
フェネックは砂漠に生息する小型のキツネで、その愛らしい姿からペットとして人気があります。
しかしワシントン条約で保護されており、入手は簡単ではありません。
この記事では、フェネックが絶滅危惧種に指定されている背景や、国内で飼うために知っておくべき入手方法と注意点を詳しく解説します。
フェネックは絶滅危惧種?

フェネック(Vulpes zerda)は、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「低危険(LC=Least Concern)」に分類されており、現時点で「絶滅危惧種」には含まれていません。
世界的には比較的広い範囲に生息しているため、すぐに絶滅する危険性が高いとされる種ではないのです。
しかし、ペット目的の捕獲や生息地の減少によって個体数が減る恐れがあるため、ワシントン条約(CITES)付属書II に掲載されています。
付属書IIは「今は絶滅の危険は低いが、取引を規制しなければ将来危険になる可能性がある種」を対象とした区分です。
そのため、国際間で取引する際には輸出国政府の許可証が必要であり、結果として日本に輸入される数も限られています。
このように、フェネックはIUCN上では絶滅危惧種ではないものの、国際的な保護の対象となっているため、国内での入手が難しく高額になっているのです。
絶滅危惧種とはどういうもの?
みなさん、そもそも絶滅危惧種についてしっかりとご存知でしょうか?
絶滅危惧種とは、生息している数が減っていて絶滅してしまう可能性がある生物のことを言います。
絶滅危惧種は国際的には国際自然保護連合(IUCN)、日本では環境省やNGOなどが作成したレッドリストに含まれます。
日本では2020年に環境省がレッドリストに掲載した動物・生き物は8538種で、そのうち絶滅危惧種に分類される動物・生き物は3716種います。
絶滅の理由
動物が減少してしまう原因は主に以下の5つに分かれます。
- 採取・乱獲
- 森林伐採
- 環境汚染
- 外来種
- 里山の管理放置
主に絶滅の理由としては人の手によって採取・乱獲をされてしまったり、森林伐採や環境汚染があげられます。
また、外来種を人が持ち込み、放流したり野山に離してしまうことで在来種を食べてしまったり攻撃してしまい、外来種が繁殖してしまうことで在来種の個体数が減ってしまっています。
フェネックには一部のみ当てはまる
フェネックの場合は特に ペット目的の捕獲(乱獲) と、砂漠地帯の開発などによる 生息環境の変化 が主な懸念要因とされています。
森林伐採や里山の管理放置のような日本独自の問題は直接関係がありませんし、外来種による影響も大きな要因とは考えられていません。
フェネックの保護状況と飼育に関わる法律

IUCNレッドリストでの位置づけ
フェネックは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは「低危険(LC)」に分類されています。
これは「すぐに絶滅する危険性は低いが、生息地の減少やペット目的の捕獲が続けば将来的にリスクが高まる可能性がある」ことを意味します。
したがって国際的には「絶滅の危険性が高い動物」ではないものの、商業取引を放置すると危険があるため、ワシントン条約で規制されているのです。
日本国内での規制と飼育条件
日本でフェネックを飼育する際には「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護法)」に基づき、販売や繁殖には動物取扱業の登録が必須です。
また、輸入に際してはCITES(ワシントン条約)の許可証が必要になるため、一般の個人が海外から直接入手することはできません。
正規のルートを通して国内で繁殖された個体を選ぶことが飼育の前提条件になります。
違法取引のリスクと注意点
インターネット上では、無許可で密輸されたフェネックが販売されている例も報告されています。
違法取引に関与すると購入者自身も処罰対象となる可能性があり、またその個体が病気を持っているリスクも高まります。
正規ブリーダーや資格を持つショップを選ぶことが、飼い主とフェネック双方にとって安心です。
フェネックは絶滅危惧種で入手困難?おすすめの購入先は?

フェネックは国際間の取引が規制されていて時間もかかるため、海外から入ってくる個体は限られています。
また、ブリーダーの数も少なく、一般的なペットショップでは取り扱いをしているお店はほとんどありません。
ブリーダーや専門店などのショップを探す場合は、インターネットで探す方法が1番可能性が高いかと思います。
インターネットを探していると時折里親募集サイトなどが目に入ることもあるので、確認してみましょう。
ブリーダーや専門店を見つけた場合、取引をする前に動物取扱業者の登録をしているかを必ず確認するようにしましょう。
インターネット上を探していると、中には動物取扱業の資格がないまま密輸したフェネックを取り扱っている場合もありますので注意しましょう。
フェネックを飼育している方の人口は決して多くありませんので、ブリーダーやショップ側と小さなことでも気軽に相談出来る関係性を築くようにしておくと心強いです。
フェネックは絶滅危惧種?【まとめ】
フェネックは入手困難で価格も高く、法的規制もある動物です。
飼育を考える際には、正規ブリーダーや資格を持つショップを通じ、信頼できる関係を築くことが大切です。
安易な購入はトラブルや違法取引につながるため、慎重に準備を進めましょう。