犬が自分の手をなめる5つの理由とは?やめさせる方法も解説!

犬が自分の手をなめることがありませんか?

うちのワンコも、おとなしいなぁと思って見てみると、熱心に自分の手をペロペロなめていることがあります。

右手をなめているかと思えば、今度は左手。

一体なぜ、犬は自分の手をなめるのでしょうか。

犬が自分の手をなめる理由とやめさせる方法についてご紹介します。

犬が自分の手をなめる代表的な5つの理由

犬が習慣的に自分の手をなめる理由はいくつかあります。

代表的な理由5つをご紹介します。

*飼い主さんにかまってほしい
*なめることがクセになっている
*ストレスを抱えている
*痛いところや気になるところがある
*栄養不足

上の2つは私が獣医さんに聞いた、なめる理由です。

初めは私に対してのアピールだっただけなのに、そのうち自分の手をなめることが習慣になってしまったのかもしれません。

知り合いのマルチーズの女の子はとても活発で走り回ることが大好きなのですが、飼い主さんが高齢であるため、公園の草むらや土のところを走り回った後に洗ってあげることができないという理由で、遊ばせることをやめさせてしまいました。

その子は、飼い主さんとグラウンドの外側を歩いたり抱っこされてベンチに座っていたりするようになりました。

すると自分の手をなめるようになってしまいました。

これはストレスが原因です。

やりたいことが叶わない気持ちを発散するために、自分の手をなめているのだと考えられます。

クセでもアピールでもなく、ストレスを感じてもいないはずなのに、突然自分の手をペロペロし始めてしまうこともあります。

この場合は、もしかしたら手に何か不快なことがあるのかもしれません。

肉球の間に何かが挟まっていないでしょうか?

また、手を触ると痛がって鳴いたりしないでしょうか?

痛みを抑えるためになめているような場合は、早めに動物病院で診察を受けてくださいね。

そして意外なのが、栄養不足による理由です。

これは主にミネラル不足が原因になりやすいと言われています。

ミネラルが不足すると、犬は自分の肉球から分泌される汗に似た成分をなめてそれを補おうとします。

塩分不足になると自分のオシッコや排泄器官をなめる犬がいますが、それと似た理由で自分の手をなめることもあるのです。

犬が自分の手をなめると起こる困ったこと

犬が自分の手をなめるのは必ず理由があるため、放置しておくと悪化する可能性があります。

自分の手をなめるだけでは解決できなくなった場合、さらにひどい問題行動に発展したり、病状が悪化したりすることもあるようです。

毛が変色することも

なめたところが赤茶色に変色して見た目が悪くなってしまうこともあります。

先ほどのマルチーズの女の子も、気づくと足先がくっきりと赤茶色になっていました。

さらに、それを治そうと、飼い主さんが足をアルコールで拭いてしまい、獣医さんにきつく注意されたと話していました。

人間だと除菌や消毒が当たり前になってきていますが、自分の判断で犬にアルコールを使うのはとても危険です。

私も昔、涙やけでトリマーさんに相談したことがあるのですが、変色した毛はカットするしか対処法がないそうです。

変色させないことが一番の対処法だということですね。

ハゲができてしまうこともある

自分の手をなめすぎて、前足の先端がハゲてしまった柴犬もいます。

飼い主さんのお話では、日中は留守番なのに、家族が帰宅した途端必要以上にかまってしまったことが原因によるストレスだということでした。

変色だけでなく、こうして自分で自分の毛を食いちぎってしまうこともあるので早めの対策が必要です。

自分の手をなめるのをやめさせる方法

変色したりハゲてしまったりする前に、なめることをやめさせたいですよね。

それにはまず「なぜ自分の手をなめるのか」を知る必要があります。

そして「その原因を取り除く」ことが大切です。

なめている犬に「ダメ!」と叱れば、一時的にはなめるのをやめるかもしれませんが、根本的な解決にはならず、さまざまな原因を悪化させてしまうこともあります。

具体的にどのような解決策があるのか、実際の例を参考にご紹介したいと思います。

思うように遊べないマルチーズのマルちゃん

先ほどお話しした、グラウンドで遊べなくなったことが原因で自分の手をなめるようになってしまったマルちゃん。

飼い主さんが高齢の一人暮らしで、最近腕の手術も受けたので余計に手が動かせなくなってしまいました。

でも飼い主さんはマルちゃんを載せて歩けるカートを購入し、自分の杖代わりにして散歩することで、マルちゃんが好きな少し遠くの商店街へ朝晩散歩に出ることにしました。

商店街の人たちにかわいがってもらいながら、飼い主さんと牛乳を半分こして飲むのが日課になってから、マルちゃんの手はきれいになってきました。

手が不自由になってマルちゃんにかわいそうな思いをさせていると自覚した飼い主さんは、違う楽しみをマルちゃんに提供することで、解決の糸口が見えてきたようです。

手をなめて毛をむしり取ってしまった柴犬の柴ちゃん

こちらも先ほどお話しした柴犬です。

家族からの愛情が重荷になってしまった柴ちゃんは、お母さんが犬の問題行動に詳しい心療内科に連れて行き、カウンセリングを受けることになりました。

とはいえ、犬が相手のカウンセリングは飼い主さんが受けるため、2時間みっちりと普段の生活を聞かれたそうです。

その中で浮かび上がったのが、留守番の静けさと家族の愛情の差が激しすぎるという問題でした。

まずは飼い主さんたち家族の態度を改めて様子を見ることになったそうです。

病院での適切な治療と家族の接し方を見直したおかげで、柴ちゃんは徐々に落ち着きを取り戻しつつあります。

お母さんもホッと胸をなでおろしました。

なめる前に声を掛ける・痛みに気づく

我が家の場合は、かまってほしいといううちのワンコの声を獣医さんから聞き、私が家事をしている時などは小まめに声を掛けるようにしました。

ずっと一緒に暮らしていると「あそびたい」という時のうちのワンコの行動がわかるようになってきます。

そんな時は少し家事を休んで短い時間でも付き合うようにすると満足するらしく、すぐに手をなめなくなりました。

また、手ではなく前足の付け根をなめることもあったのですが、トリマーさんから「洋服やハーネスを着ける子はワキに毛玉ができやすい」と言われたのをきっかけに注意するようにしました。

なるほど、たしかにコームが引っかかってほぐれません。

強く引っ張れば痛がるし、どうやらなめていたのは毛が引っ張って痛かったからだったようです。

今では1日1回はブラッシングしてワキの辺りの毛をほぐすようにしています。

フードの見直しも考えてみる

もしも思い当たる原因がない時は、初めにお話しした栄養の問題に目を向けてみるのも、ひとつの方法です。

今あげているフードは愛犬の体に合ったものでしょうか。

高いフードを買いましょう! と言うつもりはないのですが、添加物や穀物が多いフードでは、必要な栄養が入っていたとしても消化がうまくいかない体質の子もいます。

愛犬のお腹の調子や皮膚や毛の状態などをよく観察して、一度フードを見直してみるのも良いかもしれません。

まとめ

犬が自分の手をなめる5つの理由は

*飼い主さんにかまってほしい
*なめることがクセになっている
*ストレスを抱えている
*痛いところや気になるところがある
*栄養不足

自分の手をなめるのをやめさせるには、原因を知り解決することが一番の近道です。

犬は人間のように言葉で自分の気持ちを伝えることができず、不満があっても自分で解決しようと、ほかの行動を取ることが多くあります。

そしてそのほとんどが飼い主さんから見ると「やめて!」と言いたくなるようなことばかりです。

でもそこで怒ってやめさせると、犬の気持ちはどんどん沈むばかりです。

なぜこんな行動を取るのか、何が原因なのか、一度きちんと愛犬と向き合い、考えてみましょう。

ほんの少し飼い主さんが変わるだけで、愛犬の気持ちは明るくなります。

犬は素直な性格です。

優しい気持ちで手をなめる愛犬に接してあげてくださいね。