
「寝ているハムスターがグーグーといびきをかいている…」そんな場面を見て驚いたことはありませんか?
実はハムスターも人間と同じように夢を見るため、いびきや寝言を発することがあります。
ただし、中には呼吸器の病気やストレスのサインである場合も。この記事では、いびきの仕組みから環境要因、注意すべき病気まで詳しく解説します。
ハムスターの睡眠について

ハムスターは1日14時間以上眠りますが、人間のようにまとめてではなく、短時間を繰り返す分割睡眠が特徴です。
これは野生下で捕食されやすい動物として、常に警戒するための習性です。
夜行性のため昼間は寝ていることが多いものの、完全に眠り続けるわけではなく、エサを食べたり毛づくろいをすることもあります。静かで暗めの環境を整えると熟睡しやすく、健康維持にもつながります。
寝姿には個体差があり、丸くなったり仰向けになったりとリラックス度合いで変わるため、観察は健康チェックの目安にもなります。
ハムスターのいびき|音による意味の違い

ハムスターのいびきは、人間のように「ぐーぐー」と分かりやすい音を立てることもあれば、「プスッ」「スースー」といった小さな呼吸音程度で済むこともあります。
個体によって音の大きさや頻度が異なり、飼い主さんの耳に届かないことも少なくありません。
健康なハムスターが深い眠りに入ったときに出すいびきは、一時的で静かなものです。
夢を見て寝返りをうったり、足やヒゲをピクピク動かしながらいびきをかいている姿は、むしろリラックスしている証拠と考えられます。
一方で、いびきが毎日のように続いたり、呼吸が苦しそうに見える場合は注意が必要です。
鼻や喉に異常があると「ゴロゴロ」「ピューピュー」といった明らかに詰まった音を出すことがあり、これは単なる睡眠音ではなく病気のサインである可能性があります。
また、多頭飼いでストレスを抱えている個体は、不安から夢見が悪くなり、寝言やいびきが増えるケースもあります。
健康な状態か、それとも異常なのかを見極めるには、「いびきの頻度」「呼吸のしやすさ」「起きているときの様子」をセットで観察することが大切です。
グーグー
「グーグー」と人間のいびきに似た音は、深い眠りに入ったときに出ることがあります。
これはリラックスして熟睡している証拠で、健康なハムスターでも聞けることがあります。
ただし長く続く、呼吸が苦しそうに見える場合は呼吸器系の病気の可能性があるため注意が必要です。
プープー
「プープー」という音は、鼻が少し詰まっているときや、敷材の埃を吸い込んで気道が狭くなったときによく聞かれます。
軽度の鼻炎や乾燥による粘膜の刺激が原因のことも多く、短時間で収まるなら心配はいりません。
ただし頻繁に繰り返す場合は環境の見直しが必要です。
キューキュー
「キューキュー」という音は、いびきというより寝言に近いケースがあります。
夢を見て鳴いていることが多く、足を動かしたり体をピクピクさせる仕草を伴うこともあります。
特にストレスや悪夢が原因で出やすいため、多頭飼いや環境の変化がある場合はストレスサインと受け取った方がよいでしょう。
ハムスターのいびきと生活環境の関係

ケージの温度・湿度が原因になることも
ハムスターがいびきをかく場合、必ずしも病気とは限りません。
実はケージ内の温度や湿度が関係していることがあります。
乾燥しすぎていると鼻や喉の粘膜が刺激されて音が出やすくなり、逆に湿度が高すぎると呼吸が重たくなることがあります。
特に冬の暖房使用時や夏の高湿度時は、エアコンや加湿器を上手に使って適切な環境を保ってあげることが大切です。

寝床の素材やレイアウトによる影響
寝床の素材が埃っぽかったり、敷材が鼻に入ってしまうことでも「グーグー」といったいびきのような音が出ることがあります。
特に木材チップや細かい紙製チップを使用している場合は、粉塵を吸い込んでしまうケースも少なくありません。
寝床を清潔に保ち、埃の少ない素材を選ぶことで改善することがあります。
運動不足や肥満が原因のいびき
人間と同じように、ハムスターも肥満気味になると気道が狭くなり、寝ているときにいびきをかきやすくなります。
また、運動不足で体力が落ちていると呼吸のリズムが乱れやすくなることもあります。
ケージの広さや回し車の使用、バランスの取れた食事によって肥満を防ぐことが、いびき対策にもつながります。

ハムスターは寝言を言うの?

ハムスターは普段あまり鳴かない動物ですが、眠っているときに寝言を発することがあります。
これは夢を見ているときに声帯が反応して出るもので、音の種類によって意味が異なることがあります。
ジージー
「ジージー」という寝言は、不満や警戒の気持ちを表している場合が多いです。
夢の中で他の個体や何かに対して威嚇しているのかもしれません。
多頭飼いのハムスターでは、実際の喧嘩の経験が夢に反映されて出ることもあります。
ギューギュー
「ギューギュー」という音は、苦しそうな声に聞こえることがあります。
鼻や喉に異常がある場合の呼吸音と区別がつきにくいため、繰り返し聞かれるようであれば注意が必要です。
一方で短時間で終わるなら、夢の中で感情が高ぶって出ただけの寝言と考えられます。
ぷくぷく
「ぷくぷく」という寝言は、比較的穏やかな音で、水の中に泡が出るような響きに聞こえることがあります。
リラックスしているときや、食べ物の夢を見ているときに出やすいとされ、そこまで心配はいりません。
安心して眠っている証拠と考えてよいでしょう。
叫ぶ
時には「キィー!」など、突然叫ぶような寝言を発することもあります。
これは悪夢や強いストレスの影響で、夢の中で逃げたり驚いたりしている可能性があります。
頻繁に繰り返す場合は、飼育環境の見直しや多頭飼いのストレス対策が必要です。
いびきや寝言は病気のサインかも?

ハムスターのいびきや寝言が続く場合、呼吸器系の病気が疑われますので気になるようであれば獣医に診てもらいましょう。
実際のいびきや寝言の動画を撮っていくと良いですよ。
肺炎・肺水腫・鼻炎などになると「プシュプシュ」「ピューピュー」と詰まったような音を出し、寝ているときだけでなく起きているときも呼吸が苦しそうに見えます。
また、多頭飼いのストレスでも悪夢を見てうなされることがあり、突然飛び起きたり寝ながら逃げるような仕草を見せることもあります。
その場合は早めにケージを分けてあげましょう。
ハムスターもいびきをグーグーかくの?【まとめ】
ハムスターのいびきは夢を見ているだけの無害な場合もあれば、環境の乱れや呼吸器の病気のサインであることもあります。
いつもと違う様子が見られたら早めに環境を見直し、必要であれば動物病院で相談しましょう。
大切なハムスターが安心して眠れるよう、飼い主としてできる工夫を続けてあげてください。