
ハリネズミがぐったりして動かないとき、飼い主は大きな不安に包まれます。
実は暑さや寒さによる夏眠・冬眠だけでなく、病気やストレスが関係している場合もあるのです。
この記事では考えられる原因と、飼い主が取るべき対処法をわかりやすくまとめました。
ハリネズミがぐったり動かないの原因と対策とは?

夏眠と冬眠
最も可能性が高い原因は夏眠=「暑い時は熱中症」、冬眠=「寒い時は低体温症」が考えられます。
ハリネズミの飼育適温気温は23~32度の間で湿度は40%で軽く乾燥している状態が良いと言われます。
ケージの中で飼われているハリネズミは暑すぎても寒すぎても逃げ場がないと耐えることが出来ません。
なのでハリネズミが寒いと感じるときは暖かいところに動けるように、逆に暑い時は涼しいところに動けるよう温度勾配をつけることが大切です。
夏眠の見分け方と対策
ハリネズミが夏眠に入るのは、高温環境で体温が上昇しすぎたときです。
呼吸が荒く速くなり、よだれを垂らす、体をだらんと伸ばして動かないなどが典型的な症状です。
対策としては、涼しい部屋に移動させ、冷たいタオルや保冷剤で体温を徐々に下げることが大切です。
ただし急激に冷やすと体調をさらに悪化させるため、必ず段階的に体温を調整し、回復後は水分補給を行いましょう。
冬眠の見分け方と対策
冬眠は逆に低温環境で起こり、体を丸めて動かなくなるのが特徴です。
このときは死んでいるように見えても、体を触ると冷たく、呼吸は極めてゆっくりです。
対策はペットヒーターや湯たんぽを毛布でくるみ、その上に乗せてゆっくり体を温めることです。
直接肌に当てると低温やけどを起こすため注意が必要です。
ハリネズミの飼育にエアコンは必要?
エアコンが必須とされる理由
ハリネズミは23~27℃前後を快適とする動物で、暑すぎても寒すぎても体調を崩してしまいます。日本の夏は高温多湿、冬は低温で寒暖差も大きいため、自然の気温に任せてしまうと夏眠や冬眠に陥るリスクが高まります。特に室温管理が難しい集合住宅や木造住宅では、エアコンによる温度調整が欠かせません。
エアコンの使い方のポイント
エアコンを使う際は、冷やしすぎ・暖めすぎを避けることが大切です。風が直接ケージに当たるとハリネズミがストレスを感じるので、風向きを壁や天井に向け、ケージ内は温度計で常に確認しましょう。また、電気代を抑えるためにサーキュレーターや保冷剤、ペットヒーターを併用すると効率よく環境を整えられます。
停電や故障に備える工夫
万が一エアコンが使えなくなったときの備えも必要です。夏は凍らせたペットボトルや保冷剤をタオルに包んでケージに設置し、冬は毛布や湯たんぽで応急的に保温できます。長時間外出する際には、エアコンのタイマーやスマート家電を利用して室温が極端に上下しないように管理しておくと安心です。
内部疾患や病気の可能性

ぐったりする原因が必ずしも温度だけとは限りません。
ハリネズミは心臓や肝臓の病気、腸閉塞、肺炎などを患うと動きが鈍くなり、見た目にはぐったりしているように見えることがあります。
とくに食欲不振や体重減少、呼吸の異常などが併せて見られる場合は、単なる温度不調ではなく病気のサインである可能性が高いため、自己判断せずにすぐに動物病院を受診することが大切です。
ストレスや飼育環境の悪化

ハリネズミは繊細な生き物で、強い音や振動、頻繁な触れ合いなどがストレスとなり体調を崩すこともあります。
また、不衛生なケージ環境や不適切な餌が原因で消化不良を起こし、ぐったりすることもあるのです。
温度だけでなく飼育環境を総合的に見直すことが重要です。
緊急時の見極めと対応

「ただ眠っているだけなのか」「ぐったりして危険な状態なのか」を見極めるのは難しいものです。
呼吸が浅い、触っても反応がない、体温が極端に高い・低いなどの症状がある場合は緊急性が高いサインです。
応急処置を施すと同時に、必ず獣医師に連絡し、指示を仰ぐことが命を救う鍵となります。
病院へ連れて行く判断の仕方
ハリネズミがぐったりとして動かない場合、動物病院へ連れて行くべきか、自宅で様子を見るか悩むことも多いと思います。
以下の判断基準を参考に動物病院へ行くか否かを検討してみてください。
自宅で様子を見てもよいケース

短時間だけ動かない、寝ているだけのように見える場合は、必ずしも緊急性があるとは限りません。
たとえば、夜行性のハリネズミは日中ほとんど寝ていますし、熟睡しているときは軽く触っても反応が薄いことがあります。
餌や水を取る姿が確認でき、体温や呼吸が安定しているなら、慌てず様子を見る選択も可能です。

すぐに病院へ行くべきサイン

次のような症状が見られるときは、夏眠や冬眠、あるいは病気による危険な状態の可能性が高いため、迷わず病院へ連れて行きましょう。
- 触ってもほとんど反応しない
- 呼吸が極端に速い、または遅い
- よだれ、鼻水、下痢などの異常がある
- 食欲がなく、水分も取らない
- 体が冷たすぎる、または熱すぎる
受診までにできる応急処置

病院に向かうまでの間は、環境温度を調整し、体温を正常に近づけることが最優先です。
暑さが原因なら冷やす、寒さが原因なら温めるという基本を守り、急激な温度変化は避けてください。
また、脱水が疑われる場合はスポイトで少量ずつ水やブドウ糖を与えます。
応急処置を施しながら、必ず小動物に詳しい動物病院に連絡し、指示を受けてから行動すると安心です。
ハリネズミがぐったりとして動かない!?その原因とは【まとめ】
ハリネズミがぐったりして動かないときは、温度不調による夏眠・冬眠に加え、病気やストレスの可能性も考慮しましょう。
大切なのは早めに異変に気づき、応急処置と病院受診をためらわないことです。
普段から温度・環境管理を徹底し、信頼できる獣医師を見つけておくと安心です。