
犬が腕や膝に前足をそっと乗せてくる仕草は、思わず笑顔になるほどかわいい行動ですよね。
ただ、この行動にはいくつかの感情や意図が隠れています。
何を伝えたいのかが分かると、愛犬とのコミュニケーションが一気に深まり、より快適な関係を築けます。
この記事では、前足を乗せてくる理由と家庭での上手な接し方をまとめました。
犬が前足を乗せてくる時の感情5選

食事中や、スマホを操作しているときなど、ふと気づくと愛犬が側にいて、足や腕にちょこんと前足を乗せてくることありませんか?
愛犬は、飼い主に何を訴えようとしているのでしょうか。
「遊ぼうよ〜」
いちばん可能性が高いと思えるのが、飼い主さんに遊んでほしいという「要求」です。
飼い主さんがテレビをみていたり、スマホに集中していたりすると、「いつ遊んでくれるのかなぁ?」と、ソワソワしているでしょう。
遊んでほしいときは、持ってきたおもちゃを自分の横に置いてから飼い主さんの膝にちょこんと前足を乗せてくるという行動をとったりします。
我が家の愛犬は、遊んでほしいときには必ずおもちゃを持ってきて、加えたまま前足を乗せてくるんです。
あまりにもかわいいので、気づかないふりをしてみると、「ふんっ!」と鼻を鳴らしておもちゃを私の顔目掛けて放り投げるんです。
犬って、遊んでアピールが上手ですよね。
「お腹空いたよ〜」
そろそろご飯の時間じゃない?お腹空いたよ!という、飼い主への要求です。
仕事や外出などでバタバタしていて、愛犬のご飯の時間が過ぎているときに、足元にやってきて前足を乗せてくるという状態です。
犬の体内時計は、人間よりも正確なので毎日同じ時間にご飯を与えていると、その時間を過ぎると体内時計の感覚でご飯を要求してきます。
我が家の愛犬は、ご飯の時間を過ぎると私のあとをずっと追いかけてきて、立ち止まると後ろ足だけで立ち上がって前足をピタッとふくらはぎにくっつけてきます。
「お散歩行こうよ〜」
犬の中での1日のメインイベントかも知れない、「お散歩」に行きたいという欲求ですね。
お散歩が好きな子は、「お散歩行く?」と聞いただけでも、全身で喜びを表します。
また、ご飯のときと同じくお散歩に行く時間が毎日決まっている場合は、時間が近づくとソワソワするようになります。
我が家の愛犬は、お散歩に行きたいときに、まず私にアピールしにきて、さらにリードを入れているカゴと私を交互に見てきます。
お散歩に行きたくて、前足をチョンチョンと乗せてくる姿は、本当にかわいいですよね。
「わたしのこと忘れてない〜?」
1番目の「遊んで」欲求と似ているのですが、こちらは飼い主さんがいちばん偉いということを理解しているため、アピールは若干弱めです。
「お仕事してるのかな?」「今アピールしてもいいかな?」など考え、少しづつ飼い主に近づき、最終的にちょこんと前足を乗せてくるという状態です。
飼い主の邪魔をしてはだめだとわかっているけど、自分のことを忘れていないか確認しているという、なんとも愛らしい欲求です。
我が家の愛犬は、「あのぉ〜、今いいですか?」とでも言っているかのような目で、申し訳なさそうな感じで前足でポンポンと膝を叩いてきます。
「なでてほしいよ〜」
たくさん遊んだあと、まだまだ遊び足りないなどの場合に多い行動です。
ただし、こちらの欲求は常に答えていると、いつでも飼い主さんは遊んでくれると勘違いさせてしまう可能性があります。
単なるわがまま欲求を通さないようにしないと、しつけ直すことが大変なので注意しましょう。
犬が前足を乗せてくるときの「しつけ」と「接し方」

前足をちょこんと乗せてくる仕草は愛情いっぱいのサインですが、受け取り方を間違えると“要求吠え”や“わがままクセ”につながることもあります。
かわいさに甘やかしすぎず、気持ちを理解しながら適切に対応することで、より健全なコミュニケーションが取れるようになります。
甘やかしすぎない境界線を作る
前足で触れてきた時に毎回すぐに反応すると、「足を乗せればなんでも叶う」と学習してしまうことがあります。
かわいい仕草ほど線引きが大切で、対応するタイミングと無視するタイミングをゆるやかに区別していくと、犬の心も安定します。
必ずしも「無視する」必要はなく、落ち着いてから優しく応えるだけでも十分効果があります。
要求の種類を見極めて応える
「ごはんの時間」「散歩の時間」「遊びたい気分」など、前足を乗せてくる理由は様々です。
犬は毎回同じ仕草でも微妙に態度が違うため、表情・尻尾の動き・体全体のリズムを観察すると気持ちが読み取りやすくなります。
必要な要求であれば応える、わがままなら少し待たせる。このメリハリが生活リズムの安定につながります。
前足コミュニケーションを上手に育てる
この行動は、犬が飼い主を信頼しているからこそ出るサインです。
適切に受け取りつつ、前足で触れてきたら落ち着いて声を掛けたり、軽くなでたりするだけでも愛犬の安心感は大きくなります。
「前足を乗せる=安心できる時間」と学ぶことで、絆がさらに深まっていきます。
犬が前足を乗せてくる理由とは?【まとめ】
前足を乗せてくる行動は、甘え・要求・確認など、犬が飼い主に気持ちを伝えようとする自然なコミュニケーションです。
気持ちを理解しつつ、必要な境界線を作ることで、犬も人も安心して過ごせるようになります。
愛犬が前足で触れてくる瞬間をきっかけに、もっと仲良くなれる時間を育てていきましょう。