
「なぜハムスターは回し車を寝る間も惜しんで走り続けるのか?」
そんな疑問を抱いたことはありませんか。
実はこの行動には野生の本能や健康維持のための重要な理由があります。
本記事では、回し車を走る理由から飼育でのメリット、理想的な選び方や注意点まで、飼い主さんが知っておきたいポイントを徹底的に解説します。
ハムスターはなぜ回し車でずっと走ってるの?

ハムスターは回し車が大好きだ!というのも決して間違った解釈ではないとは思うのですが、ハムスターが回し車に乗って走る行動にはちゃんとした理由が存在しています。
ハムスターはもともと夜行性で夜の間にエサを探し周るために移動する習性があります。
そのため、「夜間は走って移動する」という生物としての本能が存在するのです。
他の肉食生物に捕食される可能性のあるハムスターは、のんびりと歩いて移動などしません。
基本的に走ります。
その距離は諸説ありますが、一晩で10キロから20キロ相当の距離になるそうです。
この野生の名残が、ハムスター回し車の中で走り続ける行動へと繋がっているのですね。
私が飼っていたハムスター達も、深夜にカラカラと回し車に乗って走っている音が聞こえていたことを覚えています。
私達が寝るころに音が聞こえるな、と思っていて、夜中にトイレに起きた時にもまだ回転音が聞こえているという事も日常茶飯事にようにありましたね。
回し車がハムスターに与えるメリット

回し車は単なる遊び道具ではなく、ハムスターの心身の健康を守るために大きな役割を果たしています。
ここではその主なメリットを詳しく見ていきましょう。
運動不足の解消と肥満予防
狭いケージの中ではどうしても運動量が不足しがちです。
特にハムスターは一晩で何キロも走る習性があるため、運動不足になると肥満や生活習慣病のリスクが高まります。
回し車はその本能的な欲求を満たしつつ、体型維持にも役立ちます。
ストレスの軽減と精神的安定
小さなケージでの生活は、野生の環境に比べれば大きな制約です。
回し車は「走りたい」という本能を発散できる手段となり、ストレスの軽減につながります。
適度な運動によって心身が安定し、噛み癖や毛づくろいのしすぎといったストレス行動を減らす効果も期待できます。
脳の活性化と好奇心の維持
回し車は同じ行動の繰り返しに見えますが、ハムスターにとっては「探索」の一部です。
走ることで刺激を受け、脳が活性化し、日常生活にメリハリを与えます。
特に若いハムスターには好奇心を維持する良い刺激になります。
回し車でずっと走るデメリット
睡眠不足やストレス

ハムスターは夜行性で夜に活発になりますが、ずっと回し車を回し続けると休息のリズムが崩れることがあります。
走ること自体は本能的で自然な行動ですが、極端に長時間続けると疲労や睡眠不足、さらにはストレスの原因になりかねません。
毛づくろいのしすぎや落ち着きのなさが見られる場合は注意が必要です。
他の運動機会の減少

回し車は安全で効果的な運動手段ですが、それだけに頼りきると「走ること」以外の行動が減ってしまうこともあります。
野生のハムスターはトンネルを掘ったり、隠れ家を巡回したりと多様な活動をしています。
飼育下でも回し車以外にトンネルや巣材、かじり木などを用意し、バランスよく体を動かせるようにしてあげましょう。
健康チェックの目安

走りすぎかどうかは一概に判断できませんが、体重が急に減ったり、毛並みが荒れてきた場合は要注意です。
毎日の食欲や排泄の状態を観察し、異変が続くときは動物病院での相談をおすすめします。
回し車の使用頻度や走る姿を観察することは、健康チェックの大切な手がかりにもなります。
ハムスターが回し車で起きる事故

回し車とハムスターのサイズが合わないことで事故へと繋がる危険性があります。
ハムスターに対して回し車が大きすぎる場合、回転する遠心力にハムスターが負けてしまい、体が中に浮いて吹っ飛んでしまうケース。
体を強く打ちつけて気を失う程度ならまだいいのですが、うちどころが悪ければ最悪の結末になってしまうかもしれません。
はしごのような構造になっているものは、足が挟まって怪我をしてしまう可能性がありますので避けたほうがいいと思います。
今は回し車もほとんど隙間が無いタイプのものが出回っているので、わざわざリスクがあるもの選ぶ必要はありません。
私が飼っていた頃は、回転する床が上記のようにはしご状になっていたものが多かったので、隙間にハムスターの体が嵌まってしまう状態になることがありました。
その姿を見て可愛い!
と思っていたことが、今思えばとんでもない話だったのですね…大けがをしなくてよかったなと思います。
事故ではありませんが、回し疲れて、回し車の中で寝るという例もあるようですね(笑
これは可愛い事故です。
昼間もずっと走っているのは大丈夫?

夜行性なのに昼間に走る理由
ハムスターは基本的に夜行性ですが、飼育下では昼間に活動することもあります。
これは人間の生活リズムや室内の明るさに影響を受けているからです。
飼い主の生活音や光に合わせて行動パターンがずれると、昼間でも回し車を走る姿が見られるようになります。
体調やストレスが原因の場合
昼間にずっと走り続けて落ち着かない様子が見られる場合は、ストレスや環境の不満が原因のこともあります。
隠れ家が少ない、ケージが狭い、温度や湿度が合っていないなど、飼育環境の不備で休めない状態になっている可能性があります。
また、睡眠不足が続くと体力を消耗し、免疫力の低下にもつながるため注意が必要です。
対策とチェックポイント
昼間に過剰に走る場合は、まず静かに休める環境を整えましょう。
ケージを直射日光の当たらない静かな場所に置く、巣箱やトンネルを増やして隠れ場所を作ると安心して眠れるようになります。
もし食欲不振や体重減少など体調の変化が伴う場合は、病気が隠れていることもあるので早めに動物病院で相談してください。
ハムスターに回し車はいらないの?

中には「狭いケージで危険なら回し車はなくてもいいのでは?」と考える飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、ハムスターにとって回し車はほぼ必須の飼育アイテムといえます。
回し車がないと運動不足になる
ハムスターは野生下で毎晩10キロ以上走るとされるほど活動的です。
回し車がないと運動量を確保できず、肥満やストレスから病気につながる危険性があります。
ケージの中で走り回るだけでは全く足りません。
代替手段はほぼ存在しない
トンネルや広いケージを用意しても、ハムスターが必要とする運動量には到底追いつきません。
放し飼いで部屋を自由に走らせる方法もありますが、誤飲や感電など危険が多く現実的ではありません。
そのため、やはり回し車が最も安全で効果的な運動手段です。
安全性を重視して選べば安心
「いらない」と思われがちなのは、回し車による事故や騒音が理由でしょう。
しかし、静音設計・隙間なしの安全設計のものを選べば、その不安は解消できます。
正しく設置すれば、回し車はハムスターの健康と幸せを守る大切な存在となります。
ハムスターの回し車の選び方

ハムスターが大好きな回し車ですが、一生付き合っていくものになりますので、いいものを選んであげてほしいところですね。
事故などが起きて怪我をされては困ります。
サイズに合わせる
一番大事なのが、ハムスターの体のサイズに合わせて選んであげるということです。
サイズは直径15センチから21センチと幅がありますが、ハムスターの種類や大きさで変ります。
私が飼っていたゴールデンハムスターで17センチから21センチが理想とされているようです。
我が家のハムスターも、最初に与えていた回し車では成長とともに背中がえらく反りかえって走りにくそうになってきたので、大きめのサイズのものに取り替えてあげました。
必要に応じて買い替え
実際回ってみないと分からない部分もありますので、様子を見ながら必要であれば変更してあげましょう。
面倒くさいからと放っておくと、重大な事故にも繋がりかねないので、気をつけてあげて下さい。
次に回し車で起きる事故について触れておきたいと思います。
ハムスターの回し車がうるさい場合の対処法

ハムスターにとって回し車は欠かせない運動器具ですが、飼い主にとっては「音」が悩みになることがあります。
特に夜行性のハムスターは深夜に活発に走るため、静かな部屋では回転音が気になって眠れないと感じる方も多いでしょう。
回し車の素材による違い
金属製や古いタイプの回し車は、軸や床の摩擦で「キーキー」「ガラガラ」といった大きな音を立てることがあります。
最近はプラスチック製で軸がカバーされた静音タイプが増えており、騒音を大幅に減らせます。
設置場所や固定方法での工夫
回し車をケージのワイヤーに直接固定すると振動が響きやすくなります。
床置きタイプや専用スタンドに変更することで音が軽減されます。
また、ケージの下にマットやタオルを敷いて振動音を抑える方法も効果的です。
飼い主の生活環境との兼ね合い
どうしても音が気になる場合は、寝室とは別の場所にケージを置くのも選択肢です。
ハムスターの生活リズムを尊重しつつ、飼い主も快適に過ごせるよう環境を調整することが大切です。
FAQ|ハムスターの回し車に関するよくある質問

ハムスターは回し車がなぜ大好きなの?【まとめ】
ハムスターにとって回し車は遊びではなく、健康やストレス解消に欠かせない存在です。
正しいサイズや安全なタイプを選び、日々の観察を怠らないことが長生きにつながります。
ぜひ今回の記事を参考に、ハムスターが安心して回せる環境を整えてあげてください。