
フェネックを飼いたいと考えるときに気になるのが寿命です。
野生と飼育下では大きな差があり、さらに健康管理の有無によって長生きできるかどうかも変わってきます。
本記事ではフェネックの平均寿命やオスメスの違い、長寿のために大切なポイントをまとめました。
フェネックの寿命
野生下の場合

体が小さいフェネックは、野生では常に命の危険にさらされています。
鋭い爪や牙を持たないため自分で反撃することが難しく、ジャッカルやハイエナといった肉食獣、さらにはフクロウやワシなど大型の猛禽類の格好の獲物となってしまいます。
そのため、自然界で生きられるのは長くてもおよそ10年ほどとされ、実際の平均寿命はそれよりも短い可能性が高いと考えられています。
飼育下の場合

飼育環境下でのフェネックは、天敵に襲われる心配がなく、安定した食事や温度管理ができるため、平均して10~12年ほど生きるといわれています。
中にはさらに長生きする個体も報告されています。
ただし、フェネックは非常に臆病で警戒心が強い動物で、環境の変化や騒音などによるストレスに弱い一面を持ちます。
そのため、寿命を延ばすには落ち着いた生活環境を整え、バランスのとれた食事を与えることが欠かせません。
また、オスとメスで寿命に大きな差はなく、一般的には同じくらいの寿命を保つと考えられています。
つまり、飼育下での健康寿命は性別よりも、日々のケアや環境づくりに左右されるのです。
長生きしたフェネックの記録
フェネックの寿命を延ばすために気をつけたい病気と健康管理

フェネックがかかりやすい病気
フェネックは犬や猫と同じくペットとして飼育できる動物ですが、かかりやすい病気もいくつかあります。
代表的なのは、腎臓や肝臓のトラブル、歯周病、寄生虫症などです。
特に歯石や歯周病は、食欲の低下や全身の不調に直結するため注意が必要です。
砂漠地帯の野生下と異なり、飼育下ではカロリーが過剰になりやすく、肥満から糖尿病や心臓病に発展するリスクもあります。
健康管理で意識すべきポイント
フェネックを長生きさせるためには、定期的な健康チェックが大切です。
動物病院での健康診断はもちろん、自宅でも食欲や排泄の状態、毛並みの変化を観察しましょう。
口臭やよだれの増加、体重の急激な変化などは病気のサインである可能性があります。
日常的な観察を怠らないことが、早期発見につながります。
獣医師との付き合い方
フェネックを診てくれる獣医師は限られているため、事前にエキゾチックアニマル対応の病院を探しておくことが安心です。
年に1回の健康診断やワクチン接種に加え、必要に応じて血液検査やレントゲン検査を受けるとよいでしょう。
小さな異常でも早めに相談できる環境を整えておくことが、寿命を延ばす最大のポイントになります。
フェネックにとって快適な環境
フェネックが住んでいる砂漠地帯は、日中は熱く夜は冷え込む過酷な環境です。
日中の熱を効率よく放熱するために耳が大きくなったとも言われるくらいです。
飼育環境下では野生の環境に近づける必要はないとされており、フェネックにとって快適な25~28℃をキープしてあげるようにしましょう。
バランスのとれた食事
野生環境下では昆虫やネズミ、卵、葉っぱや根っこなど食べられるものはなんでも食べることが出来ます。
バランスよく餌を与えるためには通常ドッグフードを与え、タウリンを補充するためにキャットフードも定期的に与えるようにしましょう。
水分補給にはフルーツをあげるのも良いですが、給水ボトルや水の皿を設置して水を与えても良いかと思います。
水は切らさないようにしましょうね。
犬や猫同様、ネギ科の野菜やチョコレートなどは与えてはいけません。
餌の頻度は1日に2度、朝と夕方などに与えましょう。

十分な運動量
フェネックは運動量が多い動物なのでケージに入れたままにせず、室内を自由に散歩させる時間をとる必要があります。
また、犬のようにハーネスをつけて外を散歩することも可能です。
室内を自由に動き回っている際には、ジャンプ力が高く、なんでもかじり、床でも絨毯でもどこでも掘ろうとしてしまうので、しっかりと見ておく必要があります。
安全な飼育環境の整備
好奇心旺盛で何でもかじるため、電気コードや小物の誤飲事故は大きなリスクになります。
部屋を散歩させるときは危険物を片付け、転落しやすい高所には登れないよう工夫しましょう。
フェネックのSNSコミュニティを利用する
フェネックは犬や猫に比べて飼育頭数が少なく、専門書や情報源も限られています。
そのため、SNSのコミュニティや飼育者グループに参加しておくことは有益です。
日常のちょっとした疑問や体調の変化について、同じような経験を持つ飼い主からアドバイスを得られることがあります。
また、珍しい行動や症状を共有しておくことで「病気のサインに早く気づけた」というケースも少なくありません。
もちろん最終的には獣医師に相談すべきですが、情報交換の場を持つことで安心感が得られ、結果的にフェネックの健康寿命を延ばすことにつながります。
フェネックの寿命と犬・猫との比較

フェネックの寿命は10〜12年ほどとされています。
これは犬や猫の寿命と比べるとやや短めです。
たとえば小型犬は12〜15年、猫は14〜16年生きるケースが多いため、フェネックは「少し短命なペット」といえるでしょう。
ただし、同じ肉食動物であることを考えると10年以上生きられるのは小動物としては長寿の部類に入ります。
寿命を考える際には、犬猫の感覚で「十数年は一緒に暮らせる」とイメージしておくとわかりやすいでしょう。
フェネックの繁殖と寿命の関係

フェネックはオス・メスで平均寿命に大きな差はありませんが、繁殖歴があるかどうかで体への負担は変わってきます。
特にメスは妊娠・出産を経験すると体力を大きく消耗し、栄養不足や体調不良をきっかけに寿命が短くなる場合があります。
オスでも繁殖行動によるストレスが長期化すれば健康に影響することがあります。
そのためペットとして飼育する際は、繁殖を安易に考えず、健康寿命を重視した環境づくりを優先することが長生きにつながります。
フェネックの寿命に関するよくある質問(FAQ)
フェネックの寿命平均は?【まとめ】
フェネックの平均寿命は10〜12年ですが、環境や健康管理次第でさらに長生きも可能です。
快適な環境づくりと正しい食生活、定期的な健康チェックが重要なポイントです。飼育前に寿命の長さを理解し、最後まで責任を持って向き合えるかを確認してから迎えましょう。