
うさぎは暑さに弱く、夏場は食欲が落ちやすい動物です。
放っておくと消化器官が止まり、命に関わることもあります。
この記事では、夏バテによる食欲不振を防ぐための環境づくりや食事の工夫、日常ケアについて詳しく解説します。
うさぎの夏バテの食欲不振以外の症状とは?

うさぎはもともと暑さに弱い動物であり、夏場に体調を崩すと食欲不振はもちろん食欲不振だけでなくさまざまなサインを見せます。
これらの症状を早めに見抜くことが、命を守るためにとても大切です。
食欲不振
まずわかりやすいのは食欲の低下です。
いつもは夢中で食べる牧草やペレットを残したり、好物の野菜にも反応が鈍くなる場合があります。
加えて、うんちの量や形の変化も重要なサインで、小さくコロコロとしたうんちが増えたり、排泄が減ってきたら要注意です。
呼吸の変化
次に、呼吸の変化が現れます。
暑さで体温が上がると、普段よりも呼吸が速く荒くなり、口を少し開けて息をするような仕草を見せることがあります。
また、耳が熱を帯びるのも典型的なサインで、体にこもった熱を耳から放出しようとしている証拠です。
元気がない・姿勢の変化
さらに、元気のなさや姿勢の変化も見逃せません。
床にお腹をベタッとつけて動かずにじっとしていたり、目に力がなくぼんやりしている場合は、夏バテや熱中症の初期段階かもしれません。
うさぎの夏バテ食欲不振を防ぐ日常ケア

うさぎが夏バテで食欲を落とさないためには、気温管理だけでなく、普段の生活習慣からの工夫も大切です。
ここでは日常的にできるケアを4つの視点から詳しく解説します。
うさぎが水を飲みやすいようにする
うさぎの正常な飲水量の目安
うさぎは体重1kgあたりおおよそ50〜100ml/日程度が目安とされています。(例:2kgのうさぎなら100〜200mlほど)
ただし気温や運動量によって増減するので、夏場はやや多めでも自然なことがあります。
なかなか水を飲まない個体もいるので、水を飲みやすいようにできる工夫をしてみましょう。
給水ボトルと器を両方設置する
うさぎによってはボトルから飲むのが苦手だったり、逆に器の水を怖がることがあります。
両方を試し、どちらでよく飲むか観察してみるとよいでしょう。
器はこまめに洗い、転倒しにくい陶器製が安心です。
水の温度や鮮度を保つ
夏場は水がぬるくなりやすいので、常温に近い新鮮な水を1日に数回入れ替えると飲む量が増えます。
冷たすぎる水は胃腸を冷やすため避けましょう。
飲みやすい高さに調整する
給水ボトルや器の位置が低すぎたり高すぎたりすると、うさぎが面倒に感じて飲むのを避ける場合があります。
うさぎの顎の高さに合わせて設置することで、自然に口をつけやすくなります。
水の種類を工夫する
水道水に含まれる塩素の匂いを嫌がるうさぎもいます。
浄水器を通した水や一度沸かして冷ました水を試すと、飲みやすくなる場合があります。
うさぎの夏バテ食欲不振を防ぐ食べ物
水分が豊富な葉野菜
きゅうりやレタス、青梗菜などは水分補給に役立ちます。
ただし与えすぎるとお腹がゆるくなるので、少量をトッピング程度にするのが安心です。
香りの強い野菜
大葉やセロリ、パセリなどは独特の香りが食欲を刺激します。
夏バテで食欲が落ちている時でも口をつけやすい傾向があります。
少量の果物
リンゴやバナナ、梨などは糖分があり即効性のエネルギー源になります。
普段は控えめが基本ですが、夏バテで食欲が落ちている時の「きっかけ食」として役立ちます。
被毛のお手入れで体温調整を助ける
夏場は換毛期と重なり、抜け毛が体にこもることで体温調整が難しくなります。
ブラッシングをこまめに行い、余分な毛を取り除いてあげることは熱対策にもつながります。
特に長毛種は毛玉になりやすく、食欲不振の原因にもなるため、夏はいつも以上に念入りなお手入れを心がけると安心です。
食欲チェックと体重管理を習慣化する
毎日の食欲やうんちの量・形を観察し、少しでも変化があれば早めに対応できるようにしましょう。

食欲の減少が一時的か、継続しているのかを判断するには、日々の体重測定も役立ちます。
体重が急激に減っている場合は早急な受診が必要です。
夏場は特に変化が出やすいため、観察と記録を日課にしておくと、いち早く異常に気付けます。
うさぎが夏バテ食欲不振になってしまった時の対策

うさぎが夏バテにかかったかな?と思ったらまずはできる対策をして様子を見てみましょう。
「予防」と「事後の対策」で、できることは似てるのですが改めて以下の内容を確認してみてください。
室温28℃以下の飼育環境を作る
うさぎの夏バテ対策には涼しい環境作りが大切!
室温は28度以下にしましょう。
うさぎの夏バテ対策に一番有効なのは、室温を下げる事です。
うさぎは、人間のように汗をかく事ができないので、室温が上がると熱が体内にこもってしまい熱中症になってしまいます。
うさぎがの呼吸がいつもより早い、床にお腹をペタリとくっつけて寝そべっている、耳が熱くなっている、などの様子が見られたらうさぎが暑がっているサインです。
エアコンを使って室内の温度を下げてあげましょう。
扇風機では室温を下げる事はできないので、うさぎの夏バテ対策になりません。
エアコンで室内の温度を下げる事が一番大切です。
専用のひんやりグッズもおすすめ
また、エアコンを付けるのと同時に、うさぎ専用の冷んやりグッズも取り入れましょう。
うさぎが寝転がれるアルミシートや凍ったペットボトルをケージ内に入れる事もおすすめです。
好きな野菜をあげよう!
夏になり暑くなってくると、うさぎが全くご飯を食べない訳ではないけれど、何だか食欲がない、という事があると思います。
筆者はそのような時はうさぎの好きな野菜をあげるようにしています。
特におすすめなのが、セロリと大葉です。
特にセロリは水分と繊維質が豊富なのでおすすめです。
筆者のうさぎは普段から、セロリと大葉が好きなので毎日あげているのですが、食欲が落ちている時は、口元までセロリを持っていってあげると食べています。
セロリも大葉も香味野菜なので、独特の香りがうさぎの食欲を刺激するのか、これらを食べ出すと食欲が戻ってくる事が多いです。
果物は糖分の取りすぎになってしまうので普段は控えめにした方が良いのですが、食欲の落ちている時に、バナナやリンゴなどを少量あげる事で食欲が戻るのであればあげてみてください。
うさぎの拒食は危険信号
うさぎは何も食べないと、腸の動きが止まってしまい、うんちが出なくなるという悪循環に陥ってしまうので、悪循環になる前に、何か食べてもらってうんちを出す事が大切です。
好きな野菜や果物も見向きもしない、牧草も食べずにうずくまっている、という状態になったら様子を見ることなくすぐに受診してください。
うさぎの消化器系の不調は、対処が早いほど回復も早いです。
完全に不調になる前の、少しいつもより食欲がないかな??という段階であれば、前述した好きな野菜や果物をあげる事で、食欲が復活する場合があります。
うさぎの夏バテ食欲不振対策【まとめ】
夏はうさぎにとって試練の季節です。
室温管理や好きな野菜での食欲刺激に加えて、日々の水分補給や体重チェックを怠らないことが元気に夏を乗り切る鍵となります。
体調の小さな変化にも気づけるよう観察を習慣化し、異変を感じたらすぐに獣医へ相談しましょう。