
ポメラニアンは元気で愛らしい犬種ですが、実は体が小さいぶん病気のリスクも高めです。
この記事では、ポメラニアンがなりやすい代表的な病気と、毎日の生活でできる予防・対策をわかりやすく紹介します。

ポメラニアンがなりやすい病気
ポメラニアンは、フワフワの見た目と違って、骨格が小さいという特徴があります。
通院が必要になる目や皮膚の病気や、手術が必要な場合もある骨折など、様々なことを頭に入れておくことが大切ですよね。
ポメラニアンがなりやすい病気の、代表的なものを5つご紹介します。
気管虚脱
息を吸ったり吐いたりするときに、気管がへこんで十分に呼吸ができないという病気です。
呼吸をするときに、口をあけたままアヒルのようにガーガーという音がするのが特徴です。
遺伝的なものや、年齢とともに発症することも考えられますが、首輪を強く引っ張ったり、肥満によるものが悪化につながる場合もあるので注意が必要です。
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨とは、膝の部分にあるお皿のような骨のことを意味します。
膝蓋骨が、正常な状態から内側や外側に外れてしまい、痛みから足を床に付かずにスキップするような状態になったり、重症の場合は立てずにうずくまったりします。
成長期に骨や筋肉の形成時に発症したり、交通事故や高い所から飛び降りた時に発症したりするので、見た目のボリュームと違い骨格が小さいということをちゃんと理解しておくことが大切です。
流涙症
なんらかの原因で涙が過剰に分泌されたり、目から排出される量が多くなったりして、常に目のまわりに涙が溢れてしまう病気です。
目のまわりの毛が涙で濡れている状態が続くため、変色したり毛がくっついて固まったりする「涙やけ」の状態になります。
優しく涙を拭き取って細菌が繁殖しないようにすることが大切ですが、症状がひどい場合は、動物病院で薬をもらってくることをおすすめします。
脱毛症X
毛に艶がなくなって、頭と脚以外の部分の毛が抜けてしまう病気です。
乾燥した毛質になり、毛が抜けた部分を痒がったりすることもありません。
食事や環境で発症する病気というよりは、ホルモン異常や遺伝性などが原因とされていますが、はっきりとした原因は解明されていません。

クッシング症候群
中•高齢犬に多く発症するもので、発見に気づきにくい病気です。
腎臓に近い副腎から出る「コルチゾール」というホルモンが、異常分泌されることで発症します。
水を飲む量が増える、皮膚が薄く弱々しく見える、呼吸が早い、足腰が弱く疲れやすいなどの症状がみられます。
高齢だからと安易に考えずに、普段と違う症状がある場合は動物病院を受診しましょう。
ポメラニアンがなりやすい病気は他にもありますが、飼い主がしっかり管理してあげることがとても大切になってきます。
ポメラニアンの病気予防に役立つ生活習慣
ポメラニアンの健康を守るためには、日常の過ごし方がとても重要です。
ここでは、病気を未然に防ぐために飼い主が意識したい生活習慣を紹介します。
体の小ささに合わせた生活環境を整える

ポメラニアンは骨格が細く、体重が軽いため、ソファやベッドなど高低差のある場所は骨折や膝蓋骨脱臼の原因になりがちです。
室内では滑りにくいマットを敷いたり、段差の少ない環境を整えることがポイントです。
また、抱っこをするときも落下しないようにしっかり体を支えてあげましょう。
こうした小さな工夫が、骨や関節の病気の予防につながります。
肥満を防ぐための食事と運動管理

ポメラニアンは小食に見えてもカロリー過多になりやすく、肥満が気管虚脱や膝の病気を悪化させます。
体重は毎週チェックし、太り気味のときはおやつを減らし、散歩や遊びの時間を少しずつ増やしましょう。
ドッグフードも「小型犬・体重管理用」や「関節サポート」タイプを選ぶと、栄養をとりながら健康維持ができます。
皮膚・被毛ケアで病気を早期発見

ふわふわの被毛に隠れて、皮膚のトラブルが見逃されやすいのがポメラニアンの特徴です。
週2〜3回のブラッシングを習慣にして、脱毛や湿疹、ベタつきがないかを確認しましょう。
ブラッシングのついでに耳の中や目のまわりの汚れもチェックすることで、外耳炎や流涙症の早期発見にもつながります。
定期的なシャンプーと保湿ケアで、皮膚を健康に保ちましょう。
ポメラニアンがなりやすい病気への予防と対策

ポメラニアンがいつまでも元気に愛らしい姿でいてもらうためには、日々の生活の中で予防と対策をしっかりしていきましょう。
遺伝性やホルモン異常などは、予防が難しい部分になリますが、骨折や脱臼、気管系の病気は予防してあげることは出来ますよね。
普段と違う動きや行動をしていたら、自己判断せずに動物病院へ行きましょう。
早期発見と治療をすることで、痛い思いをさせたり、治療費が膨れ上がったりすることを減らすことができます。
日々の生活の中で、遊びの中で、対策していけることはたくさんあります。
- 首輪は、強く引っ張ったり、強くしめたりしない
- ブラッシングをして、皮膚の状態をチェックする
- 遊ぶ時は、ジャンプさせることを控える
- 呼吸器系の病気を避けるため、肥満にならないように体重管理する
- 動物病院で、定期的な健康診断をする
- 普段と違う行動をしていたら、動物病院で相談する
実際に、病気が発症してしまった場合は、長く付き合いが必要になることもあるので、ペット保険に入っておくことを考えてもいいでしょう。
飼い主がしっかり予防と対策をすることで、ポメラニアンが元気で過ごすことができますよね。

ポメラニアンがなりやすい病気【まとめ】
ポメラニアンの健康を守るには、飼い主の日々のケアが欠かせません。
ちょっとした習慣が、骨や気管、皮膚の病気を防ぐ大きな力になります。
普段から異変に気づけるよう、愛犬の体調をしっかり観察してあげましょう。