
ハリネズミといえばトゲトゲの針が特徴ですが、「針なしの個体はいるの?」と気になる人もいるでしょう。
この記事では、針の正体から抜け落ちの理由、病気や生え変わりとの違いまで詳しく解説します。
ハリネズミに針なしはいるの?

結論から言うと、健康なハリネズミに「針なし個体」は存在しません。
SNSなどで「針がないハリネズミ」として紹介されることがありますが、そうした姿は病気や栄養不良によって針が抜け落ちてしまったケースがほとんどです。
つまり、本来は必ず針を持って生まれてくる動物なのです。
ハリネズミの針の正体

ハリネズミの針は体毛
では、ハリネズミの「針」とは一体何なのでしょうか。
ハリネズミの針は、実は毛が硬く進化したもの、つまり体毛の一種です。
成分は人間の髪や爪と同じ「ケラチン」というタンパク質でできています。
似たような例を挙げると、サイの角も同じ成分で作られており、動物界では毛が防御や攻撃の役割を果たすケースが少なくありません。
針自体はとても軽く、中は空洞に近いため、金属のような強度はありません。
ただし先端が鋭く尖っているため、威嚇や防御に使われると人の手にもチクッと刺さり痛みを感じます。
針は抜け替わりが行われる
飼育している人なら、ケージ掃除のときに針が落ちているのを見かけることもあるでしょう。
これは猫のひげや犬の毛が自然に抜け落ちるのと同じで、成長の過程で一部が生え変わる「正常な抜け替わり」です。
針の太さや長さ、色は個体差があり、白っぽいものから茶色がかったものまでさまざまです。
断面は白く、力を入れると意外と簡単に曲がるため、見た目ほど頑丈なものではありません。
ハリネズミの体毛で出来てる針は痛いの?
ハリネズミの針のことがある程度わかったところで、次はハリネズミの針は本当に痛いのか。
と、その前に結論から言ってしまうと「ハリネズミの針はもちろん痛い」です。
そうでないと身を守るための針の意味がありませんからね。
しかしそんなハリネズミも普段から針を立てて生活しているわけではありません。
基本的にハリネズミが針を立てるのは威嚇しているときだけで普通に過ごしてリラックスしているときなら針は寝ています。
なのでその状態なら触っても全く痛くありません。
それならハリネズミを抱っこしたり触れ合うことができるのではと思うかもしれませんがそれはハリネズミの性格にもよります。
基本的には臆病な子が多いですが人間に慣れるのが早い子はすぐに針を立てなくなり抱っこすることが出来ます。
しかし慣れない子はいつまで経っても慣れず抱っこするのは難しいでしょう。
ハリネズミの針は全部抜けることはあるの?
最後にハリネズミの針が全部抜けてしまうことがある事例をご紹介したいと思います。
それは重い皮膚病にかかってしまったときです。
先ほどに紹介したとおり、ハリネズミの針は全て体毛から出来ているため重い皮膚病のかかってしまうと全て抜け落ちてしまいます。
ちなみにハリネズミは英語でhedgehog(ヘジホッグ)といい、hedge(垣根)hog(ブタ)という意味があります。
その名の通り、針のないハリネズミはまるで小さなブタのような見た目をしています。
気になる人は検索してみましょう。
つまり、針なしのハリネズミとは思い皮膚病にかかって針が全部抜け落ちてしまった個体の事を差すのです。
ハリネズミの針に関する誤解と正しい知識

「針なしハリネズミ」は存在しない
まず大前提として、健康な状態で「針がまったくないハリネズミ」という個体は存在しません。
SNSなどで見かけることがありますが、それらは実際には皮膚病や栄養失調によって針が抜け落ちた個体であることが多いのです。
繁殖の過程で「針なし」を意図的に作り出した品種もいません。
針が抜け落ちる主な原因
針がごっそり抜ける原因は、皮膚病(ダニ・真菌)、栄養不足(特にタンパク質・ビタミン欠乏)、ストレスなどが考えられます。
特に「針抜け症(Quill loss)」と呼ばれる皮膚トラブルは有名で、放置すると針が再生しなくなることもあります。
そのため、異常に抜ける場合は必ず動物病院を受診する必要があります。
針の生え変わりと健康チェック
ハリネズミは成長の過程で自然に針が抜け変わる「クイル替え(quilling)」を経験します。
この時期は一時的に針が多く抜けても正常で、数週間から数か月で新しい針が生えてきます。
しかし、広範囲に脱毛して皮膚が赤くなったり痒がったりしている場合は病気の可能性が高いため、通常のクイル替えとの見分けが大切です。
ハリネズミの針なしはいるの?【まとめ】
健康なハリネズミに「針なし」は存在せず、抜け落ちは病気やクイル替えが原因です。
異常な脱毛を見つけたら早めに受診を。
大切な針はハリネズミの象徴でもあるので、日頃から観察し体調管理に役立てましょう。