
優雅な姿で水槽を彩るエンゼルフィッシュですが、意外と気が荒い性格を持っています。
口を突き合わせる「キス」のような行動や、追いかけ合いは喧嘩なのか、仲が良いのか気になる飼育者も多いはず。
本記事では、エンゼルフィッシュの喧嘩行動やペア形成の見極め方、対策について解説します。
エンゼルフィッシュは気が荒い?

そもそも、エンゼルフィッシュはそもそもおとなしい魚ではありません。
ショップで販売されている幼魚はおとなしく、目立った喧嘩はしませんが、ある程度の大きさに育つと自己主張が激しくなります。
ここからが問題ですが、エンゼルフィッシュが多少の追いかけっこやつつきあいをするのは自然なことで、特に問題視することではありません。
エンゼルフィッシュを含めたシクリッドの仲間では、この程度の喧嘩は普通に見られます。
シクリッドとは、エンゼルフィッシュやディスカス、アフリカンシクリッドなどを含む淡水魚の仲間で、世界中に2000種類以上が知られています。縄張り意識が強く、繁殖期には喧嘩もよく見られますが、親が卵や稚魚を守る子育て行動をする魚も多いです。色や模様が豊富で観賞魚として人気があり、比較的知能も高いため飼い主を覚える個体もいます。
ちょっとした喧嘩なら、そのまま放っておきましょう。
多少はひれが傷つくかもしれませんが、致命的なけがをさせるほどにはならないはずです。
どうしても傷一つない個体を育てたいのなら単独飼育するしかありませんが、エンゼルフィッシュの性質上、あまりおススメしません。
エンゼルフィッシュの喧嘩で問題視した方が良い場合とは?

エンゼルフィッシュを飼ったことがない方からすれば、喧嘩している様子をみるのはあまり気分のいいものではないと思います。
そこで、飼っているエンゼルフィッシュが喧嘩していたときはしばらく様子を観察してみましょう。
いろんな個体がお互いにちょっかいをかけあっているのなら、特に問題ありません。
注意したいのは、特定の個体ばかりが執拗にいじめられている場合です。
ちょっとしたサイズの違いなどで力の差が生まれてしまい、「いじめられっ子」になっている可能性があります。
このような場合は、弱い個体をとりあえず隔離するか、水槽のレイアウトを大きく変えてみましょう。
レイアウトを変えることで、強い個体が自分のナワバリを主張できなくなり、喧嘩が収まる場合があります。
エンゼルフィッシュの「キス」のような行動は仲良し?それとも喧嘩?
#エンゼルフィッシュ
— Niru (@Ni_Ru4) May 23, 2024
いつも喧嘩してる🐠💦 pic.twitter.com/nTQKgQEO6Y
エンゼルフィッシュ同士が口を突き合わせている姿は、一見すると仲良くキスしているようにも見えますが、実際には多くの場合、これは喧嘩や力比べの行動です。
この行動は「リップロッキング」と呼ばれ、主に縄張り争いやペア形成時の優劣を決めるために行われます。
お互いに口を押し合いながら力を競い、どちらが優位に立つかを決めているのです。
ただし、この行動が必ずしも危険なわけではありません。
軽い押し合いで終わる場合は、単なる力関係の確認や、ペア同士が互いの相性を試している段階であることもあります。
逆に、力が拮抗せず一方が押し込まれ続けているようなら、ストレスや怪我のリスクがあるため注意が必要です。
もしペア形成の一環であれば、この後に産卵場所の確保や周囲への威嚇行動が見られるようになり、繁殖に進む可能性も高まります。
一方、単なる喧嘩であれば、レイアウト変更や隔離によって衝突を減らすことができます。
「キス」のような行動は可愛らしく見えても、その裏にはエンゼルフィッシュならではの社会性と力関係が隠されています。観察しながら、その意図を見極めることが飼育の楽しみのひとつともいえるでしょう。
エンゼルフィッシュの喧嘩が実はペアが形成されているのかも?

喧嘩の様子をみていて、なんとなく2匹が結託してほかの個体を追い払っている様子なら、その2匹はペアになっているのかもしれません。
エンゼルフィッシュは見た目でオスとメスを見分けるのが少し難しいのですが、2匹で特定の場所を守るような行動が見られればペアの可能性が高くなります。
このような場合、繁殖を目指しているのであれば、すぐにほかの個体を分けるための水槽を用意しましょう。
ペアを別水槽に移してもいいのですが、ペア以外を移動させた方がうまくいきます。
また、硬いものの表面に産卵するので、フィルターのパイプやガラス面に産卵されるのがイヤなら、石や流木、ディスカス用の産卵筒を入れてやりましょう。
なお、ほかの個体と同居したままにしておくと、ペアが自然解消されたり、産んだ卵が食べられたりします。
ほかの個体がいることを親がストレスに感じると、自分が産んだ卵を食べてしまうこともあります。
エンゼルフィッシュの喧嘩は大乱闘まで起きることはない?

エンゼルフィッシュの気性は荒く喧嘩が起きやすいことはお分かりになったかと思いますが、概ね1対1の喧嘩が主であることにはお気づきでしょうか?
実は、エンゼルフィッシュ同士で「多数対多数」のような大乱闘になるケースは基本的に珍しいです。
理由は、エンゼルフィッシュの喧嘩はほとんどが縄張り争いかペア形成を巡る争いで、ターゲットが明確だからです。
しかし複数匹を同じ水槽で飼育していると、個体同士の小競り合いが水槽内のあちこちで同時に起こることがあります。
一見すると大乱闘のようにも見えますが、実際には複数のペアや個体間で別々に争っている場合がほとんどです。
過密飼育や産卵期に複数のペアが同居している場合は特にこうした状況が発生しやすく、弱い個体がストレスを受けやすくなります。
レイアウトを工夫して視界を遮る場所を作ることで、争いをある程度緩和できます。
エンゼルフィッシュは喧嘩するって本当?【まとめ】
エンゼルフィッシュは基本的に多少の喧嘩は当たり前。
口を合わせる「キス」のような行動も縄張り争いやペア形成の一部です。
特定の個体が傷つくほど攻撃を受けている場合は隔離やレイアウト変更で対応しましょう。
ペアができている場合は別飼育すれば繁殖も可能。喧嘩やペア形成を正しく見極めることで、より安定した飼育環境が作れます。