
フェネックは「砂漠のキツネ」として人気がある一方、飼うのが難しい動物とも言われています。
購入価格が高く、取り扱うショップも少ないことに加え、鳴き声や運動量など生活面でも特有の課題があります。
本記事ではフェネックの値段や購入場所、お世話の難しさと生活上の注意点まで詳しく解説します。
フェネックは飼うのが難しい?

「フェネックを飼いたいけどハードルが高い気がする…」
そう思っている方もおられるとおもいます。
フェネックは小柄で一見簡単に飼うことが出来そうですが、はっきり言えば、飼育できる一般的な動物の中でもハードルは高い方だと思います。
その理由としては以下の2つ。
- 個体の販売じたいが希少で値段が高い
- 飼育難易度が高い
この2点について説明していきます。
フェネックはどこで買える?

フェネックを購入できる場所は限られており、一般的に以下の3つの方法があります。
ペットショップ
ごく一部のエキゾチックアニマルを専門に扱うペットショップで販売されることがあります。
取り扱い数が少なく、入荷があってもすぐに売れてしまうケースが多いため、事前に問い合わせをして予約する必要があります。
金額相場はオスで60万~100万円、メスで80万~120万円程度と非常に高額です。
ブリーダー
最も現実的な購入ルートはブリーダーから直接購入する方法です。
ブリーダーであれば健康状態や親の情報も確認でき、購入後の相談もできる場合があります。
金額相場はオスで50万~80万円、メスで70万~100万円程度です。
血統や飼育環境によっても値段が変動します。
里親募集
稀に里親として引き取れるケースもあります。
事情により飼えなくなった個体が募集に出ることがありますが、数が非常に少ないため、巡り合わせに左右されることが多いです。
費用は無料~50万円程度が目安です。
ただし、譲渡条件として飼育環境のチェックや契約が求められる場合もあります。
フェネックの飼育難易度が高い

もう1つのハードルが高い点として「お世話が大変」という点があります。
室内飼育が基本である
フェネックはイメージと反するかも知れませんが室内飼育が基本です。
フェネックは砂漠の動物であり、日本の四季には適応できません。
特に夏の湿気や冬の寒さは大きな負担となり、外の小屋だけでは温度や湿度を一定に保つのが困難です。
そのため、基本的にはエアコン管理の効いた室内で飼育することが前提になります。
また、フェネックはジャンプ力や穴掘りが得意で、屋外の小屋では簡単に脱走してしまう恐れがあります。
いったん外に逃げてしまえば捕まえるのは非常に難しく、命の危険につながります。
もちろん田舎で広い土地を持っている人なら、屋外に遊べる環境を整えてあげるのは良いことですが、「外小屋での常時飼育」ではなく「室内飼育を基本にし、屋外は一時的な遊び場」と考えるべきです。
飼育スペースの広さ
フェネックは体は小柄ですが、驚くほど運動量が多い動物です。
毎日部屋の中を走り回る時間を確保する必要があり、ケージに入れっぱなしではストレスがたまります。
自由に動き回れる部屋と、安全に遊ばせられる広さを用意することが飼育の基本です。
温度管理の難しさ
フェネックは砂漠地帯に生息しているため、暑さや寒さに弱く、室温を25~30℃に保つ必要があります。
特に冬場は低体温になるリスクがあり、夏場は熱中症の危険があります。
そのため一年を通じてエアコンを24時間稼働させることが一般的で、電気代や機器の故障リスクも考慮しなければなりません。
温度管理の負担は飼い主にとって大きな課題となります。
しつけの難しさ
犬に似た一面があるものの、人間の言葉やトイレのルールを覚えることはできません。
排泄のしつけは難しく、部屋のあちこちにしてしまうことも多いです。
家具や床の汚れを想定して、飼育スペースの工夫や掃除の負担を覚悟しておく必要があります。
フェネックの性格
フェネックは好奇心が強く活発で、人にすり寄る一面もあれば気まぐれにそっぽを向くこともあります。
犬や猫のように安定した関係を築くことは難しく、飼い主に従順というより「自由奔放」な性格だと考えた方がよいでしょう。
鳴き声の騒音
フェネックの鳴き声は甲高く大きいため、特に夜間に鳴くと近隣への騒音トラブルにつながる可能性があります。
防音対策がないとマンションやアパートでの飼育は困難で、郊外の住宅でも気を遣う場面が出てきます。
脱走時のリスク
フェネックはジャンプ力や掘る力が強く、ケージや柵を突破して脱走することがあります。
部屋の隙間やベランダ、窓などから外に出てしまう危険があるため、室内環境の安全対策は必須です。
一度逃げ出すと捕まえるのは非常に困難です。
破壊行動の注意
フェネックは部屋の中でも家具をかじったり、床を掘るような行動を取るため、一般的なペットよりも室内の破損リスクが高いです。
特に電気コードを噛む事故は危険なので、飼育環境の工夫が不可欠です。
餌の種類や量
フェネック専用のフードは存在しないため、肉類・野菜・果物・キャットフードなどを組み合わせて栄養バランスを考えながら与える必要があります。
量や内容を誤ると健康を損ねることもあり、毎日の食事管理は簡単ではありません。
希少ペットであるがゆえの情報の少なさ
フェネックは飼育している人が非常に少ないため、正しい飼育方法やトラブル解決の情報が限られています。
また、診てくれる動物病院も少なく、体調を崩したときにすぐに対応できないケースもあります。
希少性ゆえに飼い主が自ら情報を集め、工夫する姿勢が求められます。
長期外出や旅行が難しい
フェネックを診てくれる動物病院やペットホテルは非常に少なく、犬や猫のように気軽に預けることはできません。
旅行や帰省などで家を空ける際は、信頼できる家族や知人に世話を頼む必要があり、飼い主のライフスタイルに大きな制約がかかります。
寿命が長い
フェネックの平均寿命は12年前後とされ、飼育環境によっては15年以上生きることもあります。
犬や猫に比べても長寿なケースがあり、飼い主の年齢によっては「最後まで責任を持って世話できるか」という問題が生じます。
特に高齢の方が軽い気持ちで迎えると、自分よりも長く生きる可能性があり、結果的に飼育を引き継ぐ人を探さなければならなくなるリスクもあります。
そのため、長寿である点を踏まえた計画的な飼育が不可欠です。
フェネックの飼育が可能な経験者の条件

犬や猫を長期で飼った経験がある
フェネックの性格は犬と猫の両方の要素を持ちます。
甘える一方で自由気ままに振る舞うため、犬や猫を10年以上継続して飼った経験がある方であれば、その気まぐれさや世話の手間に柔軟に対応しやすいでしょう。
エキゾチックアニマルを飼った経験がある
フェレットやプレーリードッグ、ハリネズミなど、一般的でない小動物を数年間飼育した経験がある方は、温度管理や特殊な食事、情報の少なさに対応する力が養われています。
フェネックは希少動物ゆえにマニュアル通りの飼育ができないため、このような経験が大いに役立ちます。
継続して複数の動物を世話してきた実績がある
犬1匹を飼った経験があるだけでは不十分です。
犬や猫、小動物など複数種類を同時または連続して世話し、最低でも10年以上動物と関わってきた経験がある人でなければ、フェネックの習性や予期せぬトラブルに対応するのは難しいでしょう。
未経験者には不向き
フェネックは飼うのが難しい?【まとめ】
フェネックは見た目の可愛らしさに反して、飼育環境の準備・しつけの難しさ・生活制限の多さといった課題を抱えています。
しかし正しい知識と覚悟をもって迎えれば、長い寿命を共に楽しめるパートナーとなります。
検討中の方は家族や生活環境を含めてしっかり話し合い、納得のうえでお迎えしてください。
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