
犬の目の周りが赤いと「こすった?傷?アレルギー?」と心配になりますよね。
目はトラブルが起きると悪化が早いため、赤み・腫れ・涙・目やにの状態で原因の見極めがとても大切です。
この記事では、実際の診察体験をまじえながら、考えられる原因と受診の目安、家庭でできるケアをわかりやすく解説します。
犬の目の周りが赤い時に考えられるその他の原因と見極め方

アレルギーによる赤み(季節性・環境性・食物)
犬はアレルギー反応が皮膚や粘膜に出やすく、特に目の周りは刺激を受けやすい部位です。
花粉の多い季節や、掃除後・散歩後に赤みが悪化する場合は、アレルギー性結膜炎の可能性があります。
まぶたがぷっくり腫れたり、透明な涙がポロポロ出続ける場合もよくみられます。
食物アレルギーでも同様の症状が出ることがあるため、赤みが慢性的に続く時はフード内容の見直しが必要になります。
逆さまつげ・まつげトラブルによる刺激
まつげが内側に向かって生えている「逆さまつげ」は、角膜に常に触れ続けるため、犬が目をこすって赤くなりやすい原因です。
軽度の場合は涙や目やにが増えるだけですが、放置すると角膜にキズができ、痛みのため目を細めたり、ショボショボしたりといった行動が現れます。
逆さまつげは自力で治ることはないため、病院で抜去処置や治療が必要です。
乾燥やエアコンの風による刺激
室内環境によっても目の周りは簡単に赤くなります。
特に冬場やエアコンの直風が当たる位置で過ごしている犬は、涙の量が減って角膜表面が乾燥しやすく、違和感から前足でこすってしまい、結果として目の周りが赤くなることがあります。
涙の量がやや少ない程度でも、乾燥刺激は意外と大きいため、寝床の位置やエアコンの風向き調整だけで改善することもあります。
犬種特有の目のトラブル(短頭種・涙やけしやすい犬)
シーズー・パグ・フレンチブルドッグ・マルチーズなどの短頭種は、目が大きく前に出ている犬が多く、ホコリが入りやすいほか、涙の出口が狭いことで涙があふれやすく、常に目の周りが濡れた状態になりやすいという特徴があります。
湿った皮膚に細菌が増え、赤みやただれにつながりやすいので、涙やけケアと清潔対策を習慣化することで悪化を防げます。
危険なサインの見極め方(すぐ病院へ行くべき症状)
目の赤み自体はよくある症状ですが、以下の状態がある時は緊急性が高い可能性があります。
- 片目だけ極端にショボショボして開きにくい
- 痛みで触られるのを嫌がる
- 黄〜緑の濃い目やにが増える
- 黒目が白く濁ってくる
- 光をまぶしがり、暗いところに行こうとする
これらは角膜炎・潰瘍・感染症の疑いが強く、治療が遅れるほど視力低下につながることがあります。
犬の目の周りが赤い時の飼い主ができる対策

犬の目の周りが赤いときは、原因を特定できないまま様子を見るよりも、まず刺激を減らしてあげることが大切です。
赤みが軽いうちなら、家庭でのちょっとしたケアで悪化を防げることがあります。
以下の対策はどれも獣医師から実際に指導される内容で、日常的に取り入れやすいものばかりです。
目をこすらせない
まず、目をこすらせない環境づくり が最優先です。
犬は違和感があると前足で触ってしまうため、短時間でもエリザベスカラーを使って触れないようにすると、角膜の傷の悪化や炎症の広がりを防げます。
普段エリザベスカラーを嫌がる子でも、柔らかい布タイプのものなら比較的ストレスが少なく、短期間なら受け入れてくれることが多いです。
目の周りを清潔に保つ
次に、目の周りを清潔に保つ ことも大切です。
乾いた目やには、濡らしたコットンやガーゼでふやかしてからそっと拭き取る程度で十分です。
ゴシゴシこすると摩擦でさらに赤みが出やすくなるため、あくまで軽く触れるだけにします。
特に涙やけが多い犬種は、湿った状態を放置すると皮膚が赤くただれやすいので、こまめなケアが症状の緩和につながります。
室内環境の見直し
また、室内環境の見直し も効果があります。
エアコンの風が直接目に当たらない位置にベッドを移動したり、乾燥が気になる時期は加湿器を活用したりすることで、涙量の低下による刺激を減らすことができます。
意外ですが、この環境調整だけで目の赤みが治まるケースもあります。
症状次第では動物病院で診てもらう判断も
一方で、赤みが続く場合や、涙の量が急に増えたり、ショボショボしたりする場合は、早めに動物病院で診てもらう判断 が欠かせません。
とくに黄・緑の目やにが出ている時は細菌感染が疑われ、自宅ケアだけでは治りません。
点眼薬の種類や回数は自己判断せず、必ず獣医師の指示に従うようにします。
まとめ
犬の目の周りの赤みは、軽い刺激から角膜トラブルまで幅広い原因があります。
目やにの色やショボショボなどの変化を早く察知することで、重症化を防ぐことができます。
気になる症状が続く時は無理に様子見せず、早めに動物病院へ相談することが大切です。
目の健康は生活の質に大きく関わるため、日ごろから小さな変化に気づいてあげましょう。