
ウラルフクロウは「森の賢者」とも呼ばれる美しいフクロウで、日本にも分布する馴染み深い種類です。
しかし値段は高額で、寿命も20年以上と長いため、軽い気持ちで飼うことはできません。
本記事では値段や性格、飼育方法に加え、ペットとして迎える際に注意すべきポイントまで詳しく解説します。
ウラルフクロウの生態
それではまず最初にこのウラルフクロウは一体どんなところに生息し、どんな生活をしているのかなど、生態について知っていきましょう。
生息地
生息地はヨーロッパのノルウェーやフィンランドがある寒いスカンディナビア半島から日本にかけてユーラシア大陸を横切るような感じで分布しています。
基本的寒いところに住んでいるようですね。
また日本だと九州の北の方、四国、本州、北海道にいます。
また大木がある社寺林や公園で見かけることもあるとかないとか…。

飼いたいからといって勝手に捕獲してしまうのはワシントン条約に引っかかるので絶対にしてはいけません。
またウラルフクロウは他のフクロウと同じく夜行性で昼間は木の枝などに止まり寝ていたり休んでいることがほとんどです。
餌について
ウラルフクロウは肉食でネズミなどの小さい哺乳類や鳥の雛などをよく食べています。
しかし同じ肉食のライオンやオオカミは鋭い歯が生えていますが、フクロウに生えていません。
なので食事をするときは足で獲物を押さえつけ、くちばしでついばみ、自分が一口で丸呑みできる大きさに引きちぎって丸呑みします。

産卵と子育て
3月~4月頃になると野生のウラルフクロウは木の穴の中(樹洞)に巣を作って卵を産み、子育てを始めます。
雛は約1ヶ月で巣立ち、そのあと親と狩りの練習や飛行訓練を終え、独り立ちしていきます。
産まれてからだいたい1ヶ月で親から離れ、その後は自分の力のみで生きていく,,,凄いですよね、私なら心細くてやっていけなさそうです。
鳴き声
鳴き声の特徴
ウラルフクロウは「ホーホー」「ホッホー」という低く響く声で鳴くのが特徴です。
オスはよく通る大きな声で、メスはややかすれた声色で鳴きます。
繁殖期になると特に鳴き声が増え、縄張りを主張したりパートナーとコミュニケーションを取ったりします。
日本の森の夜に響く「フクロウの声」として、多くの人が耳にしたことがあるのはこのウラルフクロウの鳴き声です。

鳴く理由
主な理由は縄張りの防衛と繁殖行動です。
オスは自分のテリトリーに他のフクロウが侵入しないように鳴き、メスを呼ぶときも鳴き声を使います。
また雛が親を呼ぶときも「ピィー」と高い声を出すことがあります。
鳴き声は単なる音ではなく、生活に欠かせない大切なコミュニケーション手段です。
飼育下での鳴き声
ペットとして飼う場合でも夜間に鳴くことがあります。
静かな住宅街ではかなり響くため、防音対策をしていないと近隣トラブルになる可能性があります。
人に慣れた個体は鳴き声が少ないこともありますが、基本的に鳴き声を止めることはできません。
そのため、ウラルフクロウを迎える前に「夜鳴き」に耐えられる環境かどうかをしっかり確認する必要があります。
性格

図鑑などでは「攻撃的」や「警戒心が強い」などと紹介されていることが多いウラルフクロウですが、人懐っこい子もいたり様々で一概に決め付けることは出来ません。
例えばねこちゃんでもお迎えしたところからはさみしがり屋と言われていたけどいざ一緒に住んでみたらけっこうツンツンしていたりとわからないものです。
どんな性格でも大丈夫!という人に飼うことをオススメします。
ウラルフクロウをペットにする際の注意点

飼育に必要な設備や環境
ウラルフクロウは体長50cmを超える大型のフクロウで、広いスペースが必須です。
一般的な小型ケージでは羽ばたきができずストレスになるため、最低でも人が入れるほどの大型ケージや専用のフライトケージを用意しましょう。
止まり木は自然木を使い、爪や足裏に負担がかからない工夫が必要です。
さらに夜行性なので昼間は静かに休める環境を整えてあげなければなりません。
都市部のマンションなどでは難しい点が多いのが実情です。
ウラルフクロウの飼育での餌の与え方
飼育下のウラルフクロウには、野生と同じように肉を中心とした餌を与えます。
一般的にはウズラやヒヨコ、マウス(冷凍個体を解凍したもの)などをそのまま与えるのが基本です。
栄養バランスを保つため、内臓や骨ごと食べられる餌をローテーションして用意するとよいでしょう。
切り身肉など加工された肉だけでは栄養が偏りやすく、長期的には健康を損なう原因になります。
与える頻度は個体の大きさや年齢により異なりますが、1日1回~2日に1回程度が目安です。
ウラルフクロウ飼育の温度・湿度
ウラルフクロウは寒冷地に広く分布しているため、暑さに弱い傾向があります。
夏場の高温多湿の日本では特に熱中症対策が重要で、室温は20℃前後を保ち、30℃を超えないように注意が必要です。湿度は40~60%を目安にするとよいでしょう。
エアコンや除湿機を併用して快適な環境を維持することが大切です。
冬場は氷点下でも耐えられますが、急激な温度変化は避けるようにしてください。
ウラルフクロウのケージ
ウラルフクロウは体長50cmを超える大型のフクロウなので、十分な広さを確保できるケージが必須です。
翼を大きく広げても羽がぶつからないよう、最低でも横幅2m以上、高さ2m以上の大型ケージやフライトケージを用意しましょう。
止まり木は複数配置し、太さや高さを変えることで足への負担を軽減できます。
また、掃除しやすい構造にして糞や食べ残しを毎日取り除くことが衛生管理のポイントです。
騒音や近隣への配慮
ウラルフクロウは夜になると「ホーホー」と大きな声で鳴くことがあります。
近隣住宅との距離が近い環境では苦情の原因になることも珍しくありません。
フクロウカフェや専門施設で体験してから、自宅での生活音に耐えられるかを事前に確認しておくことをおすすめします。
鳴き声対策として遮音性の高い飼育部屋を用意する飼い主もいるほどです。

法律や飼養許可について
ウラルフクロウはワシントン条約附属書Ⅱに記載されているため、個人での飼育にも輸入証明書や登録票が必要です。
販売店やブリーダーから購入する際には必ず適切な書類がついているか確認しましょう。
無許可の個体を飼育すると法律違反となり、処罰の対象となります。
また自治体によっては「特定動物」扱いになる場合もあり、事前に役所への確認が欠かせません。
ウラルフクロウの値段や入手場所、寿命
ウラルフクロウの値段は約50万円ぐらいですがやはり模様などの要素によって値段が高くなったり、逆に低くなったり変動するようです。
主に猛禽類の専門店やブリーダーさんから購入できます。
また数も少ないので「この子だ!」と思ったらすぐに購入した方がいいでしょう。
しかしそんなことをしていいのは約20年も生きるウラルフクロウを生涯亡くなるまで傍に居てあげられるという自信と覚悟がある人のみですよ。
ウラルフクロウの値段や生体について【まとめ】
ウラルフクロウは約50万円と高価で、寿命も20年以上あるため一生のパートナーになる覚悟が必要です。
飼育には広いスペースや防音対策、さらに法律面での確認も欠かせません。
この記事を参考に、迎える前にしっかりと準備を整えてあげてください。