
犬が「ピーピー」「クーン」と小さな声で鳴いていると、「何を訴えているの?」「無視しても大丈夫?」と心配になりますよね。
犬がピーピー鳴く理由には、甘えや要求、不安・恐怖、嬉しいときの興奮、痛みや体調不良などがあります。高い声で鳴く場合でも理由は一つとは限らず、しっぽや耳、表情なども合わせて判断することが大切です。
そのため、ピーピー鳴いているからといって、すべて無視したり、反対に毎回要求をかなえたりするのはおすすめできません。
この記事では、犬がピーピー鳴く理由から、甘えと体調不良の見分け方、無視していいケース、やめさせる方法、動物病院へ相談したいサインまで解説します。
犬がピーピー鳴くのはなぜ?主な理由

犬のピーピーという鳴き声には、さまざまな意味があります。
まずは「いつ鳴くのか」「鳴いているときに何をしているのか」を観察してみましょう。
甘え・かまってほしい
飼い主の顔を見ながらピーピー鳴いたり、体を寄せてきたりする場合は、甘えたい、かまってほしいという気持ちを伝えていることがあります。
「撫でてほしい」「一緒にいてほしい」と飼い主の注意を引こうとしているケースですね。
クンクン鳴くこと自体も、犬が甘えるときに見られる行動の一つです。
ただし、飼い主が毎回すぐ反応していると、「ピーピー鳴けばかまってもらえる」と覚えてしまうこともあります。
ごはんや散歩などを要求している
ごはんを準備しているとピーピー鳴く、散歩の時間になるとリードの前で鳴く、おやつを食べている飼い主を見ながら鳴く。
このように、犬が何かを欲しがって鳴くこともあります。
最初はかわいらしい鼻鳴きでも、要求が毎回通ると、より強く要求するようになる可能性があります。
要求鳴きに対しては、鳴いている最中ではなく、静かになったタイミングで望ましい行動を褒めるという考え方が基本になります。
不安・恐怖・寂しさを感じている
不安や恐怖を感じたときにも、犬はピーピー鳴くことがあります。
普段は大きな犬に吠え返すような子でも、掃除機や雷・花火のような得体の知れない音を怖がり、飼い主に寄り添って小さく鳴くことがあります。
このような場合は、要求鳴きと同じように考えて単純に無視するのではなく、何を怖がっているのか確認してあげましょう。
飼い主と離れたときに長時間鳴き続ける場合などは、強い不安が関係している可能性もあります。ただし、鳴くという行動だけで分離不安と決めつけることはできません。
嬉しくて興奮・期待している
犬がピーピー鳴くのは、ネガティブな理由だけではありません。
散歩へ行く前、ごはんの準備中、大好きな人が帰ってきたときなど、嬉しさや期待で興奮して声が出ることもあります。
特定の楽しい出来事の直前だけ鳴き、普段どおり元気なのであれば、期待や興奮が関係していないか観察してみましょう。
痛みや体調不良を訴えている
注意したいのが、痛みや体調不良を伴っている場合です。
筆者の場合、散歩中に愛犬が突然ピーピー鳴き始め、確認してみると後ろ足にガムが付いていたことがありました。
犬自身では解決できない痛みや違和感を、飼い主へ知らせていることもあります。
普段は鳴かない犬が突然鳴き始めた場合は、足裏や体に異常がないか確認するとともに、元気・食欲・呼吸・排泄などにも変化がないか見てあげましょう。
犬がピーピー鳴く理由を見分けるポイント

同じ「ピーピー」という声でも、甘えと体調不良では対応がまったく違います。
鳴き声だけで決めつけず、状況や犬の様子を合わせて判断しましょう。
いつ・どんな場面で鳴くのか確認する
まず確認したいのが、ピーピー鳴き始めるタイミングです。
- ごはんを準備すると鳴く
- 散歩前になると鳴く
- 飼い主が別の部屋へ行くと鳴く
- 雷が鳴ると鳴く
- 抱き上げたときだけ鳴く
- 歩こうとすると鳴く
このように、きっかけが分かると原因を絞り込みやすくなります。
数日続く場合は、鳴いた時間や直前に起きたことをメモしておくのもよいでしょう。
耳・しっぽ・姿勢なども一緒に観察する
犬の気持ちは、声だけでは判断できません。
高い声で「クーン」と鳴いていても、不安を感じている場合とおねだりしている場合では、しっぽや表情などに違いが現れることがあります。
体を小さくして震えているのか、飼い主を見ながらしっぽを振っているのか、落ち着かず歩き回っているのかなど、全身を観察しましょう。
食欲・元気・排泄に変化がないか確認する
体調不良との見分けでは、鳴き声以外の変化が重要です。
食欲が落ちている、元気がない、嘔吐や下痢がある、歩き方がおかしい、触ると嫌がるなど、普段と違う様子がないか確認してください。
特に、安静にしているのに呼吸が速い・荒い状態が長く続いたり、苦しそうにしていたりする場合は注意が必要です。
突然ピーピー鳴くようになった場合は注意する
これまでほとんど鳴かなかった犬が、突然ピーピー鳴くようになった場合も注意しましょう。
何かを踏んだ、足を痛めた、体のどこかに違和感があるなど、急な変化には原因がある可能性があります。
原因が分からないまま鳴き続ける場合や、ほかの症状を伴う場合は動物病院へ相談しましょう。
犬がピーピー鳴くときは無視していい?

結論からいうと、犬がピーピー鳴くからといって、すべて無視するのはおすすめできません。
無視するかどうかは、なぜ鳴いているのかによって変わります。
要求鳴きならすぐに要求へ応えない
「おやつが欲しい」「遊んでほしい」など、明らかな要求鳴きの場合は、鳴くたびに要求をかなえないことが大切です。
- 鳴く→おやつをもらえる
- 鳴く→遊んでもらえる
- 鳴く→ドアを開けてもらえる
という経験を繰り返すと、「鳴けば要求が通る」と学習する可能性があります。
この場合は、犬そのものを無視し続けるというより、「鳴いている最中には要求をかなえない」と考えると分かりやすいでしょう。
不安や恐怖で鳴いている場合は放置しない
雷や花火などに怯えて震えている犬まで、「鳴いているから無視」と考える必要はありません。
まず何に不安を感じているのか確認し、可能であれば刺激から離したり、安心して過ごせる場所を用意したりしましょう。
鳴き声だけではなく、震え、しっぽ、耳、姿勢なども合わせて判断してください。
痛みや体調不良が疑われる場合は無視しない
突然鳴き始めた、触ると痛がる、動きたがらない、呼吸が苦しそうなどの場合は、要求鳴きとして無視しないでください。
「いつもの甘えだろう」と思い込まず、普段と違うところがないか確認することが大切です。
犬がピーピー鳴くのをやめさせる方法
ピーピー鳴くのをやめさせたい場合も、最初から「鳴かないようにしつける」のではなく、原因に合わせて対処します。
まずピーピー鳴く原因を特定する
一番大切なのは、なぜ鳴いているのかを確認することです。
要求、不安、興奮、痛みでは、それぞれ必要な対応が違います。
体調に問題がある犬を無視しても解決しませんし、反対に要求鳴きへ毎回答えていては、鳴く行動を強めてしまう可能性があります。
不安や恐怖の原因をできるだけ取り除く
雷、花火、掃除機など、原因が分かっている場合は、できる範囲で刺激を避けたり、安心できる場所へ移動させたりします。
犬が落ち着いて過ごせるクレートやベッドなどを用意しておくのも一つの方法です。
怖がっている犬を大声で叱っても、不安の原因そのものは解消されません。
要求鳴きには鳴いている最中に要求をかなえない
おやつや散歩などを要求して鳴いている場合は、ピーピー鳴いた直後に要求をかなえることを繰り返さないようにします。
「鳴いたら希望がかなった」という経験を積ませないことがポイントです。
家族によって対応が違うと犬も混乱するため、対応方法を家族で統一しておくとよいでしょう。
静かになったタイミングで褒める
要求鳴きへの対応では、「鳴いたことを叱る」だけではなく、望ましい行動を教えることも大切です。
例えば、一瞬でも静かになったら褒める、「おすわり」ができたらドアを開けるなど、鳴く代わりに何をすればよいのかを教えていきます。
「静かにすると良いことがある」と学習できるよう、落ち着いたタイミングを利用しましょう。
大声で叱ってやめさせない
ピーピー鳴きがうるさいからといって、大声で怒鳴ったり怖がらせたりして止めるのは避けたいところです。
不安から鳴いている犬の場合、さらに怖い経験を増やしてしまう可能性があります。
何度対応しても改善しない場合は、自己流で強く叱るのではなく、獣医師や犬の行動に詳しい専門家へ相談する方法もあります。
犬がピーピー鳴くときに病院へ行く目安

犬がピーピー鳴いていても、すべてが病気というわけではありません。
ただし、鳴き方だけでなく身体にも異変がある場合は、早めの受診を考えましょう。
突然ピーピー鳴き始めた
普段は鳴かない犬が突然鳴き始め、原因が分からない場合は注意します。
まず肉球や爪など、目で確認できる範囲に異常がないか見てください。
散歩中であれば、何かを踏んだり異物が付着したりしていないかも確認しましょう。
触ると痛がる・歩き方がおかしい
体の特定の場所へ触れたときだけ鳴く、足を引きずる、立ち上がりたがらないなどの場合は、痛みが関係している可能性があります。
椎間板ヘルニア、脱臼、肉球のケガなど原因はさまざまです。
無理に痛い場所を触ったり動かしたりせず、必要に応じて動物病院へ相談しましょう。

息が荒い・呼吸が苦しそう
運動直後や暑い場所では犬の呼吸が速くなることがあります。
一方で、安静にしているのに荒い呼吸が長く続く、苦しそうにしているといった場合には注意が必要です。
呼吸の異常を伴っている場合は、単なる甘え鳴きと判断せず動物病院へ相談してください。
嘔吐・下痢・食欲不振などを伴っている
ピーピー鳴くだけでなく、次のような変化がある場合も体調不良を疑います。
- 食欲がない
- 元気がない
- 嘔吐している
- 下痢をしている
- 排泄の様子がおかしい
複数の症状が同時に現れている場合や状態が悪化している場合は、早めに獣医師へ相談しましょう。
震えながら鳴き続けている
犬の震えには、寒さや恐怖・緊張などさまざまな原因があります。
しかし、震えながら鳴き続け、元気がない、痛がるなどほかの異常も見られる場合は、体調面も確認する必要があります。
判断に迷ったときは、可能であればピーピー鳴いている様子を動画に残しておくと、動物病院で状況を説明するときにも役立ちます。
子犬がピーピー鳴く場合はどうする?
迎えたばかりの子犬がピーピー鳴く場合も、まず理由を確認してから対応しましょう。
新しい家や環境への不安
子犬にとって、迎えられたばかりの家は知らない音やニオイばかりです。
それまで一緒にいた母犬やきょうだい犬と離れたことで、不安を感じて鳴くことも考えられます。
安心して休める場所を作り、新しい環境へ少しずつ慣れさせてあげましょう。
飼い主と離れる寂しさ
飼い主が見えなくなるたびに鳴く場合は、寂しさや不安が関係していることがあります。
ただし、鳴くたびにすぐ抱っこすることを繰り返すと、要求として定着する可能性もあります。
子犬の状態を確認しながら、一頭でも安心して過ごせる時間を少しずつ作っていきましょう。
トイレ・空腹などの要求を確認する
子犬が鳴いている場合は、最初から「要求鳴きだから無視」と決めつけないことも大切です。
トイレへ行きたい、お腹が空いている、暑い・寒いなど、生活上必要なことが満たされているか確認します。
特に幼い子犬は体調が変化しやすいため、元気や食欲なども合わせて見てください。
要求鳴きとの見分けが大切
生活上の問題がなく、特定の要求をするときだけ鳴いているのであれば、要求鳴きになっていないか確認します。
必要なお世話と「鳴けば何でも希望が通る」ことは分けて考えるのがポイントです。
シニア犬がピーピー鳴く場合は注意

高齢になってからピーピー鳴くことが増えた場合は、単なるわがままと決めつけないようにしましょう。
痛みや体調変化がないか確認する
年齢を重ねると、若いころにはなかった体の不調が現れることがあります。
立ち上がると鳴く、歩くと鳴く、夜になると落ち着かないなど、鳴くタイミングも観察してください。
食欲や排泄、睡眠などの変化も記録しておくとよいでしょう。
夜に鳴く・徘徊する場合は認知機能の変化も考える
シニア犬では、夜に鳴く、昼夜が逆転する、同じ場所を歩き続けるなど、加齢に伴う認知機能の変化が関係するケースもあります。
ただし、夜鳴きだけで認知症と判断することはできません。
痛みや排泄など別の原因も考えられるため、行動の変化が続く場合は獣医師へ相談しましょう。
鳴き方や行動が変わったら獣医師へ相談する
「年を取ったから仕方ない」と済ませず、以前と違う行動が目立つようになったら一度相談してみましょう。
鳴き始める時間、鳴いている長さ、食欲や排泄の変化などを記録し、動画も残しておくと説明しやすくなります。
犬がピーピー鳴くことについてよくある質問

最後に、犬のピーピー鳴きについて気になりやすいポイントをまとめます。
犬がピーピー鳴くのはどんな意味?
甘えや要求、不安・恐怖、興奮・期待、痛みや体調不良など、さまざまな意味が考えられます。
鳴き声だけでは判断できないため、鳴いている状況や表情、姿勢、体調などを一緒に確認しましょう。
犬がピーピー鳴くときは無視した方がいい?
すべて無視する必要はありません。
明らかな要求鳴きであれば、鳴いている最中に要求をかなえない対応が考えられます。
一方、不安・恐怖・痛み・体調不良などが疑われる場合は、原因を確認する必要があります。
犬がピーピー鳴くのがうるさいときはどうする?
まず、なぜ鳴いているのかを確認しましょう。
要求鳴きなら静かになったタイミングで褒め、不安なら原因となる刺激を減らすなど、理由に合わせて対応します。
大声で叱って一時的に黙らせることよりも、鳴いている原因へ対処することが大切です。
犬が突然ピーピー鳴くのは体調不良?
体調不良とは限りませんが、突然の変化には注意が必要です。
足や肉球の異物、ケガなども確認し、元気・食欲・呼吸・排泄・歩き方などに異常がないか観察してください。
ほかの症状を伴う場合や原因不明の状態が続く場合は、動物病院へ相談しましょう。
犬が飼い主を見ながらピーピー鳴くのはなぜ?
甘えたい、遊んでほしい、おやつが欲しいなど、飼い主へ何かを伝えようとしている可能性があります。
何をしているときに鳴くのかを観察すると、要求を判断しやすくなります。
ただし、飼い主を見ながら鳴くという行動だけで原因を断定することはできません。
夜にピーピー鳴くのはなぜ?
寂しさや不安、トイレ、物音、体調不良など複数の原因が考えられます。
シニア犬で夜鳴きや徘徊などの行動変化が続く場合には、加齢による変化も含めて獣医師へ相談するとよいでしょう。
犬がピーピー鳴く理由と対処法【まとめ】
犬がピーピー鳴く理由には、甘えや要求だけでなく、不安・恐怖、嬉しいときの興奮、痛みや体調不良などがあります。
大切なのは、「ピーピー鳴いたら無視」と一律に対応しないことです。
ごはんやおやつなどの要求鳴きなら、鳴いている最中に要求をかなえず、静かになったタイミングで褒める方法があります。
一方、震えている、触ると痛がる、歩き方がおかしい、元気や食欲がない、呼吸が苦しそうなどの異変がある場合は、甘えと決めつけず体調を確認してください。
犬がいつ、どんな状況でピーピー鳴くのかを観察すると、その子が伝えようとしていることも見つけやすくなります。
鳴き声を止めることだけを目的にするのではなく、なぜ鳴いているのかを理解して、その原因に合った対応をすることが大切です。