
「キャットタワーを買わなきゃダメ?」
そう悩む飼い主さんも多いですが、実はキャットタワーがなくても猫は十分に快適に暮らせます。
この記事では、キャットタワーを置かない選択のメリットや、代わりにできる工夫を詳しく紹介します。

キャットタワーはいらない?

キャットタワーは必需品ではありませんが、猫の本能を満たし、快適な環境づくりに役立つアイテムです。
爪とぎ場所を確保することで家具を傷つけずに済み、高い場所で安心して過ごせる空間にもなります。
また、登り降りやおもちゃ遊びによって運動不足やストレスの解消にも効果的です。
家庭のスペースや猫の性格に合わせて、設置するかどうかを検討すると良いでしょう。
キャットタワーは子猫にも必要?

子猫にもキャットタワーは必ずしも必要ではありませんが、運動や遊びのために早めに慣らすのは良い方法です。
活発になる生後3か月頃から使えますが、高すぎるタワーは転落の危険があるため注意が必要です。
安全のためには、1段の高さを15〜20㎝程度、全体でも100㎝以内に抑えるのが理想。
それ以上高いものは足場を設けるなど工夫しましょう。
子猫のうちは見守りながら使用し、留守中はケージで管理を。
床にマットやクッションを敷いておくと、万一の転落時も安心です。
無理に設置せず、家具を利用して十分に遊べる環境があれば問題ありません。

キャットタワーを設置するメリットとデメリット
メリット

運動不足解消
猫は高いところへ登ったり、ジャンプして飛び降りたりすることで運動をします。
おもちゃを追いかけてあそぶことでも運動はできますが、スペースの問題もあり、十分に運動できないことがあります。
キャットタワーは種類も多く、省スペースで置けるものもあるので、空間を有効に使いながら猫の遊びの幅を広げてあげることができます。
いたずら防止
キャットタワーは爪とぎがついているものもあり、家具やお部屋で爪とぎされて傷がついてしまうということを防止できます。
安心できる場所
少し高さがあり、隠れられる小部屋付きのキャットタワーなどもあり、リラックス空間にもなります。
高い位置から見渡せるので、危険がないかわかりやすく、安心できるようです。
人見知りの猫は特に来客時など、隠れたいけど相手が見えないこともストレスに感じるようです。
見晴らしがよく、相手から届きにくいところは、いざという時の隠れ家になります。
デメリット

場所をとる
転倒を防ぐためにしっかりと固定しなければいけないので、重さがあります。
スリムタイプもありますが、どうしても場所はとってしまいます。
そうじなどのじゃまになることもあるでしょう。
手入れ
キャットタワー自体もそうじする必要があります。
猫はどうしても毛が抜けるので、粘着テープなどでこまめに手入れする必要があります。
よく吐く子もいるので、吐いた時は洗いにくいため相当手間になるでしょう。
老猫になると必要なくなる
老猫になるとジャンプ力もなくなり、キャットタワーに登ることはなくなります。
飼っている間ずっと使うことはありません。
しかし大きさもそこそこあるため、気軽に処分できないのはデメリットとなります。
キャットタワーは絶対に必要かと問われると、そうではありません。
メリット・デメリットをよく理解した上で、導入するか考えましょう。
キャットタワーの選び方

2つのタイプ
キャットタワーは大きく分けて「突っ張り型」と「据え置き型」の2つのタイプに分かれます。
突っ張り型のキャットタワーは、床と天井でしっかりと固定されるため安定性が高く、場所をとらずに設置できます。
一方、据え置き型のキャットタワーは、バリエーション豊富で猫の好奇心を刺激し、おもちゃや爪とぎなどが付属しています。
突っ張り型はやんちゃな猫に向いており、据え置き型は様々な年齢や体格の猫に適しています。
猫の好みと行動パターン
まず、猫の好みや行動パターンを考慮しましょう。
猫が高い場所が好きなのか、爪とぎが必要なのか、運動を楽しむのかなどを把握し、それに合ったタワーを選びましょう。
マンチカン等の短足の猫はジャンプ力がないため、タワーに登れるかどうかの確認が必要です。
タワーのサイズと形
タワーのサイズや形も重要です。
猫が自由に移動できる広さがあるか、タワーの高さやプラットフォームの配置が猫にとって快適かどうかを確認しましょう。
安全性
タワーの安定性と耐久性も重要な要素です。
特に大型猫や活発な猫の場合は、しっかりとした構造のタワーを選ぶことが重要です。
またタワーが猫にとって安全であるかどうかも確認しましょう。
鋭利なエッジや突起物がないか、安全な素材で作られているかを確認し、猫がけがをしないように注意しましょう。
設置場所とスペース
タワーを設置する場所とスペースも考慮しましょう。
家のレイアウトや猫がよくいる場所に合わせて、適切なサイズや形のタワーを選びましょう。
キャットタワーの代わりになるもの

キャットタワーは費用もかかり、使わなくなるかもしれないなら代用できるものがないかと考える人もいるでしょう。
今ある家具に登っても問題ないなら、キャットタワーをわざわざ購入する必要はありません。
タンスや冷蔵庫の上など、猫はびっくりするようなところでも登っていきます。
キャットタワーを使用できない場合、猫が活動的で健康的な生活を送るためにいくつかの代替案があります。
ハイタイプのゲージ
お留守番用などにゲージを置く方が多いと思います。
ゲージにもたくさん種類があり、ハイタイプのものは上下運動ができるように棚板を取り付けられるものがあります。
キャットタワーとゲージ二つを置く余裕はなくても、ゲージは置くつもりという方はハイタイプも検討してみてはいかがでしょうか。
壁にキャットステップをつける

壁に棚板を階段状に取り付け、キャットステップで代用することもできます。
板とビス、L字金具があれば自分で簡単にできます。
賃貸の場合は難しいかもしれませんね。
家具を組み合わせる
ラックや収納棚を組み合わせてキャットタワーのように猫が遊べるように工夫している方もいます。
家にある収納棚などを代用できるので、コストも抑えやすいです。
キャットシェルフ
キャットシェルフは、壁に取り付けられる棚のようなもので、猫が高い場所に登ることができます。
キャットタワーの機能を部分的に代替することができますが、キャットタワーほどの高さや複雑さはありません。
キャットツリーの部分的な利用

キャットツリーの一部、例えば爪とぎのみを使用する、またはキャットツリーのプラットフォームを床に置いて使用することもできます。
これにより、猫が高い場所に登ることができる場所を提供することができます。
トンネルやボックス

猫が隠れるのが好きな場合、トンネルやボックスを提供することで、猫が安全な場所を見つけることができます。
これはキャットタワーの一部の機能を代替することができます。
室内遊具やおもちゃ

キャットタワーの代わりに、猫が遊べる室内遊具やおもちゃを提供することも考えられます。
例えば、キャットタワーに付属するおもちゃを使用することで、猫が運動を楽しむことができます。
これらの代替案は、キャットタワーのすべての機能を完全に代替するものではありませんが、猫が健康的で満足な生活を送るために役立つことがあります。
猫の好みや行動パターンに合わせて、適切な代替案を選択しましょう。
キャットタワーを置かず猫が快適に過ごせる環境

キャットタワーなしでも猫は幸せに暮らせる
キャットタワーがなくても、猫が十分に満足して生活できる環境を作ることは可能です。
大切なのは「上下運動」と「安心できる居場所」をどう確保するかです。
例えば、窓辺にクッションを置いて“日向ぼっこスペース”を作ったり、ソファや棚の配置を工夫して段差を設けたりするだけでも、猫は喜んでくつろぎます。
キャットタワーの代わりに、猫が見晴らしの良い場所に自由に登れるような家具配置を意識すると良いでしょう。
結局のところ、猫にとって重要なのは“登ること”そのものより、“自分の居場所があること”です。
キャットタワーを置かないメリット
キャットタワーを設置しない選択には、実は以下のような利点もあります。
- 掃除がしやすい:大きなタワーがない分、毛やホコリの溜まり場が減ります。
- インテリアを圧迫しない:部屋がすっきり広く見えるので、ワンルームなどでも快適。
- 処分や買い替えの手間がない:老猫になって使わなくなっても、片付けに困ることがありません。
とくに多頭飼いの場合は、1匹ずつの性格や行動パターンが違うため、「タワーを使う猫」と「全く興味を示さない猫」が出てきます。
そうした場合も、無理に全員分設置するより、猫それぞれに合わせた環境を作る方が効率的です。
キャットタワーがいらない猫の特徴
キャットタワーがなくてもストレスを感じにくい猫の特徴には、次のようなものがあります。
- 成猫で落ち着きがあり、あまり走り回らないタイプ
- 飼い主の近くで過ごすことを好む甘えん坊タイプ
- 家具や棚などで自然に上下運動ができる環境にいる猫
こうした子は、あえてタワーを設置しなくても満足度が高い傾向にあります。
「キャットタワーを置かない=可哀想」ではなく、猫の性格と家の構造に合った選択をすることが最も重要です。

キャットタワーは必要か?【まとめ】
キャットタワーは“猫の幸せの条件”ではありません。
家の家具配置や見晴らしの良い場所を工夫すれば、猫は自然に満足して過ごせます。
キャットタワーを置かない選択も立派な愛情。あなたの猫に合った快適空間を見つけましょう。