフードを混ぜるのはダメなのか?二種類のフードだけでなく、チュールや野菜、ヨーグルト、ささみを混ぜる飼い主も多いですよね。
食いつき改善には便利な反面、混ぜ方や量を間違えると健康に影響することもあります。
この記事では、混ぜるメリット・デメリットに加えて、各食材を安全にトッピングするポイントも分かりやすくまとめます。
ドッグフードを混ぜるのが難しい理由

ドッグフードは総合栄養食であり、一つひとつが「そのフードを食べれば必要不可欠な栄養素を補える」ことを考えて作られています。
そのフードを一日分しっかり食べることで、犬に必要な栄養素を摂れるようになっているんですね。
だから違う配合で作られたドッグフードを混ぜることは、そのバランスを崩してしまう可能性があります。
せっかく犬の体を考えて良質なドッグフードを与えていても、二種類混ぜることで足りなくなってしまうことが考えられるのです。
ドッグフードを混ぜるのはダメ、というのは、栄養素の偏りを心配してのことなのです。
ドッグフードを二種類あげる時は別々に

ドッグフードを二種類あげるなら“混ぜずに別々”が安心です。
一つに決めてしまうと、品切れの時に突然知らないフードへ切り替える必要が出てきます。
通常は少しずつ混ぜながら慣らしますが、買い忘れや在庫切れだと一気に変えざるを得ません。
普段から二種類をローテーションしておけば、どちらかが手に入らなくてももう一方で乗り切れます。
また、災害時などで支援物資のフードを食べざるを得ない場合、普段と違う匂いのフードを嫌がる犬もいます。
日頃から複数の銘柄に触れておけば、匂いの違いへの抵抗が減り、食べられる種類が増えます。
実際、私の犬もサンプルや別銘柄を時々与えていたおかげで切り替えがとてもスムーズです。
反対に、強いこだわりがある犬は空腹でも嫌いなフードは絶対に食べません。
非常時のためにも、食べられる範囲を広げておくことが大切です。
ドライとウェットを二種類混ぜる時の注意点

ドライフードだけでは食いつきが悪いので、ウェットフードも混ぜるという飼い主さんもいると思います。
どちらもフードなら栄養バランスは良さそうに思えますよね。
ただ、先ほどお話ししたとおり、ドライフードもウェットフードも、それ自体を必要量食べることで一日分の栄養が補えるという点では、混ぜることで栄養が少し偏ってしまうかもしれません。
また、中にはウェットフードだけを食べてドライフードを残す犬もいるようです。
混ぜることが絶対にダメとは言えませんが、ドライフードを食べさせるためにウェットフードを混ぜるのが目的だと、この二種類を混ぜることが必ずしも成功するとは限らないようです。
ドライフードは好みが激しい犬だと食べさせるのに苦戦するかもしれませんが、うまくいかない場合はドライフードをふやかして水分量を多くして一種類だけで食べさせてから、徐々にふやかす水の量を減らしてドライに慣れさせるという方法だとうまくいくこともありますよ。

ドッグフードを混ぜる前に知っておきたい“犬の個性”と相性

混ぜる・混ぜないの議論はありますが、実際には犬の性格や体質によって向き不向きが大きく変わります。
ここでは「犬によって混ぜる方法が合うかどうか」を事前に判断する材料として、もう一段深く掘り下げておきます。
食事に慎重な犬は“混ぜると逆効果”になることがある
食べ物に強いこだわりがある犬の場合、急に二種類のフードを混ぜると「違うにおいで警戒して食べない」というケースがあります。
特に、普段から食が細い・好き嫌いが激しい・初めての食品に警戒するタイプの犬は、フードを混ぜるよりも 別々に与えて慣らす方が成功しやすい です。
胃腸が弱い犬は“フードの切り替え速度”に注意
胃腸がデリケートな犬は、少しの変更でも軟便になったり、消化不良を起こしたりします。
ドライ+ウェットを混ぜる場合も、
「種類が増える=原材料が増える」ため、体質によっては負担が大きくなることもあります。
混ぜる場合は 量を少しずつ・短期間での変更を避ける ことが大切です。
食べることが大好きな犬は“混ぜるメリットが大きい”
なんでも食べる犬は、違うフードが登場してもストレスを感じません。むしろ飽きにくくなり、食欲維持にもつながります。
特に老犬や夏バテの時期など、「食べない日を減らしたい」場合には、ウェットを少量トッピングするのは大きな助けになります。
非常時の備えとして“複数フード慣れ”は有効
災害時・長期の品切れといった非常事態では、普段のフードが手に入らない可能性があります。
混ぜるよりも、別フードを少しずつ定期的に体験させておくほうが、非常時の適応力は高くなります。
この観点は健康管理としてとても重要で、混ぜるかどうかの判断材料にもなります。
ドッグフードにドッグフード以外を混ぜる場合の注意点と安全な与え方

二種類のフードを混ぜるだけでなく、チュール・野菜・ヨーグルト・ささみなどを普段のご飯にトッピングして与える家庭も多いですよね。
食いつき改善や水分補給として役立ちますが、実は混ぜ方によっては健康面で注意すべき点があります。
ここでは、犬の体に負担をかけないためのポイントを整理します。
缶詰(ウェット缶)を混ぜる場合|食いつきアップに強いが依存に注意

犬用の缶詰は、ウェットフードの一種で香りが強く、食欲が落ちている時に効果的です。
噛む力が弱い子犬・シニア犬にも向いており、水分補給にも役立ちます。
ただし、缶詰ばかり好むようになってドライフードを残す犬も多く、歯に汚れがつきやすい点もデメリットです。
与えたあとは歯磨きを行い、量はあくまで“トッピング程度”におさえましょう。
チュールを混ぜる場合|嗜好性は最高だが「量」が最重要

チュールなどのペースト状おやつは、犬がよく食べてくれる便利なアイテムです。
ただし、 主食ではなく“おやつ”扱い であり、カロリー・塩分・脂質が高めの製品もあります。
混ぜる場合は、
- 一回量はスプーンひとさじ程度にする
- 毎食ではなく“どうしても食べない日の補助”に使う
という運用が安心です。
食いつき目的で使い続けると、「チュールがないと食べない」習慣がつく犬もいます。
野菜を混ぜる場合| OKの野菜とダメな野菜を必ず把握

キャベツ・にんじん・さつまいもなど、犬が食べられる野菜は多く、食物繊維で満腹感を出せるメリットがあります。
だし、 生のまま大量に与えると消化不良やガスの原因 に。
安全な与え方は
- 柔らかく茹でて小さく刻む
- 与える量は全体の1割程度にする
- 玉ねぎ・ねぎ類・アボカドは混ぜない(犬に有害)
など、基本ルールを守ることが重要です。
特にさつまいもは便秘改善に良い一方、与えすぎると肥満の原因になります。
ヨーグルトを混ぜる場合|乳糖耐性と脂質に注意

プレーンヨーグルトは腸内環境のサポートとして使われることが多い食材です。
しかし犬によっては 乳糖をうまく消化できず下痢になる ことがあります。
初めて与える場合はごく少量(ティースプーン1杯)から試し、体調を見ながら量を決めると安心です。
また加糖タイプやフルーツソース入りは避け、砂糖なしのプレーンのみを使いましょう。
ささみを混ぜる場合|タンパク質は優秀だが“主食化”は危険

茹でささみは犬の食いつきUPに非常に役立つ食材で、低脂肪・高タンパクで使いやすいトッピングです。
ただし、
・栄養が偏る
・ドッグフードを食べなくなる
・タンパク質過多になる
というリスクもあります。
特に「ささみだけ食べてフードを残す」パターンはよくあるため、 ささみはフードの補助に徹し、全体の5〜10%程度に抑える と良いバランスになります。
白米を混ぜる場合|消化は良いが“主食化させない”ことが大切

白米は犬にとって毒ではなく、消化も比較的しやすい食材です。
食欲が落ちた時や、胃腸が弱っている時に、柔らかく炊いた白米を少量混ぜると食べやすくなることがあります。
ただし、白米は炭水化物が中心で栄養の偏りが大きいため、 白米が主食に置き換わってしまうのはNG です。
与える量は「フード全体の5〜10%程度」にとどめ、あくまでドッグフードを食べるための補助と考えるのが安全です。
軟便になりやすい子は量をさらに控える必要があります。
犬用ミルクを混ぜる場合|水分補給に便利だが“乳糖で下痢”のリスクあり

犬用の粉ミルクや液体ミルクは、食欲が落ちた時のサポートとして非常に便利なアイテムです。
匂いも強く、ドッグフードに少量混ぜるだけで食いつきが改善しやすくなります。
ただし、犬によっては乳糖に敏感で、 少量でも軟便や下痢になるタイプ がいます。
初めて与える時はスプーン1杯の薄いミルクから始めて、便の様子を見ながら調整しましょう。
また、牛乳(人間用)は乳糖量が多く、犬が消化できない場合が多いためおすすめできません。
与えるなら 必ず犬用ミルク を使うのが原則です。
別食材を混ぜる最大の注意点|“嗜好性>主食”になるリスク
野菜やささみは健康によく、チュールは食欲を引き出す便利アイテム。
しかし、これらはあくまで 主食を補助するもの であり、主食のドッグフード(総合栄養食)を食べなくなると本末転倒です。
犬が「おいしいもの」だけ選んで食べ始めたら、与える量や頻度を見直す必要があります。
あくまで、主食のフードをきちんと食べてこそ健康を維持できる、という点を忘れないようにしましょう。
まとめ
フードを混ぜたりトッピングしたりする方法は、犬の食いつきを良くする便利な手段です。
しかし量や食材の選び方を誤ると栄養バランスが崩れることもあります。
主食のフードをしっかり食べられるように調整しながら、愛犬に合った方法で安全に活用していきましょう。