「シーズーって飼いやすい？」「シーズーってどんな性格？」「頭は良いの？しつけやすい？」
そんな疑問を持つ飼い主さんも多いのではないでしょうか。
シーズーは穏やかで人懐っこく、飼い主への愛情がとても深い犬種です。
一方でマイペースで頑固な面もあり、しつけには少し根気が必要です。
この記事では、シーズーの性格と知能の関係を中心に、実際のエピソードを交えながら「賢さ」「愛情深さ」「しつけ方」まで詳しく紹介します。
シーズーの基本的な性格
シーズーは、穏やかで人懐っこい性格の持ち主です。
もともと人と寄り添うために飼われてきた犬種で、「番犬」や「狩猟犬」ではなく、人のそばで暮らすことが役割でした。
そのため、他の犬よりも人間への関心が強く、誰にでも愛想よく接する子が多いのが特徴です。
犬よりも人が好きな社交的タイプ
シーズーは、散歩中にほかの犬とすれ違ってもあまり興味を示さず、むしろ人間の方に寄って行くことが多いです。
近所の人や通りすがりの人に愛想よく尻尾を振る姿からも、「犬より人が好き」という傾向がよくわかります。
人の表情や声のトーンをよく観察し、相手が自分に優しくしてくれそうかどうかを敏感に感じ取るタイプです。
「待て」が得意な利口な一面
シーズーは食いしん坊な犬が多い一方で、「もらうまで待つ」ことができる落ち着きもあります。
飼い主の合図があるまでじっとお座りして待つ姿は、穏やかで我慢強い性格をよく表しています。
この「待てができる」という特徴は、しつけのベースになる部分でもあり、他の行動を教える際にも大きな強みになります。
飼い主に寄り添う愛情深さと甘えん坊気質
シーズーはとても愛情深く、家族の中でも特定の人に強くなつく傾向があります。
特に一番世話をしてくれる人にはベッタリで、他の家族では散歩に行かないこともあるほど。
この“ひとりに集中する愛情”は可愛らしい反面、依存しすぎて分離不安を起こすこともあるため、家族全員で接してバランスをとるのが理想です。
遊び好きでマイペースな性格も魅力
一見落ち着いて見えるシーズーですが、実は遊ぶことも大好き。
おもちゃを追いかけたり、草の上を跳ね回ったりと、無邪気な一面を見せます。
運動量は多くありませんが、短時間でも飼い主と一緒に遊ぶ時間が幸福感につながる犬種です。
このマイペースさと穏やかさが、シーズーの最大の魅力といえるでしょう。
シーズーは知能が低い・頭が悪い？
シーズーは一般的に知能レベルが高い犬種ではありませんが、それは「指示に従う賢さ」の話です。
もともと独立心が強く、頑固な一面があるため、訓練には時間がかかる傾向があります。
ただし、忠実で愛情深く、飼い主との関係を大切にする性格のため、基本的なしつけやコマンドには十分に反応します。
短期間での成果を求めず、褒めて伸ばす「ポジティブな強化法」で繰り返し教えることが効果的です。
シーズーは“従順な賢さ”よりも“人と寄り添う賢さ”を持つ犬種。愛情と根気をもって接すれば、理解力も育ち、信頼関係を深めることができます。
犬種別知能ランキングでの位置づけ
スタンレー・コレン博士による犬種別知能ランキングでは、シーズーは中〜下位グループに分類されています。
このランキングは「指示に対する理解力」「コマンドを覚えるまでの回数」「服従率」などを基準にしており、ボーダーコリーやプードルのような作業犬と比べると、シーズーはややマイペースな傾向を示します。
ただし、この結果は「従順さ」を重視した評価であり、シーズーのように独立心の強い犬種にとっては不利になりやすい側面もあります。
シーズーが見せる“違う賢さ”
シーズーは感情の読み取りや空気を察する能力に優れています。
飼い主の表情や声のトーンを敏感に感じ取り、叱られそうな場面や喜ばれる行動を直感的に理解して行動を変えることもあります。
つまり「指示に従う賢さ」よりも「人と共に暮らす賢さ」に長けたタイプなのです。
愛玩犬としての歴史が長く、家庭内で穏やかに暮らすための知能が発達しているとも言えるでしょう。
シーズーに合った知育トレーニング
シーズーの学習には遊びの要素を取り入れると効果的です。
知育玩具やおやつを使ったパズル型トイを活用し、遊びながら「待て」「探せ」「持ってきて」などの指示を学ばせることで集中力が伸びます。
また、難易度を少しずつ上げることで達成感を得られ、飽きやすい性格でも楽しみながらトレーニングを続けることができます。
しつけにおいても「遊びながら学ぶ」アプローチを意識するのがポイントです。
シーズーは飼いやすいの？
シーズーは飼いやすい犬種
シーズーは穏やかで吠えにくく、室内でも静かに過ごせる小型犬で非常に飼いやすい犬種と言えます。
一人暮らしやマンションでも飼いやすく、初めて犬を迎える人にも人気があります。
運動量は少なく、1日2回ほどの短い散歩で十分。
体力的な負担が少ないため、高齢の方にも向いています。
また、攻撃性がほとんどなく、来客にもフレンドリーに接することが多いのも魅力です。
一方で注意したいのが被毛のお手入れです。
シーズーの毛は長く密度が高いため、放っておくとすぐに絡まりやすくなります。
毎日の軽いブラッシングと、月1〜2回のトリミングを習慣にすることで清潔さを保てます。
毛のお手入れを怠ると皮膚トラブルの原因にもなるので、ここは「飼いやすさ」の中で最も注意が必要なポイントです。
初心者が気をつけたいポイント
被毛ケアのコツ
ブラッシングは毛並みに沿ってやさしく行いましょう。
毛玉ができやすい耳の裏や脚まわりは特に丁寧に。
嫌がる子には短めのカットスタイルにすることで、日々のケアをぐっと楽にできます。
ポジティブなしつけ
シーズーは褒められると伸びるタイプです。
叱るよりも「できた時に褒める」を徹底しましょう。
明るい声で声掛けをし、家族全員で同じルールを守ることが大切です。
運動と愛情のバランス
散歩や遊びの時間は短くてもOKですが、毎日欠かさないようにしましょう。
運動だけでなく、触れ合いや声かけも立派なコミュニケーションです。
“身体を動かす＋愛情を伝える”このバランスを意識すると、シーズーは安心して穏やかに過ごせます。
シーズーと子どもの相性
シーズーは基本的に温厚で、子どもとの相性も良い犬種です。
遊び相手としても優しく接することが多く、小さな子どもがいる家庭でも安心して飼えます。
ただし、触れ方には注意が必要です。
子どもがしつこく抱きついたり、急に大声を出したりすると、シーズーが驚いてしまうこともあります。
最初のうちは、必ず大人がそばで見守りながら関わらせましょう。
「優しくなでる」「しっぽを引っ張らない」など、基本的なマナーを教えることで、
お互いが安心して過ごせる関係を築くことができます。
シーズーのしつけ方法
しつけの注意点
穏やかで一貫性のあるトレーニング
シーズーは繊細な性格で、怒鳴ったり叱りつけたりすると心を閉ざしてしまいます。
トレーニングでは、穏やかに落ち着いた声で指示を出し、同じ言葉・態度を繰り返すことが大切です。
一度決めたルールを家族全員で守ることで、シーズーも安心して行動を学習できます。
ポジティブな強化法で楽しく覚えさせる
シーズーは褒められることが大好きな犬種です。
望ましい行動を見せたら、その都度「いい子だね」と声をかけたり、小さなおやつを与えましょう。
このようなポジティブな強化法を使うことで、しつけの効果が何倍にも高まります。
一方で、失敗しても叱らずスルーすることが大切。
成功したときだけ注目して褒めることで、自然と正しい行動を学んでいきます。
短い時間の反復練習が効果的
集中力が長く続かないシーズーにとって、1回の訓練時間は10〜15分が理想です。
短い時間で楽しく終えることで、次も自発的にトレーニングに取り組むようになります。
「できた！」という小さな成功体験を積み重ねることで、理解が深まり、しつけもスムーズになります。
信頼関係を深めるコツ
シーズーは愛情深く、飼い主との絆を何よりも大切にする犬種です。
信頼関係を築くには、厳しいしつけよりも「日々のふれあい」を重ねることが一番の近道。
穏やかな時間を共有し、褒めて触れ合うことで、自然と心を通わせられます。
愛情と根気を持って接する
シーズーは理解に時間がかかることもありますが、焦らず穏やかに向き合うことが大切です。
何度教えても失敗する時こそ、飼い主の忍耐が試されます。
怒るのではなく、できた時にしっかり褒めることで「頑張ったら認めてもらえる」と学びます。
この積み重ねが信頼関係の土台になります。
日常の遊びや散歩もトレーニングの一部に
シーズーは遊びを通して学ぶタイプです。
おもちゃ遊びや散歩の中で「おいで」「待て」などのコマンドを自然に取り入れると、しつけとコミュニケーションの両方を楽しめます。
遊びながら褒めることで、飼い主との時間を「嬉しいもの」と感じてくれるようになります。
家族全員で接して“依存しすぎ”を防ぐ
シーズーは一人の飼い主に強く依存する傾向があります。
特定の人だけに懐くと、留守番が苦手になったり、他の家族との距離ができてしまうことも。
日常の世話や散歩を家族で分担し、「みんなが自分の家族」という安心感を持たせることが大切です。
シーズーはどんな人に向いている？
シーズーは穏やかで落ち着いた性格をしており、初めて犬を飼う人や高齢者にも人気の高い犬種です。
無駄吠えが少なく、激しい運動を必要としないため、室内で静かに過ごしたい家庭にも向いています。
ここでは、どんな人がシーズーと相性が良いのかを見ていきましょう。
高齢者にも優しい穏やかさ
シーズーは歩くスピードを自然に飼い主に合わせることができる犬種です。
そのため、高齢の方が散歩しても引っ張られることが少なく、安心して一緒に歩けます。
静かな環境を好み、飼い主のペースを尊重する姿勢は、まさに“思いやりのあるパートナー”。
日々の会話やスキンシップがシーズーの喜びにつながり、穏やかな癒しの時間を与えてくれます。
初心者でも飼いやすい性格
シーズーは温厚で攻撃性が少なく、しつけにも暴れたり反抗したりすることがあまりありません。
小型犬の中では比較的落ち着きがあり、初めて犬を迎える人にも扱いやすいタイプです。
しつけのポイントさえ押さえれば、初心者でも問題なく良好な関係を築けます。
子どもや他犬との相性の考え方
シーズーは基本的に穏やかで友好的ですが、マイペースな一面もあります。
子どもがしつこく構いすぎるとストレスを感じてしまうこともあるため、最初は距離感を大切にして見守りましょう。
また、他の犬ともうまくやっていける性格ですが、無理に群れに入れるよりも、自分のペースで関われる環境が理想です。
まとめ：性格と知能は“人に寄り添う賢さ”につながる
シーズーは、指示にすぐ従うタイプの賢さではなく、人の気持ちを理解して寄り添う賢さを持った犬です。
穏やかで優しく、どんな人にも安心感を与えてくれる存在。
その性格と知能が合わさることで、「家庭で最も人に寄り添う犬」と言っても過言ではありません。
しつけには時間がかかるかもしれませんが、焦らず褒めながら教えることで、着実に成長していきます。
日常の小さな成功を積み重ねるうちに、飼い主との信頼関係はどんどん深まっていくでしょう。
シーズーは決して“頭が悪い犬”ではありません。
その穏やかさと優しさこそが、シーズーの本当の賢さなのです。
愛情をかけた分だけ応えてくれる――それがこの犬種の最大の魅力です。
