
犬が頭をぶつけたのに、しばらくすると元気そうに見えると「病院へ行かなくても大丈夫?」と迷ってしまいますよね。
この記事では、元気に見えても注意が必要な理由と、受診すべき判断ポイントを具体的に解説します。
犬が頭をぶつけたときどうするべき?

犬は若ければ若いほど元気があって、遊びもイタズラも大胆ですよね。
そんな中で、ソファやベットから落下したり、転んでしまったりしたときに、頭をぶつけたらとても心配になりますよね。
頭をぶつけたときは、まず飼い主としてどのように対処したらいいのでしょうか?
人間と同じように、犬も頭をぶつけたとき、打ちどころによっては命に関わることや後遺症が残る場合があります。
もし愛犬が頭をぶつけたときは、慌てずに愛犬の状態をしっかりと観察しましょう。
ふらついている、目の焦点が合わない、ぼうっとしているなどの症状がある場合は注意が必要です。
ぶつけたあと何も異常がなくても、次の日にぐったりしていたり、発熱したりする場合もあるため、少しでもおかしいと感じたら早急に病院へ行くべきです。
犬が頭をぶつけたときに考えられる外傷(たんこぶ・出血)

犬が頭をぶつけた場合、まず確認したいのが外から見えるケガ(外傷)です。
外傷は脳への影響と違い、見た目で判断しやすい反面、「大丈夫そう」に見えて放置されやすい点に注意が必要です。
軽くぶつけた程度で、元気や食欲が普段どおりであれば、たんこぶや軽い腫れだけで済むケースもあります。
この場合、無理に触らず安静にさせ、必要に応じてタオル越しにやさしく冷やしながら様子を見ます。
一方で、次のような外傷が見られる場合は注意が必要です。
- 出血が止まらない
- 腫れが急に大きくなる
- 触ると強く嫌がる、怒る
- 頭や口元を気にして前足で頻繁に触る
特に頭部は血流が多く、小さな傷でも出血しやすい部位です。
また、見た目は軽そうでも、皮膚の下で出血や炎症が広がっていることもあります。
外傷とあわせて、
「元気はあるが、どこか落ち着きがない」
「いつもより触られるのを嫌がる」
といった様子が見られる場合も、早めに病院で診てもらう方が安心です。
犬が頭をぶつけたあと「元気そう」に見えても注意すべき理由
直後は元気でも「時間差で症状が出る」ことがある

犬が頭をぶつけた直後に歩けていて、食欲もあり、普段どおりに見える場合でも安心はできません。
頭部のダメージは、数時間〜翌日以降に症状が現れるケースがあります。
特に注意したいのは、
- しばらくしてから急に元気がなくなる
- 寝ている時間が明らかに増える
- 呼びかけへの反応が鈍くなる
といった「じわじわ変化するサイン」です。
飼い主が「さっきは平気そうだったから大丈夫」と判断してしまうことで、受診が遅れてしまうことがあります。
「様子見でOK」と「すぐ病院へ行く」の判断目安

元気に見える場合でも、以下のような状況では様子見ではなく受診を優先した方が安全です。
- 高い場所(ソファ、ベッド、階段など)から落下した
- 頭を強く打ちつけた音がした
- ぶつけた直後に一瞬でも動きが止まった
- シニア犬、小型犬、子犬である
一方、
- 軽くぶつけただけで、その後も行動・食欲・反応が普段どおり
- 24時間以上経っても変化がない
このような場合は、自宅での慎重な経過観察が選択されることもあります。
ただし、これは「異常が出なかった場合」に限られる判断です。
自宅で様子を見るときの正しい観察ポイント

病院に行かず様子を見る場合でも、何となく見守るのでは不十分です。
次のポイントを意識して観察してください。
- 歩き方が不安定になっていないか
- 左右どちらかに傾いていないか
- 目の動きや焦点がおかしくないか
- 嘔吐、よだれ、震えが出ていないか
- 名前を呼んだときの反応は普段どおりか
これらのうちひとつでも「いつもと違う」と感じた時点で受診を検討すべきです。
「気のせいかも」と思った違和感が、重要な初期サインであることも少なくありません。
頭をぶつけたときに出てくる症状

頭をぶつけたときは、たんこぶができるような外側を怪我しただけなのか、脳などの体の中に異常をきたすものかで、状況は違います。
脳などに影響を起こす場合に出る症状を、いくつかご紹介します。
これらの症状が出た場合は一刻も早く動物病院で適切な診察と治療を受けてください。
痙攣•麻痺が起こる
外傷により、神経の一部が障害を受けた場合に手足に痺れが起こり、痙攣を起こして手足が上がったままの状態になることがあります。
手足がピンと伸びて、つっているような症状が見られた場合は、慌てずにゆっくりさすって愛犬を落ち着かせてあげましょう。
一刻も早く病院へ行くことを考えましょう。
ぐるぐる旋回する
左右どちらかの方向に、ぐるぐると旋回する行動のことを言います。
また、頭を左右のどちらかに傾けたままの状態になることもあります。
脳の中央や前庭領域にダメージを与えたときに、このような行動をとる場合があります。
脳にダメージを受けると、よだれが止まらなかったり、嘔吐したり、別の症状も起こるため、とても緊急度が高いと判断しましょう。
意識障害を起こす
頭をぶつけた直後は、その痛みやショックから無気力な状態でぼうっとなる場合があります。
刺激に対する反応が全体的に薄れるため、神経性の異常を発症している可能性があるため、緊急度が高いと判断しましょう。
お気に入りのおもちゃや、ご飯に対する呼びかけにも反応が薄く、ふらふらしているようなら、病院へ行くべきです。
落下や転倒における対策

一度は問題なさそうに見えても、対策をしなければ同じ事故を繰り返す可能性があります。
特にソファやベッドは、犬が簡単に飛び乗れる一方で落下の危険も高く、小型犬では頭部の大きなケガにつながることもあります。
ベッドには犬用ステップを設置し、階段を使って昇り降りする習慣をつけましょう。
ソファ周りには滑りにくいクッションマットを敷くと衝撃軽減になります。
また、階段やベランダ、段差のある場所にはペットガードを設け、自由に入れないようにすることも有効です。
事故が起きてから慌てるのではなく、日頃から落下・転倒防止の環境づくりをしておくことが大切です。
犬が頭をぶつけた際の対処法【まとめ】
犬が頭をぶつけたときは、元気そうに見えるかどうかだけで判断せず、行動や反応の変化を丁寧に観察することが大切です。
少しでも違和感を覚えたら、早めに病院で診てもらうことが愛犬を守る近道になります。