散歩をしていると、時々、足元で小さな高い音が聞こえてくることがあります。
そのうちリードの動きが止まったり、前足を乗せてきたりして、その高い音を出しているのがうちのワンコだということに気がつきます。
実はこのピーピー鳴く行為は、犬からのSOSである可能性が。
ずっと聞いているとうるさく感じるかもしれませんか、やめさせることを考えるより先に、ピーピー鳴く意味を知って愛犬の一大事を助けてあげましょう!
犬がピーピー鳴く意味は不安・不調・甘え
吠えたり唸ったりする時の犬は、要求や恐怖、怒りなどを感じていることがありますが、ピーピーという鼻鳴きのようなか細い声の時には、不安や不調を抱えていることが多いと言われています。
吠えたり唸ったりするよりも小さな声になってしまうのは
「不安で仕方ない」
「怖くて仕方ない」
「くるしいよ〜」
という状況で、自分で立ち向かう力が足りず
「たすけて!」と訴えているからではないかと考えられています。
また、甘えている時にも犬はピーピー鳴くことがあります。
「ごはんがほしいよ〜」「ボク(わたし)にもそのおやつ少しちょうだい」というような意味で訴えてきたりします。
犬がピーピー鳴くのはやめさせるより理解を
犬がか弱い声でピーピー鳴く時「吠える力や気力が出ない」ということを一番に考えてみるのはいかがでしょうか。
とにかく怖くて仕方がない「たすけて!」
普段、うちのワンコは、大きな犬が怖くてもピーピー鳴くことはありません。
私の横に立ち、必死になって吠えています。
これは、怖いけれど攻撃するだけの気力があるということですね。
でも家で主人が掃除機をかけると、私の前に張り付いてピーピー鳴きます。
犬は背後から襲われるのを防ぐため、安心できる仲間や飼い主にはお尻をくっつける習性があります。
うちのワンコは雷や花火の音も嫌いですが、この時はひとりで体を震わせているだけで私にくっついてはきません。
大きな犬より、雷や花火より、あちこち動き回る得体の知れない掃除機は不気味な存在なのかもしれませんね。
体調が悪くて声も出せない「くるしいよ」
恐怖とは違い、体調が悪くて動けない時にも犬がピーピー鳴くことがあります。
訴えるように見上げてくるようなことはないでしょうか。
そんな時は優しく体に触ってみると、もしかしたら痛いところ、不具合を感じているところがあるかもしれません。
異常がない場合には、内科的な不調も考えられます。
食欲、元気、排泄などを確認し、動物病院で診てもらうことも考えてみてはいかがでしょうか。
うちのワンコも、散歩の途中で突然座り込んでピーピー鳴いたことがありました。
夜だったので様子がわからずスリングに入れて帰ったのですか、家に着いてよく見てみたら後ろ足に大きなガムがくっついていました。
自分ではどうしようもなくて、鳴くしかなかったようです。
要求吠えに発展することも?!「ちょうだい」
少し注意が必要なのは、甘えでピーピー鳴く時です。
どこにも異常はなく、何かをおねだりしている甘えの場合には、常に要求を聞いているとやがて「要求吠え」に発展する可能性があります。
これは実際に里子を迎えた家であったことなのですか、70代のご夫婦が7歳のトイプードルを里子で迎えました。
初めの2週間ほどはとてもおとなしくて人懐っこい子でした。
寂しがる様子もなく溶け込んでいる姿を見て、飼い主さんも私たちも驚いていたのですか、ある時を境にピーピー鳴いて訴えるようになり、1ヶ月ほど経った頃には吠えて要求を伝える子になっていました。
どうやら飼い主さんは1日中一緒にいる生活の中で、その子の訴えにすべて付き合ってしまっていたようです。
甘えによってピーピー鳴いているかどうかを見極めるのは難しいことかもしれませんが、甘えの場合だけは毅然とした態度で向かい合うことも必要かもしれませんね。
犬がピーピー鳴く時は意味を考えて解決を
犬がピーピー鳴く時には必ず意味があります。
その意味を理解して解決することが、やめさせる近道になります。
もしもやめさせることを優先して「ダメ!」「おとなしくしなさい!」と怒ってしまうと、恐怖や不安、不調を抱えた犬は逃げ場を失ってしまいますよね。
大好きな飼い主さんの理解を得られないと、犬の心はとても傷ついてしまいます。
まずは鳴く意味を考え、それを解決することから始めてみてはいかがでしょうか。
恐怖や不安を感じている時
きっとピーピー鳴きながら飼い主さんにピッタリと体をくっつけているのではないかと思います。
犬はとてもとても怖いのです。
こんな時は「大丈夫だよ」と優しく声をかけ、寄り添ってあげてください。
我が家の場合、掃除機か問題になることが多いので、掃除は主人に任せて私はうちのワンコと散歩に出ることもあります。
掃除も大切ですから、こうして両者が困らないように工夫することも必要かな、と思います。
体調不良の時
体の異常を見つけた時は、できればすぐに病院で診てもらえると良いかと思います。
我が家のようにガムなどが付いていて不快だということであれば、取り除くことで解決できますが、内科的、外科的な問題になると専門的な知識が必要です。
ピーピーとしか鳴けないほどつらい状態なのは、問題が大きい可能性もあります。
早く解決してあげたいですね。
甘えで鳴く時
先ほどもお話ししたように、こちらは注意して対応したい状態です。
フードの量は適切でしょうか。
子犬の場合は成犬よりも多くの栄養を必要とするため、もしかしたら量が少なくてひもじい思いをしてはいないでしょうか。
まずは1日のフードの量を見直してみることをおすすめします。
フードに問題かなく単におやつがほしくてピーピー鳴く場合には「もう少し待とうね」などと低くゆっくりとした口調で声をかける、もしくは無視することも必要になります。
先ほどお話しした里子のトイプードルのように、犬も飼い主さんもお互いに相手の様子がわからなくて判断がつきにくいこともあるかもしれませんが、必要以上のフードやおやつは肥満の元になってしまいます。
また、ピーピー鳴けば要求が通ると学んでしまうと、犬はその行動を繰り返すようになります。
やがてピーピーがワンワン、ギャンギャンというように大きな声で吠えるようになることもあるので、小さな声でいるうちにやめさせるようにしたいですね。
まとめ
・犬がピーピー鳴くのは極度の恐怖・不安・不調であることが多い
・甘えでピーピー鳴くこともある
・ピーピーはやめさせるよりも意味を理解するよう意識して
・怒らずに問題解決を最優先にしてあげて
・フードをねだる甘えの時はフード量の確認も必要
・甘えはエスカレートさせず無視も必要な時がある
犬がピーピー鳴く時は、たいていの場合彼らにとってとても大きな問題があると考えられます。
怒ってやめさせる前に、その問題に向き合ってあげられることが解決につながるのではないでしょうか。
つらい気持ちを理解して、励ましたり寄り添ったりしてあげることか、犬には一番嬉しいことかもしれませんね。