
冬の夜、愛犬がブルッと震えていたり、寝つきが悪そうにしていると「寒いのかな…」と心配になりますよね。
犬は人より寒さに敏感な子も多く、寝る時の環境が整っていないと、眠りが浅くなったり体調を崩す原因にもなります。
しかし、どれくらい寒いと対策が必要なのか、暖房はつけっぱなしで良いのか、毛布だけで足りるのかなど、判断がむずかしい部分もあります。
この記事では、犬が夜寝る時の寒さ対策を「温度の目安・寝床づくり・安全な暖房の使い方」まで、やさしく分かりやすく解説します。
今日からすぐ実践できる工夫ばかりなので、ぜひ愛犬が安心してぐっすり眠れる環境づくりに役立ててください。
犬はどれくらいの寒さで眠れなくなる?温度の目安

犬が夜に眠りにくくなる温度は、一般的に 18℃を下回るあたり が目安と言われています。
ただし、犬種や年齢、体格などによって寒さの感じ方は大きく変わります。
短毛種や小型犬は体温を保つ力が弱く、気温が少し下がるだけでも体が冷えやすくなります。
反対に、ダブルコートの犬種は比較的寒さに強いですが、それでも寝る時の空気が冷え込む夜間は注意が必要です。
犬が夜に「寒い」と感じている時は、次のようなサインが現れやすくなります。
体をぎゅっと丸める、何度も寝床の位置を変える、震える、飼い主に寄り添ってこようとするなどです。
こうした行動が増えてきたら、室温が低すぎないか確認すると安心です。
犬の寝る時にできる寒さ対策の基本

寝床を冷やさない
犬が夜に安心して眠れるようにするためには、まず 寝床そのものを冷やさない工夫 が大切です。
夜の室温が適切でも、床付近だけ冷えていることがあり、特にフローリングは熱を奪いやすく、犬が一晩中体温を保つのが難しくなります。
寝床はなるべく 窓際や玄関など冷気が入りやすい場所を避ける と良いでしょう。
窓の近くはガラス面から放射冷却がおきて温度が下がりやすく、犬が寝付けない原因になります。
部屋の中央寄りや、人が普段くつろぐ位置に近い場所が比較的暖かく維持されます。
ベッドや毛布の選び方
ベッドや毛布を選ぶときは、ふんわりしたものが一枚あるだけでも体温保持に役立ちます。
柔らかい素材が体の周囲に空気の層をつくり、冷気を遮ってくれるためです。寒がりな子の場合は、毛布を一枚増やすだけでも落ち着いて眠れるようになることがあります。
断熱の工夫
さらに、寝床の周りを軽く囲うだけの 簡易的な断熱 も効果があります。
段ボールやペットベッド用のカバーを使って風が入りにくい形にすることで、寝ている間に体が冷えるのを防ぎやすくなります。
難しい作業ではなく、今日からすぐに取り入れられる方法です。
暖房を使う場合の注意点と安全な使い方

夜の冷え込みが強い日は、寝る時だけでも暖房を併用すると犬が快適に過ごせます。
ただし、暖め方を間違えると 暑くなりすぎたり低温やけどを起こしたりする危険 があるため、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。
室温の目安
まず、室温の目安は 18〜22℃ほど が安心とされます。
犬は体温が高いので、人が「少し肌寒いかな」と感じる程度がちょうど良いことが多く、温めすぎると逆に寝苦しくなる場合があります。
湿度も40〜60%を保つと呼吸がラクになり、乾燥によるゆらぎも防げます。
エアコンの使い方
エアコンを使う場合は、風が直接当たらない位置に寝床を置くと体が冷えたり乾燥したりしにくくなります。
暖かい空気は上にたまりやすいため、弱めの設定で部屋全体をじんわり温めるイメージが安心です。
ヒーターの使い方
ペット用ヒーターを使う場合は、 ベッド全体を温めるのではなく、半分だけ温かいエリアを作る のがおすすめです。
犬が自分で「温かい側」「逃げられる側」を選べるため、暑くなり過ぎるのを防げます。
ヒーターに直接触れ続けてしまうと低温やけどの原因になるので、薄いブランケットを一枚挟むと安全です。
電気毛布やホットカーペット
電気毛布やホットカーペットを使う際は、温度が高くなりすぎないよう必ず弱設定にし、長時間同じ姿勢で寝てしまう子には注意が必要です。
特に夜間は飼い主が気づきにくくなるため、安全性の高い機器を選ぶようにすると安心です。
犬の寝る時の寒さ対策で年齢別に気をつけたいこと

犬は年齢によって体温の保ちやすさが大きく変わります。
特に 子犬と老犬は冷えに弱い ため、夜寝る時の寒さ対策を少し丁寧にしてあげる必要があります。
子犬

子犬は体がまだ小さく、脂肪も筋力も十分ではありません。
そのため、体温調節が未熟で、日中は元気でも夜になると急に震えたり、寝つきが悪くなったりすることがあります。
ワクチン前後で体力が落ちている時は特に冷えに敏感で、寝床をしっかり温めてあげると安心です。
毛布を一枚追加したり、風の当たらない場所に寝床を移すだけでも落ち着いて眠れることが増えます。

老犬

一方、老犬は筋力や代謝が低下することで、体の中で熱をつくりにくくなります。
また、関節や腰の痛みがある子は冷えで症状が強くなることもあり、夜に落ち着かず移動を繰り返すことがあります。
寝る前に部屋を少し温め、寝床に柔らかいクッションや毛布を用意すると体が冷えにくくなります。

寝る時に寒さで震える・眠れない時のチェックポイント

夜に犬が震えたり、なかなか眠れなさそうにしている場合、まず確認したいのは 「本当に寒さが原因なのか」 という点です。
寒さによる震えは比較的ゆっくりした小刻みな震えで、体を丸めていたり、毛布の中にもぐろうとする行動が見られます。
こうした様子があれば、寝床が冷えすぎていないかを見直すと良いでしょう。
まずチェックしたいのは寝床の場所です。
フローリングの真上や窓際は想像以上に冷え込み、体が冷えて眠れない子が多くいます。
寝床を少し移動するだけで落ち着くケースも少なくありません。また、毛布が薄すぎたり、逆に硬いベッドで体が密着できず熱が逃げてしまうこともあるため、寝心地も合わせて確認してみてください。
夜だけ震えるけれど、日中は元気で食欲もある場合は、多くが 環境の寒さによる軽い冷え です。
寝る30分ほど前から部屋を軽く温める、毛布を一枚増やすなど、小さな調整で改善することがよくあります。
ただし、寒さと体調不良の震えは区別がつきにくいこともあります。
寒さとは関係なく震えている場合は、呼吸が少し早かったり、体に触れた時に妙に冷たい部分があったりすることがあります。
寝床を温めても改善しない時は、念のため翌朝の様子をしっかり観察してあげると安心です。
寒さ対策をしても震えるなら?受診を考える目安

寝床を温かくしたり、部屋の温度を整えたりしても震えが続く場合は、寒さ以外の理由 を疑う必要があります。
寒さが原因で震えている場合は、環境を整えるだけで多くの犬がすぐに落ち着くため、対策後も変化がないときは注意深く様子を見ることが大切です。
受診の目安になるのは、まず 震えが長時間止まらない という状況です。
特に、布団や毛布に包んでも震えが弱まらない場合は、体調不良や痛みが関係していることがあります。
また、触ったときに耳や体表の一部が冷たすぎる、あるいは逆に熱を持っているなど、普段と違う体温の変化を感じる場合も気をつけたいサインです。
さらに、震えに加えて 呼吸が速い・落ち着かない・食欲がない といった行動が見られるときは、寒さ以外の原因が強く疑われます。
特に老犬では関節痛や内臓の不調が震えとして出ることもあり、夜に症状が目立ちやすいこともあります。
まとめ
犬は人より地面に近い場所で眠るため、夜の冷え込みの影響を受けやすくなります。
短毛種や子犬、老犬は特に体温を保つ力が弱く、寝床が少し冷えているだけでも震えたり眠りが浅くなったりすることがあります。
まずは寝床の位置や素材を見直し、風を避けられる温かい環境を整えてあげることが基本です。
暖房を使う場合は、温めすぎに注意しながら犬が自分で温度を調整できるスペースをつくると安心です。毛布を一枚増やすだけの小さな工夫でも、想像以上に快適に眠れることがあります。
寒さ対策をしても震えが続くときは、体調不良が隠れている可能性もあります。翌朝の様子をよく観察し、元気がない・呼吸が荒い・震えが止まらないといったサインがあれば早めの受診を考えてあげてください。
夜をしっかり眠れるようにしてあげることは、犬の健康を守るうえでとても大切です。愛犬にとって一番安心できる寝床をつくり、冬の夜も快適に過ごせるよう整えてあげましょう。