
トリミング後に犬が急に体を掻いたり、お腹を舐めたりすると心配になりますよね。
原因は必ずしも一つではなく、皮膚の弱さやカット方法、シャンプー、乾燥、毛質など複数が重なっている場合があります。
この記事では痒みが出る理由を整理し、次回のトリミングでできる予防策をわかりやすく解説します。
犬がトリミング後に痒がる理由は?
バリカン負けで皮膚が傷つく

人間が髭剃りなどでカミソリ負けをするように、犬もバリカン負けして皮膚が傷つくことがあります。
特にお腹や喉は皮膚が薄くデリケートなところなので、バリカン負けしやすいです。
足裏や肛門は皮膚の形が複雑なうえに短いミリ数のバリカンを密着させるため、特にバリカンが当たりやすい箇所になります。
トリミング後に痒がる部分が赤くなっている場合はバリカン負けの可能性が高いです。
バリカン負けの対策としては、トリマーさんに前回のトリミングで赤みや痒がりが出たところを伝えて、バリカンを軽めにかけてもらうようにお願いしましょう。
短いミリ数のバリカンほどバリカン負けしやすいので、長めのバリカンにしたり、ハサミでカットしてもらうのもおすすめです。

シャンプーが合わない、シャンプー剤のすすぎ残し

シャンプーの成分が合わないことが痒がりの原因になっている場合があります。
中にはアレルギー成分に反応していることもあります。
クレンジングシャンプーは汚れ落ちがいい分刺激が強いので痒くなりやすいです。
また、シャンプーやリンスのすすぎが甘いと皮膚にシャンプー剤が残り痒みのもとになります。
毛量の多い子は特にすすぎ残ししやすいです。
シャンプーによる痒みの対策は、ペットに合いそうなシャンプーを持参したり、トリマーさんにすすぎをしっかりめにしてもらうように伝えましょう。
シャンプーを持参する場合、「低刺激」「子犬用」と記されているものが皮膚が弱い子にもおすすめです。
どのシャンプーがいいかわからない場合は、獣医さんに相談して薬用シャンプーなどを処方してもらってくださいね。
皮膚が乾燥している

もともと乾燥肌の子は、シャンプーで皮脂が流れたりドライヤーの熱風で皮膚が乾くことで痒みが出ます。
カサカサした白いフケが出やすい子は乾燥肌の可能性が高いです。
乾燥が気になる場合は、セラミド成分入りなどの保湿効果の高いシャンプーやリンスを使うといいです。
保湿スプレーやローションなど様々なタイプの保湿剤もあるので、ペットに合うものを探してみてくださいね。
刈った(切った)毛がチクチク刺さっている

短く切った毛が皮膚にチクチク当たって痒がっている場合があります。
特に毛の硬い子が短くカットすると、皮膚に刺さりやすいです。
人もムダ毛剃り後に生えた毛ってチクチク当たって痒くなりませんか?(髭など硬い毛ほど皮膚に当たると痒いですよね)
毛が硬めの子はバリカンで短くせずに、長めにカットしてもらうと良いです。
内股は皮膚が重なるので、トリミング後に内股をずっと舐めている場合は陰部の毛がチクチクして痒がっている可能性があります。
内股を気にするようであれば、内股のバリカンはかけないようにトリマーさんに伝えましょう。
耳掃除や肛門腺絞りの刺激

耳を掻いたり、お尻を床に擦っている場合は、耳掃除や肛門腺を絞った刺激による痒みかもしれません。
プードルなど耳の中に毛が生える犬種はサロンによって耳掃除の際に耳毛を抜くのですが、耳毛を抜くことで耳の中が赤くなってしまう子もいます。
耳毛はそのままで汚れをふき取るだけにしてもらうか、耳毛を抜かずにハサミで切るペットサロンもあるのでそういったところでお願いしてみましょう。
また、外耳炎など耳に病気がある場合も耳掃除後に痒みがひどくなることが多いです。
トリミング後にトリマーさんに耳の状態を聞いて、赤みや汚れがひどいと言われたら病院で治療してもらってくださいね。
お尻を引きづったり、お尻をずっと気にしている場合は肛門腺絞りの影響かもしれません。
肛門腺が固くて出にくい子は強めに絞るため、肛門周りが赤くなってしまうことがあります。
そういう子はサロンで無理に出さず、病院で処置してもらうのをおすすめします。
目にシャンプーや毛が入った

目を擦っている場合は、洗っているときにシャンプーが目に入ったり、カットした毛が入ってしまった恐れがあります。
シーズーやパグなど目が大きい犬種は特に目のトラブルが起きやすいです。
トリミング後のトラブルでトップクラスに多いのは目の件だと思います。
トリマーさんに目に気を付けて作業してもらうようにと、カットの後目の毛を取ってほしいと伝えましょう。
点眼液を使用しているサロンならこまめにさしてもらってください。
トリミング後に痒みが出やすい犬の特徴と対策
トリミング後に痒がる原因は個別に挙げられていますが、そもそも痒みが出やすい体質・条件を持つ犬は一定数います。ここでは、症状が出やすいタイプをまとめておきます。
皮膚が弱い・アレルギー体質の犬
もともと皮膚バリアが弱い犬は、軽い刺激でも赤みや痒みが出ます。
特に柴犬・フレンチブルドッグ・トイプードルなどは皮膚トラブルが多い犬種として知られています。
皮膚が薄い部位(お腹・内股・脇)の刺激に弱いため、軽度のバリカン負けやシャンプー刺激でも反応が強く出ることがあります。
対策
毛質が硬め・密度が高い犬
シュナウザー・柴犬・コーギーなど、硬い毛+毛量が多い犬は“チクチク刺激”が強く出やすいのが特徴です。
短くカットすると毛の断面が鋭くなるため、首・脇・内股など摩擦が起きる部位が特に痒がりやすくなります。
対策
乾燥しやすい季節・生活環境
季節要因も大きく、特に冬場は暖房の影響で乾燥しやすく、
シャンプー+ドライヤーの熱 → 一気に乾燥
というパターンが非常に多いです。
室内の湿度が40%を切ると、犬の皮膚は人間以上に乾燥します。
対策
シニア犬・免疫が下がっている状態
年齢を重ねると皮膚が薄くなり、治りも遅くなります。
軽いバリカン負けでも痒みや赤みが長引きやすいのが特徴です。
季節の変わり目や体調を崩したあとも、皮膚が敏感になっていることがあります。
対策
トリミングが久しぶりで毛玉・もつれが多かった犬
毛玉処理は皮膚に引っ張り刺激が入りやすく、
シャンプー・ドライでも摩擦が増えます。
トリミング後に痒みが出やすくなる“典型例”です。
対策
自宅で軽くブラッシングしてからの来店や、毛玉料金がかかっても「できるだけ優しく」の依頼がおすすめです。
犬がトリミング後に痒がる理由と対策【まとめ】
トリミング後の痒みは、犬の体質・毛質・季節・施術内容などが複合的に影響します。
今回の原因と対策を踏まえて、次回はトリマーさんに気になる点を共有しておくとトラブル防止につながります。
痒みが長引く場合は早めに病院へ相談し、愛犬が快適に過ごせるケアを続けてください。