
ダルメシアンは、引き締まった筋肉とエネルギッシュな性格が魅力の犬種です。
しかしその分、食事内容によっては体調を崩しやすく、アレルギーや尿路結石のトラブルも起きやすいことで知られています。
この記事では、ダルメシアンに合う餌の選び方・おすすめ食材・与える量や頻度の目安をわかりやすく解説します。
これから飼う方も、すでに一緒に暮らしている方も、愛犬の健康維持に役立ててくださいね。

ダルメシアンに合う餌とは?

ダルメシアンは、引き締まった筋肉と高い運動能力を持つ犬種です。]
そのため、筋肉を維持できる高タンパク質の食事が基本となります。
ただし、他の大型犬とは違い「プリン体」に注意が必要です。
プリン体を多く含む食材(レバーや内臓系の肉など)を多く摂ると、体内で尿酸が増え、尿路結石の原因になることがあります。
ダルメシアンは生まれつき尿酸をうまく分解できない体質を持つため、食事内容が直接健康に影響するのです。
そのため、餌を選ぶときは次のようなポイントを意識しましょう。
- 高タンパク(動物性たんぱく質)であること
- プリン体が少ない原材料(鶏むね肉・白身魚など)を使っていること
- 穀物や脂質が少なめであること
また、食後すぐの激しい運動は胃捻転を起こす可能性があるため、食事の前後はしっかりと休ませることも大切です。
「質の良い餌+食事のタイミング管理」が、ダルメシアンの健康を守る第一歩になります。
ダルメシアンがかかりやすい病気と餌の関係

ダルメシアンが特に注意すべき病気は、尿路結石(尿酸結石)です。
これは、食事に含まれる「プリン体」が体内で尿酸に変わり、それがうまく排出されずに結晶化することで起こります。
人間でも痛風の原因となるこの「尿酸」ですが、ダルメシアンは他の犬種と違い、尿酸をうまく分解できない遺伝的体質を持っています。
そのため、食事内容が直接リスクに関わるのです。
避けるべき食材
避けたい食材には、レバー・砂肝・心臓・アンチョビ・サバ・いわしなどの内臓や青魚があります。
これらはプリン体が多く、頻繁に与えると尿酸値が上がってしまいます。
おすすめの食材
逆に、良い食材としては、鶏むね肉・白身魚・豆腐・野菜類などが挙げられます。
また、水分をしっかり摂ることも重要です。
結石は尿が濃くなることで作られやすくなるため、常に新鮮な水を飲める環境を整えましょう。
ドライフードを与える場合でも、時々ウェットタイプを混ぜるなどして水分摂取量を増やしてあげるのもおすすめです。
このように、ダルメシアンは体質的に「食事と病気が直結する犬種」なので、日々の食事管理が健康寿命を大きく左右します。
ダルメシアンにおすすめのフードと食材例
ダルメシアンには、「高たんぱくで低プリン体、かつ消化の良い食事」が理想です。
フードを選ぶときは、原材料欄をしっかり確認しましょう。
たんぱく源として鶏肉・ターキー・白身魚が使われているものが最もおすすめです。
最近は「尿路結石予防」や「低プリン体」をうたうフードも多く販売されています。
人工添加物や着色料を使っていないものを選ぶと、長期的にも安心です。
市販ドッグフードで選ぶなら

・ヒルズ プリスクリプション・ダイエットu/d:尿酸結石対策の定番
・ロイヤルカナン pHコントロールシリーズ:尿のpHバランス維持に特化
・モグワン/カナガン:高たんぱくでヒューマングレード原料使用(一般食向け)
これらは動物病院でも推奨されているため、結石予防と栄養管理の両立に適しています。
手作り食に使える食材

手作り派の飼い主さんは、以下のような組み合わせがおすすめです。
- 主食:鶏むね肉・白身魚(タラ・スズキ)
- 炭水化物:さつまいも・かぼちゃ・ごはん少量
- 野菜:ブロッコリー・にんじん・小松菜
調味料は一切不要で、ゆでる・蒸す程度のシンプル調理が基本です。
ただし、カルシウムやビタミンを補うために、サプリや卵殻パウダーを加えると栄養バランスが整います。
注意したい食材

- レバーや内臓系(プリン体が多い)
- チーズ・ベーコンなど塩分の多い加工食品
- 高脂肪の霜降り肉や脂身部分
一見「栄養がありそう」と思える食材でも、ダルメシアンには負担になることがあります。
体質に合ったフードを選び、定期的に尿検査で状態を確認すると安心です。
餌の量と与える頻度の目安

ダルメシアンの餌の量は、年齢・体重・運動量によって変わります。
筋肉質で運動好きな犬種のため、見た目よりもカロリーを消費しやすいのが特徴です。
子犬期(〜12ヶ月)
成長スピードが速い時期なので、栄養価の高いフードを少量ずつ、1日3〜4回に分けて与えます。
この時期は「成長用(パピー用)」フードを選び、タンパク質30%前後のものが理想です。
目安としては、体重1kgあたり約90〜100kcal/日を基準に考えると良いでしょう。
成犬期(1〜7歳)
運動量や体格によりますが、成犬ダルメシアン(25〜30kg前後)なら、1日2回に分けて約300〜400g前後のドライフードが目安です。
散歩量が多い場合はやや多めに、室内で過ごす時間が多い場合は少なめに調整します。
また、食後すぐの運動は胃捻転を起こす危険があるため、食後30分〜1時間は安静にさせましょう。
反対に、空腹状態で激しく遊ぶのも胃への負担になるので、朝・夕の2食が最も安定したリズムです。
シニア期(8歳〜)
代謝が落ち、運動量も減るため、若い頃と同じ量を与えていると肥満の原因になります。
シニア専用フードに切り替え、タンパク質をやや控えめに、消化吸収の良いものを選びましょう。
1日の目安カロリーは体重1kgあたり約70kcalほどが適正です。
食事量の調整で迷ったら、肋骨に軽く触れて骨が感じられる程度を目安にするのがおすすめです。
骨が浮き出るほどなら不足、まったく触れないほどなら食べ過ぎと判断できます。
食欲がない・食べ過ぎるときの対処法
ダルメシアンは活発な性格ですが、環境の変化やストレスで急に食欲が落ちることがあります。
反対に、退屈や運動不足からつい食べ過ぎてしまうケースも少なくありません。
それぞれの原因と対処法を見ていきましょう。
食欲がないとき

まず疑うべきは「体調不良」です。
元気がなく、水も飲まないようなら早めに動物病院を受診しましょう。
体調に問題がなさそうな場合は、
・フードが酸化していないか(開封後1ヶ月以上経っていないか)
・気温や湿度が高すぎないか
・同じ味に飽きていないか
を確認してみてください。
ダルメシアンは嗅覚が鋭いため、少しでもフードのにおいが変化すると口をつけないことがあります。
そんなときは、低脂肪の鶏ささみやゆで野菜をトッピングしてみると食欲が戻ることがあります。
ただし味付けは不要で、ほんの少量にとどめましょう。
食べ過ぎるとき

ダルメシアンは食欲旺盛な犬種でもあります。
ドライフードを多く与えすぎると肥満だけでなく、尿路結石のリスクも高まります。
早食いの癖がある場合は、早食い防止皿や食器スタンドを使うと効果的です。
また、「おやつでカロリーオーバー」になるパターンも多いため、1日の総カロリーに含めて計算しましょう。
おやつを与えるなら、低脂肪・無添加のジャーキーやドライ野菜がおすすめです。
食欲の変化は健康状態のサインでもあります。
「いつもと違うな」と感じたときは、無理に食べさせず、原因を観察してから対処するようにしてください。
まとめ
ダルメシアンはスタミナと筋肉量に恵まれた犬種ですが、尿酸を分解する能力が弱く、食事内容が健康を左右する犬でもあります。
餌選びでは、
・高たんぱくで低プリン体
・鶏むね肉や白身魚などの消化の良い素材
・水分をしっかり摂れるフード構成
を意識することが大切です。
レバーや内臓、青魚などは結石を招く原因になるため、避けましょう。
また、ドライフードだけに偏らず、時々ウェットタイプやトッピングで水分と栄養のバランスを取るのも効果的です。
体調や食欲の変化に敏感に気づき、日々の食事を見直すことで、ダルメシアンはより健康で長生きできます。
「何を食べるか」だけでなく、「どう与えるか」も、愛犬の元気を守るポイントです。