
フェネックは見た目の可愛さからペットとして注目を集めていますが、「人になつくのか?」と不安に思う人も多いでしょう。
この記事ではフェネックの性格や、なつくための環境づくりや接し方を解説します。
フェネックは人になつく?

フェネックは本来警戒心が強いため、大人になったフェネックを飼い始めた場合は人になつくのは難しいようです。
しかし、生後間もない頃から人の手によって飼育されてきたフェネックは、比較的人対うする警戒心を持たず、なつきやすいといわれています。
中には人の膝の上でなでてもらうことを喜んだり、尻尾を振ってくるような人懐こい子もいれば、生後間もない頃から人の手で育てられていたので過剰に人を嫌うことはなくても臆病な性格が残っている子もいます。
人慣れがしているか、人懐こいかどうかはお迎え後の育てやすさに直結するため、気になる子がいたらショップの店員に話を聞いたり実際に触らせてもらって見極めるようにしましょう。
フェネックが人になつくとできること

声をかけると反応する
なついたフェネックは、飼い主の声を聞き分けて耳をピクッと動かしたり、声のする方へ顔を向けることがあります。
犬のように名前を呼ばれて必ず駆け寄ってくるわけではありませんが、「安心できる人の声」として認識するため、落ち着いた反応を見せることがあります。
飼い主に寄ってくる
警戒心が解けると、自分から飼い主に近寄ってくるようになります。
特に遊びたい時や撫でてほしい時には、すり寄って存在をアピールする姿も見られます。
これは強い信頼関係が築けている証拠であり、臆病な性格のフェネックにとっては大きな変化です。
飼い主の上に乗って寝る
なついたフェネックの中には、飼い主の膝や足の上で安心して眠る子もいます。
野生下では眠っている間に天敵に襲われる危険があるため、無防備に眠るのは信頼の表れです。
ただし全ての個体がそうなるわけではなく、臆病な子は最後まで一人で眠りたがります。
飼い主の顔を覚える
フェネックは視覚や嗅覚で飼い主を識別できます。
特ににおいには敏感で、日常的に世話をしている飼い主の匂いを覚え、他の人と区別することが可能です。
そのため、慣れた飼い主が近づくと安心した様子を見せ、逆に見知らぬ人には警戒する傾向があります。
舐めてくる
人懐こいフェネックの中には、信頼や愛情表現として飼い主の手や顔を舐めてくる個体もいます。
これは犬に似た仕草で、完全に心を許している証拠といえるでしょう。
ただし全ての子が舐めるわけではなく、舐めないからといって懐いていないという判断はできません。
フェネックがなついてもできないこと

犬のようなしつけはできない
フェネックは犬と違い、指示を理解して芸を覚えたり、決まった行動を繰り返すことはほぼできません。
呼び戻しやトイレトレーニングも難しく、完全に人間の都合に合わせた行動をさせるのは不可能です。
無駄吠え防止や芸の習得は期待できない
犬であれば吠えるのを減らすしつけや「お手」「待て」といった芸を覚えられますが、フェネックにはその習性がありません。
代わりにフェネック特有の鳴き声や行動(高い声で鳴く、穴を掘るなど)を受け入れて飼育する必要があります。
完全に人間に依存することはない
なついたとしても、フェネックは基本的に野生の本能を強く残しています。
気まぐれで突然一人になりたがったり、急に臆病な行動を見せることもあります。
犬や猫のように「家族と一緒にいるのが当たり前」とはならず、あくまで「人と一緒に暮らせるけれど距離感は保ちたい」という動物です。
フェネックの性格は?

フェネックはもともと警戒心が強く臆病な性格ですが、飼育下のフェネックの性格はよく「犬と猫を足して2で割った性格」と例えられるようです。
触られるのを嫌がって噛みついたり、離れて行ってしまう場合もあれば、触らせてくれたり、尻尾を振って喜んだり、すり寄ってくるような場合もあるなど、犬や猫のような気まぐれな一面もあります。
また、基本的には人に何かを教えてもらって覚えることは出来ないため、犬のような一面があると言っても、トイレや無駄吠え防止などのしつけはできませんし、何か芸を覚えてするということもできません。

フェネックがなつくためのポイント

飼育環境を整える
フェネックは野生では常に天敵に狙われるため、警戒心が非常に強い動物です。
そのため家庭で飼育する際には、安心できる落ち着いた環境を作ってあげることがなつきやすさに直結します。
大きな音や急な動きはフェネックに強いストレスを与えるので、静かな部屋にケージを置き、来客や子供の騒ぎから距離を置くことが効果的です。
ケージ内には隠れ家を用意し、怖いときに逃げ込める場所を与えると、徐々に心を開いてくれます。
スキンシップの工夫
生後間もない頃から人に触れられてきたフェネックは比較的なつきやすいですが、それでも無理に抱っこすると逆効果です。
まずは手からおやつを与えることから始め、警戒心が解けてから軽く撫でてあげると良いでしょう。
フェネックは犬のようにしつけを覚えることはできませんが、人との触れ合いに慣れると、自分からすり寄ってきたり膝に乗ってくることもあります。
焦らず時間をかけることが信頼関係を築くコツです。
なつきにくいケースもある
一方で、どれだけ丁寧に接しても臆病さが強く残り、最後まであまり人に慣れないフェネックもいます。
これは性格や個体差によるものであり、飼い主の接し方だけで完全に変えることは難しい部分です。
なつかないからといって無理に触れ合おうとすると、噛みついたり強いストレスを与えてしまう原因となります。
その子の性格を尊重し、距離感を保ちながら一緒に暮らすことも大切です。
フェネックの生態は?

フェネックは体長30㎝~40㎝、体高が15~17㎝の小さな体に15~30㎝のふさふさした尻尾が生えています。
フェネックは北アメリカの砂漠地帯、サハラ砂漠周辺に住んでいます。
砂漠と言っても夜の冷え込みが強く、寒暖差がある地域に生息しています。
フェネックの特徴である大きな耳は砂漠地の日中の暑さ対策で、放熱を促すためと言われています。
大きな耳とうるんだ瞳、ころころ変わる表情など可愛いポイントが満載な動物です。
フェネックの野生下の寿命は最大で10年ほどだと言われています。

ジャッカルやハイエナ、フクロウやオオワシの餌になってしまうことが多く、鋭い爪や牙を持たないフェネックは反撃が出来ないため、多くのフェネックは寿命を全うすることが出来ません。
そのため、常に天敵に狙われないか様子を伺い、とても臆病で警戒心が強い性格になっています。
飼育環境下では天敵がいないため10~12年程度生きると言われていますが、フェネックにとって快適でストレスのない環境や、健康的な食事を与えることが長寿に繋がると言われています。
フェネックは人になつく?【まとめ】
フェネックは性格に個体差があり、人懐こい子もいれば臆病なままの子もいます。
大切なのは無理に慣れさせるのではなく、その子のペースに合わせて接することです。
もしフェネック飼育を考えているなら、当サイト内の「フェネックの寿命」や「フェネックの飼育難易度」にも目を通して、責任を持った飼育を心がけてください。