
犬が突然自分の爪を噛み始める姿を見ると、心配になりますよね。
実はこの行動には、ストレス・かゆみ・生活環境・飼い主さんの接し方など、さまざまな要因が隠れています。
この記事では、犬が爪を噛む理由と対策、そして日常でできる関わり方までまとめて解説します。
早めに原因をつかむことで、改善のスピードはぐっと早くなります。
犬が爪を噛む原因

犬が爪を噛むのには、大きく分けて2つの原因があります。
ストレスが原因になっている
飼い主さんの仕事が忙しくて散歩の時間がなかなか取れない、日中は犬がひとりで留守番をしているなど、あまりかまってもらえない場合、犬は精神的、肉体的にストレスを感じやすくなります。
眠りたい時に眠らせてもらえないのもストレスになります。
飼い主さんが必要以上にスキンシップを取ろうとしたり、夜遅くまで明るくにぎやかな部屋で休まなければならないようなことも、犬にはストレスになることがあります。
朝日をきちんと浴びて、夜は静かに過ごせるような環境が崩れてしまうと、体内時計が正常に働かなくなり自律神経に不調が出る、免疫力が下がるなどの不調につながります。
かゆみや痛みなどの不調がある
犬が突然爪を噛むようになった場合は、もしかしたら肉球の傷や痒みなどが原因かもしれません。
散歩をすると色々な場所に足を入れてしまうため、思わぬところで肉級が傷ついてしまったり、草でかぶれてしまったりすることがあります。
また、ガムやアメが足に付いてしまうこともあります。
犬はそれが気になってしまい、しきりにその場所をなめているうちに爪を噛むような行動に変化してしまうのかもしれません。
犬が爪を噛むのをやめさせる対策とは

爪を噛むことを怒ると余計に悪化させてしまうこともあるので、まずは原因を探しましょう。
そして原因がわかったら早めに対策を取ることが必要です。
生活環境を見直してみる
ストレスが原因だった場合は、犬が快適に過ごせる環境を整えてあげると良いでしょう。
遊びたがっている時は短い時間でも一緒に遊んであげると犬は喜びます。
うちのワンコも私が仕事に出る直前にボール遊びをしたがることがあります。
本当は時間がギリギリだけど、2、3回つきあってあげると満足するみたいです。
でも朝って本当に時間がないですよね。
だから私は遊ぶ時間を見越して早めに起きたり、留守番用のおやつセットを見せて気をそらせたりして対策しています。
我が家も平日はひとりで留守番をさせなくてはいけないので、できる限りうちのワンコがストレスを感じないようにしなくちゃいけないなぁと思っています。
一方で、夜は適度に遊んだら落ち着いて休めるようにしてあげると良いと思います。
21時頃には静かに過ごせるのが理想的だと言う獣医さんもいます。
遅くまでリビングに明かりがついているようなら、犬は別の部屋で寝られるような環境を作ってあげるのも良いかもしれませんね。
活動する時間と休む時間のメリハリをつけるだけでも、ストレスは大きく和らぐのではないでしょうか。
怪我や不調はすぐに対策を!
肉球が傷ついてしまっていたり、痒がってしまっていたりするようなら、悪化する前に病院で診てもらうことをおすすめします。
我が家でもトリマーさんに「皮膚にボツボツがあるよ」と言われて診察を受けたばかりなのですが、痒み止めをもらって飲ませた途端に色々な問題が解決しました。
それまで足先や脇腹をしきりになめて毛がゴワゴワになっていました。
涙やけも気になるようになり、毎日朝晩洗っていました。
それを話すと、「一度痒み止めで様子を見て、その後再発するならフードを見直してみましょう」と言われ、薬を飲んだところ、ほとんど体をなめることがなくなり、涙やけも消えました。
私の中では塗り薬を処方されると思っていたので、痒み止めの飲み薬は意外でしたが、経験豊富な獣医さんに相談すると思わぬ解決方法があるのだと気づきました。
数多くの症例を見ている獣医さんに相談することで、思わぬ発見や早い改善につながることが多くあります。
軽い症状のうちに相談してみてくださいね。
犬が爪を噛む時に飼い主ができる関わり方

なぜ「関わり方」が爪噛み行動に影響するのか
犬は人との関係性から安心感を得る動物なので、飼い主さんの接し方は日常行動に大きく影響します。
毎日の生活リズム、声の掛け方、遊ぶ時間、過度な干渉や放置など、どれも爪を噛む行動に直結することがあります。
特に撫でられるタイミングや休ませてもらえる時間が不規則だと、犬は小さな不安を抱えやすくなります。
その不安が自己刺激行動として「爪を噛む」につながるケースが少なくありません。
接し方を整えるだけで改善するケースも多い
例えば、仕事前に短い遊びの時間をつくる、就寝前には部屋の明かりを落とす、休日は一緒に散歩する時間を長めにするなど、小さな工夫で犬の安心感は大きく変わります。
毎日の声掛けひとつでも効果があり、犬は「自分はちゃんと見てもらえている」と感じると、無意味に爪を噛む頻度が下がることがあります。
逆に過剰に構いすぎるのもストレスになるため、オンオフのメリハリを付けた接し方が重要です。
爪を噛んでいる時の“適切なやめさせ方”
爪を噛む行動を見た瞬間に叱ったり制止すると、犬は「飼い主が怒る=もっと不安」という悪循環に陥る可能性があります。
代わりに、気付いたらそっと名前を呼んだり、違うおもちゃをそばに置いて興味をそらす程度に留めるとスムーズです。
この時、犬が落ち着いたら必ず褒めてあげることで、「噛まない行動」を肯定的に学習していきます。
スキンシップは“量”より“質”
長時間ベタベタするより、短い時間でもしっかり向き合うほうが犬は満足します。
散歩後に1〜2分だけゆっくり撫でる、寝る前に優しく声をかけるだけでも十分です。
ストレスへの耐性が上がるため、爪噛み行動を予防することにもつながります。
犬が爪を噛むことで病気に発展することも?

何かが原因で爪を噛むようになり、それが習慣化されることで、病気を引き起こすことがあります。
日常生活に支障が出ることもあるため、ご注意くださいね。
爪が短くなることで踏ん張りがきかなくなる
噛むことを続けていると、次第に爪が噛みちぎられて短くなっていきます。
爪は地面で踏ん張る時に役立つはずなのに、短くなりすぎると爪で踏ん張ることができず足腰に余計な負担がかかってしまうことが考えられます。
爪から出血してしまうと痛みが出る
爪の中には血管があるのをご存知でしょうか。
爪を切る時は、血管を触らないように切ることが必要です。
犬が血管のところまで爪を噛んでしまうと、出血することがあります。
痛みも出るため、歩くのもつらくなってしまうかもしれません。
もしも出血してしまったら、出血した指の根元をしっかりとおさえ、血が止まるまでしばらく待ちましょう。
気になる時は病院で診てもらってくださいね。
傷からバイ菌か入って炎症を起こす
爪を噛んでいるうちに、指の間などの皮膚が傷ついてしまうことがあります。
そのまま散歩に出てバイ菌が入り込むと、炎症を起こしてしまうことがあります。
痛みが出ると歩くことも難しくなってしまいますので。傷を作ってしまう前にやめるような対策を取りたいですね。
まとめ
犬が爪を噛む行動は、体の異変だけでなく心のサインであることも少なくありません。
原因を正しく見極め、環境調整や関わり方を整えることで、多くの場合は改善が期待できます。
軽い症状でも放置せず、必要に応じて獣医さんへ相談する習慣をつけておくと安心です。
愛犬が心地よく過ごせる毎日を、一緒に整えていきましょう。