
新しいドッグフードに変えたあと、嘔吐・下痢・痒みなどの症状が出ると「合っていないのかな?」と不安になりますよね。
ただ、この症状はアレルギーだけでなく、切り替え方法や消化不良、環境ストレスなどでも起こることがあります。
この記事では、ドッグフードが合わない時の具体的な症状と、アレルギーかどうかの見極め方、動物病院で行われる対応まで詳しく解説します。
ドッグフードが合わない時の3つの症状とは?

新しいドッグフードに切り替えたあと、犬の様子が少しでも「いつもと違う」と感じたら、それはフードとの相性がよくないサインかもしれません。
フードの変更によって現れやすい症状はいくつか共通しており、体調面・皮膚面・行動面の3つの視点で観察すると原因を見つけやすくなります。
皮膚トラブル
まず、もっとも多いのが 皮膚トラブル です。
体をしきりに掻く、赤みが出る、フケが増える、耳垢がいつもより多いといった変化は、食材に反応している可能性があります。
犬は痒みを我慢できないので、気づかないうちに掻き壊してしまい、炎症が広がることもあります。
消化器症状
次に、消化器症状 が現れるケースも多いです。
嘔吐や下痢、軟便が続く場合は、胃腸がフードの成分を消化しきれていない可能性があります。
特に切り替え直後は、犬の体がまだ新しいフードに慣れていないため、軽い消化不良が起きることもあります。
行動の変化
そして意外と見落としやすいのが 行動の変化です。
痒みや不快感が強いと、寝つきが悪くなったり、イライラして吠えやすくなるなど、気持ちの面に影響が出る犬もいます。
食欲の低下や水を飲む量の変化も、フードが合っていないサインとしてよく見られます。
ドッグフードが合わない時の症状が出たら

新しいドッグフードで体調不良が出た場合は、まず元のフードに戻すのが基本です。
ただし、嘔吐や下痢が続いたり、痒みで掻きこわして炎症が広がってしまうと悪化しやすいため、早めに動物病院で症状を抑えてもらうことが大切です。
私の犬も迎えた当初、皮膚炎や外耳炎があり、何が原因か分からず困ったことがありました。
獣医さんからは「まずは痒みや不快感を取ってあげましょう」と言われ、薬や薬浴で落ち着かせることが優先でした。
不調が続くと犬はストレスで落ち着かなくなったり、眠れなくなることがあります。
問題行動に発展する前に、症状を早めに改善してあげることが大切です。
アレルギーの場合はフードの切り替えも

獣医さんがアレルギーの可能性ありと判断した場合、血液検査でアレルゲンを調べたり、原因となりやすい食材を避けたフードに切り替えるよう勧められることがあります。
血液検査は幅広いアレルゲンを特定できますが、費用が高いことや体調によって精度に差が出るため、必ずしも実施しないケースもあります。
うちの犬も検査は行わず、獣医さんの提案で「鶏肉抜き」「豚肉抜き」などの除去食を1種類ずつ試す方法をとりました。
このやり方はその日から始められ、症状が軽い犬に向いています。
時間はかかりますが、複数のフードを試す中で症状が落ち着くものが見つかれば、苦手な食材を絞り込むことができます。
アレルギーではない原因が見つかることも

ドッグフードが合わない時の症状のうち、嘔吐と下痢だけが起こった場合、アレルギー反応とは違う原因で症状が発生した可能性もあります。
この場合は、消化不良を疑われることが多いようです。
ドッグフードは硬さや原材料によって消化がしづらいことがあります。
特に子犬やシニア犬でドッグフードを切り替えた時は注意が必要です。

硬いフードをほとんど噛まずに飲み込んでしまったり、犬が消化を苦手とする穀物が多く使われているドッグフードだったりすると、消化不良を起こしやすくなります。
アレルギーのように皮膚の痒みなどがないけれど嘔吐や下痢を起こした時は、穀物の少ないドッグフードに切り替える、ドッグフードを少しふやかして与えるというように変えてみると改善することもあります。
ドッグフードが合わないか迷った時の“見極めポイント”
新しいドッグフードを与えたあと、症状が本当にフード由来なのかを判断するのは、飼い主さんにとってとても難しいことです。
特にアレルギー症状と消化不良、ストレス反応は見た目が似ていることもあり、自己判断では迷う場面が多いと思います。
少しでも原因を切り分けしやすくするために、獣医さんがよく参考にする「見極めのポイント」を知っておくと役立ちます。
食べ始めてどれくらいで症状が出たか
食べ始めてすぐに嘔吐・下痢が起きた場合は「急な消化不良」の可能性が高く、半日〜数日して皮膚トラブルが出てきた場合は「アレルギーの疑い」と判断されることがあります。
ただし例外も多く、アレルギー反応は数時間で出る子もいれば、数日経ってから徐々に悪化する子もいます。
そのため症状が出たタイミングを正確にメモしておくことが重要です。
- あげた直後に嘔吐 → 食いつきすぎ・急激な早食い・フードの粒硬さ
- 半日以降の下痢 → 消化不良
- 2〜3日して皮膚を掻き始めた → 食材によるアレルギーの疑い
- 耳をしきりに掻く・涙やけが急に悪化 → 食材反応の可能性
「少し気になるけど様子見」と考える飼い主さんは多いですが、症状が出たタイミングを思い出せず、診察時に原因特定が難しくなってしまうことがよくあります。
切り替え方法は適切だったか
ドッグフードを数日で急に切り替えた時は、アレルギーではなく「切り替えミス」による不調が起きることがあります。
特に慎重に切り替えるべきケースは以下です。
- 子犬(胃腸が未発達)
- シニア犬(消化能力が低下)
- 普段から軟便気味の体質
- 高たんぱく・高脂質のフードに変えた場合
理想は7〜10日ほどかけて徐々に混ぜる方法ですが、犬の体質によっては2週間以上ゆっくり切り替える方が適していることもあります。
切り替えが速すぎただけで「合っていない」と誤解しやすいため、獣医さんはまず切り替え方を確認することが多いです。
生活環境の変化がなかったか
意外に見落としやすいのが、環境ストレスによる体調不良です。
フード変更と同じタイミングで以下の変化があった場合、ストレス要因が重なり体調を崩すことがあります。
- 季節の変わり目(湿度・気温変化)
- 家族の生活リズムの変化
- 留守番時間が増えた
- 引っ越し・模様替え
- 新しいペット用品の導入(ベッド、シャンプー、首輪など)
犬の体調は環境変化の影響を強く受けるため、フード以外の要因が重なった可能性も考えておくと、獣医さんとの相談がスムーズになります。
見極めのために“今日からできること”
- 症状が出た日と時間をメモする
- 便の硬さ・回数・色も記録する
- 皮膚の状態は写真で残す
- 切り替え比率の変化もメモする
この記録があるだけで、獣医さんの判断が格段に正確になり、無駄な検査や長引く治療を避けやすくなります。
まとめ
ドッグフードが合わない時の症状は、アレルギー・消化不良・環境ストレスなど複数の要因が絡むため、自己判断がとても難しいものです。
症状が出た日や便の状態を記録し、早めに獣医さんへ相談することで原因にたどり着きやすくなります。
アレルギーと診断された場合は、フードだけでなくおやつの見直しも必要です。
愛犬が快適に過ごせるフード選びのために、無理のない形で取り組んでくださいね。