
ドッグフードのベタつきが気になり、「油抜きしたほうがいいのでは?」と感じる飼い主さんは多いです。
しかし油抜きにはメリットだけでなく注意点もあり、実は「油抜きしなくて良いフードを選ぶ」という解決策もあります。
この記事では油抜きの正しい方法と目的に加えて、油抜きが必要なケース・不要なケース、そして理想的なドッグフード選びの基準まで詳しく解説します。
ドッグフードの油抜きをする理由とは?

ドッグフードを油抜きする理由は2つあります。
・粗悪な品質の油を食べさせないため
・カロリーを下げるため
ドッグフードって値段の幅がとても広いですよね。
これは使われている食材や作り方などが、ブランドによって全然違うからなんです。
オイルコーティングもドッグフードの製法のひとつで、それ自体に問題があるわけではないのですが、安いドッグフードだと人間なら食用に使わない油を使っていたり、コストを下げるために本当なら肉から摂るべき脂質を、この質の悪い油で補うような作り方をしていたりします。
それを油抜きで除去するという目的があります。
また、オイルコーティングに使われている油が良質なドッグフードなら油抜きの必要ないのですが、肥満対策のために油抜きをするという目的の飼い主さんもいます。
脂質は一番カロリーが多いから、油分を取ることでカロリーを抑えることはもちろん可能です。
ただ、脂質も犬に必要な栄養素の1つなので、やり過ぎると栄養不足が心配になります。
ドッグフードを簡単に油抜きする方法

ドッグフードを与えるのは毎日のことだから、手軽に油抜きをしたいですよね。
油抜きの手順は、4ステップで完成です。
- 1回分のドッグフードを耐熱容器に入れ熱湯を注ぐ
- スプーンなどで軽く全体をかき混ぜる
- 30秒ほど経ったらザルにあげる
- 粗熱が取れたらボウルに入れて食べさせる
1回分ずつ短時間で行うこと
水分を含むと、ドッグフードは傷みやすくなります。
作り置きはせず、毎食ごとに油抜きをしましょう。
また、熱湯をかけるとドッグフードの栄養素が破壊されやすくなるので、長時間浸したままにするのも避けてくださいね。
良質ではないドッグフードの見分け方

ドッグフードの品質は 原材料表示 を見れば簡単に判断できます。
値段だけでは判断が難しいため、以下のポイントをチェックするのが確実です。
まず注意したいのは、着色料や強い保存料を使っているもの。
犬は見た目で選ばないので着色料は不要で、使われている時点で配慮に不安があります。
次に、「家禽ミール」「ミートミール」など肉の種類が特定できない表記が多い商品も避けたいところです。
品質が不透明で、どんな動物の肉なのか判断できません。
さらに、自然由来ではない酸化防止剤(BHA・BHTなど)が使われているフードも、品質を補うための添加と考えられ、選択肢から外すのが安心です。
一方で、
「ミックストコフェロール」「ローズマリー抽出物」「ビタミンE」などは 自然由来の酸化防止剤 なので心配はいりません。
原材料欄を見る習慣をつければ、良質なフードかどうかはすぐ判断できるようになります。
できれば油抜きせずにあげられるフード選びを

ドッグフードは、犬がそのドッグフードを必要量きちんと食べて栄養が摂れるように作られています。
たとえカロリーを抑えるためだけであっても、油抜きをすることで栄養が損なわれてしまう可能性があります。
できれば、油抜きをせずに与えることができる、高品質でカロリーを抑えたドッグフードを選ぶことが、犬にとって一番良いのではないかと思います。
保存料、着色料無添加で、酸化防止剤も自然由来のドッグフードなら、油抜きは不要です。
低品質のドッグフードを与えて体調を崩し病院代がかかることを考えると、高品質でコスパはかかっても健康で病院代がかからない方がお得なこともあります。
ぜひ検討してみてくださいね。
油抜きより“商品選び”で解決できるケース
油抜きという行為そのものに頼るより、そもそも「油を抜く必要がないドッグフード」を選ぶことで、毎日の手間をなくしつつ健康面の不安も減らせます。
ここでは、油抜きが必要なケースと不要なケースを明確にし、適切な商品選びの基準をより深く解説します。
油抜きが必要なドッグフードの特徴
油抜きを検討するべきなのは、原材料や製造方法に不安があるドッグフードです。
特に見分けたいのは、脂質の質よりも「オイルコーティングそのものに頼りすぎている商品」です。
粒を触ったときに不自然なベタつきがある、原材料表示で“動物性油脂”など成分の正体が曖昧な油が使われている、着色料が多い、といった特徴が見られる場合は油抜きが妥当です。
価格が安いフードには、補填目的でオイルコーティングを増量しているケースもあるため注意が必要になります。
油抜きが不要なドッグフードの特徴
反対に、油抜きをする必要のないフードは、そもそもの製造工程が違います。
具体的には、原材料そのものに含まれる自然の脂質を栄養源として利用し、外側から油で味付けしていないタイプのフードです。
さらに、酸化防止剤が自然由来(ミックストコフェロール、ローズマリー抽出物など)であること、原材料表記が「チキン」「サーモン」と単一タンパク質になっていることも信頼できるポイントとなります。
このようなフードは粒の表面がサラッとしており、触った瞬間にその違いが分かります。
油分を完全に除去すべきではない理由
油抜きを毎回行うと、犬にとって必要な脂質まで奪ってしまう可能性があります。
脂質はエネルギー源としてだけでなく、皮膚・被毛の健康、脂溶性ビタミンの吸収にも関係しています。
過度に油を落としてしまうと、かえって栄養バランスを崩すことがあるため、「油抜きありき」ではなく「油抜きしなくて済むフード選び」を優先する方が、健康面でも長期的コスト面でもメリットが大きくなります。
高品質フードでも太る犬への調整方法
良質なフードを選んでいても、体質や運動量の問題で太りやすい犬もいます。
その場合、油抜き以外のカロリー調整も可能です。
・総給餌量を10%だけ減らす
・食物繊維の多い野菜(キャベツ・ブロッコリーなど)を少量トッピング
・低脂質フードへ段階的に切り替える
こうした方法なら、油抜きによる栄養損失を防ぎながら、摂取カロリーを調整できます。
まとめ
油抜きは不安な油を取り除くための一時的な手段として有効ですが、長期的には“油抜きしなくても安心なフード選び”が最も重要です。
原材料や製造方法を知れば、愛犬の健康に合ったフードが自然と選べるようになります。
もし迷ったら、脂質の質・酸化防止剤・原材料表記を基準に選ぶと失敗しません。
他の記事も参考にしながら、愛犬にぴったりのフードを見つけてください。