
フクロウといえば「ホーホー」と鳴くイメージですが、実際には地域や状況によって驚くほど多彩な鳴き声を出します。
本記事ではフクロウが鳴く理由や鳴き声の種類、雛や昼間の声、そして飼育時の騒音対策まで解説します。
自然観察や飼育の参考にぜひご覧ください。
フクロウにはどんな鳴き方があるの?

ゴロスケホッホー
フクロウのさえずりはだいたいこのように聞こえ性別によって声が違います。
オスは透き通ったよく通る声色で鳴くのに対しメスは低く掠れたあまり響かない声で鳴きます。
何故かというとオスには喉袋というメスにはない特殊な部分があるためです。
オスはこれのお陰で声を2km先まで響かせることが出来ます。
「ホッホッホッホホホホホ…」、「ギャーッ!」
この鳴き方は地鳴きと言って、鳥が普段出している地声のことです。
主にフクロウの間でされる会話で使われます。
オスは「ホッホッホ」、メスは「ギャーッ!」と鳴きます。
知らずに聞いたら怖いですね。
「ワンワン」
これはフクロウたちが威嚇するときに出す声です。
意外な鳴き方をしますよね、知らない人もそんなにいないと思うので「フクロウの威嚇ってワンワンって言うんだぜ!」と自慢してみましょう。
フクロウの鳴き声の理由

フクロウが鳴く理由として考えられるのは餌が欲しいという意味の餌鳴き、発情期によるアピールの求婚、これ以上やったら攻撃するぞという意味の威嚇。
この3つが理由として挙げられます。
餌泣き
まず一つ目の餌鳴き。
これはその名前のとおりフクロウが親に向かって「ご飯くれー!」とおねだりしているときに出す声です。
本来なら大人になるにつれ、自分でご飯を取れるようになるため出さなくなる声なのですが、人間に飼われているフクロウは自分で取ることがないので精神的に親離れせず餌鳴きをするようです。
中には精神的にも自立して餌鳴きをしなくなる子もいるようです。
その場合は親子としてではなく、パートナーとして関係を築いていきましょう。
求婚
次に二つ目、発情期のフクロウが求婚をしているから。
フクロウの求愛行動は鳴いてアピールすることです。
この場合の鳴き声は女性の叫び声のように聞こえるため、襲われているのでは!?と勘違いする人もいるそうです。
通報されないようにしたいですね。
威嚇
最後の三つ目は威嚇しているから。
動物たちが威嚇をするのは「これ以上近づいてきたりするなら本気で攻撃するからな」という最終警告の意味があります。
そもそも自然界で生きる動物たちはなるべく喧嘩をしたくありません。
何故かというと怪我し、そのまま命を落とす可能性があるからです。
好んで喧嘩をするのは人間ぐらいでしょう。
なので威嚇を無視した場合攻撃されること間違い無しなので、威嚇されたら今していることを即座に止めることをオススメします。
フクロウの鳴き声にまつわる豆知識

フクロウの鳴き声は地域で違う?
実はフクロウの鳴き声は地域によって微妙に違います。
日本でも「ゴロスケホッホー」と聞こえる地域もあれば、「ホーホー」としか聞こえない地域もあります。
これには山の地形や音の反響の仕方が関係しているとされ、人の耳に届くときに少し違って聞こえるのです。
そのため、昔から地域ごとに異なる「鳴き声の聞き取り方」が民話や言い伝えに残っています。
フクロウの鳴き声と縁起
日本ではフクロウの鳴き声は縁起物として扱われることもあります。
「不苦労(苦労しない)」や「福来郎(福が来る)」といった当て字が広まり、夜に鳴き声を聞くと「幸運の知らせ」と信じる人もいます。
反対に、昔は夜中に女性の悲鳴のように聞こえる声から「妖怪や不吉の前触れ」と恐れられてきた地域もあり、鳴き声ひとつで良くも悪くも人々の想像を掻き立ててきました。
鳴き声でフクロウを見分けられる?
フクロウの種類ごとに鳴き声の特徴が異なります。
たとえば、シマフクロウは太く長い「ホッホー」という声で鳴き、アオバズクは「ホッホー ホッホー」とリズムよく繰り返します。
野鳥観察では姿を見つけにくい夜行性の鳥でも、鳴き声を頼りに種類を判別することが可能です。
鳴き声を聞き分けることは、バードウォッチングの楽しみのひとつと言えるでしょう。
フクロウが鳴かないようにするには

結論から言ってしまうと完全に鳴かせないというのは無理です。
威嚇や地鳴きはなんとかなるかもしれないですが、餌鳴きや発情期によるものは回避出来ないでしょう。
なので騒音対策は防音材を設置したり、怒らせないようにしたりと人間の方が工夫してあげる必要があります。
フクロウの鳴き声の理由【まとめ】
フクロウの鳴き声は餌鳴き・求婚・威嚇・会話など多くの意味を持っています。
完全に鳴き止ませることは不可能ですが、声の意味を理解することで騒音対策も可能です。
鳴き声を「不便」ではなく「コミュニケーション」と捉えることで、フクロウとの距離がぐっと近づくでしょう。