
警察犬といえばシェパードの印象が強いですが、近年ではダルメシアンも活躍の場を広げています。
なぜ彼らが警察犬に選ばれるのか?
その理由や訓練方法、一般家庭の愛犬でも目指せる「嘱託警察犬」への道をわかりやすく解説します。

どんな犬が警察犬に選ばれるの?
警察犬は、初めから警察で訓練されて、警察もしくは訓練所で暮らす「直轄警察犬」と、普段は一般の家庭でペットとして暮らし、事件や事故の時に出動する「嘱託警察犬」の2種類があります。
嘱託警察犬の場合、小型犬のトイプードルやチワワなども認められているので、犬種のバリエーションは広くなっています。
警察犬の仕事はどんなもの?

警察犬は、行方不明者や事件のカギを握る匂いを追跡するなどの、人間の能力を超えた嗅覚を使うことや、一見して大きくて怖そうな外見を利用して、監視役として護送に付き添うことがあります。
たくさんの匂いに惑わされず、一つの匂いを追い続ける集中力や、常に落ち着いて行動し、怪しい動きにはいち早く反応する能力も必要です。
どうしたらペットを警察犬にできるの?

毎年行われる、都道府県別の審査会で審査を受けます。
審査基準は都道府県によって違いがありますし、審査員が変わることでも基準が変わってしまうということなので、あらかじめ調べてから審査に臨むのが良いでしょう。
大まかな審査項目としては、足あとなどの匂いからターゲットにたどり着けるか、たくさんの犬がいる中にいても、指導者のコマンドを的確に実行する冷静さがあるかなどを審査されます。
必要な時にターゲットを威嚇できるようなことも求められます。
ダルメシアンが警察犬に選ばれる理由
賢さと従順さ

ダルメシアンは学習能力が高く、子犬のうちから訓練を始めれば短期間で多くのコマンドを理解します。
賢さに加え、「主人」と認めた相手に強い忠誠心を示し、常にそばにいたがる甘えん坊な一面も。
こうした知性と従順さのバランスが、警察犬としての素質を高めています。
優れた運動能力と追跡力

ダルメシアンは俊足で持久力にも優れ、日本の犬種の中でも上位に入るスピードを誇ります。
もともと猟犬として培われた嗅覚と追跡本能を持ち、逃走犯を追う任務にも向いています。
俊敏さと集中力、そして冷静な判断力を兼ね備えたダルメシアンは、走って追い、匂いで見抜く警察犬として理想的な存在です。
ダルメシアンが警察犬として活躍するための訓練と適性
服従訓練と社会化が成功のカギ

警察犬として採用されるには、まず基本的な服従訓練(オビディエンス)が欠かせません。
「座れ」「伏せ」「待て」などのコマンドを正確にこなすことはもちろん、他の犬や人が周囲にいても動揺せず、冷静に行動できるかどうかが重要です。
ダルメシアンは好奇心旺盛で活発な性格のため、最初は集中力が続かないこともありますが、褒めて伸ばすトレーニングを継続することで驚くほどの成長を見せます。
社会化期に多くの人や環境に慣らしておくと、警察犬試験でも安定した行動ができるようになります。
匂い追跡の訓練で嗅覚を鍛える

ダルメシアンは嗅覚が鋭く、元々の猟犬気質を活かせる犬種です。
匂い追跡の訓練では、人の足跡や遺留品の匂いを頼りにターゲットを探します。
初めは簡単な距離から始め、徐々に距離を伸ばしたり、障害物を加えたりして難易度を上げていきます。
日常的におやつやおもちゃを使って「匂いをたどる遊び」を取り入れるのも効果的です。
遊び感覚で始めた経験が、後に嘱託警察犬試験での集中力や追跡能力につながるのです。
ダルメシアンの適性を伸ばす環境づくり

警察犬として育てるためには、心身ともに健康であることが大前提です。
運動量の多いダルメシアンには、毎日のランニングやボール遊びなど、ストレス発散の時間を十分に確保してあげましょう。
また、家庭で暮らす嘱託犬の場合は、家庭での穏やかなコミュニケーションと訓練とのメリハリも大切です。
飼い主との信頼関係が強いほど、コマンドへの反応が良くなり、試験や出動時にも安定したパフォーマンスを発揮します。
ダルメシアンの明るさと忠誠心を活かせば、頼れる警察犬への道も決して夢ではありません。

ダルメシアンが警察犬に選ばれる理由は?【まとめ】
ダルメシアンは見た目の美しさだけでなく、知能と体力を兼ね備えた犬種です。
しっかり訓練すれば、家庭犬でも警察犬として社会に貢献できる可能性があります。
愛犬の新たな可能性を見つけたい方は、ぜひ嘱託警察犬の道にも目を向けてみてください。