
「うちのマルチーズ、でかいかも?」と思ったことはありませんか?
実は、マルチーズの体格差は珍しくありません。
この記事では、標準サイズとの違いや、でかくなる理由、健康面の注意点を詳しく解説します。

マルチーズで「でかい」子もいるのはなぜ?

マルチーズは同じ犬種であっても、見た目の大きさにかなり個体差があります。
標準体重はおよそ2.5〜3kgですが、中には4〜5kgを超える子もめずらしくありません。
では、なぜ「でかい」と言われるマルチーズが生まれるのでしょうか。
遺伝による骨格の違い
まず考えられるのが遺伝による骨格の違いです。
両親のどちらか、または祖先に大柄なマルチーズがいる場合、その体格を受け継ぐことがあります。
特に母犬のサイズは影響が大きく、しっかりした骨格を持つ子犬が生まれやすくなります。
成長期の栄養状態
次に影響するのが成長期の栄養状態です。
子犬のころに良質なたんぱく質をしっかり摂っていると、骨や筋肉が健康的に発達し、体格ががっしりして見えることがあります。
逆に、過度な高カロリー食やおやつの与えすぎは肥満の原因となり、本来より「でかく見える」こともあります。
運動量の違い
また、運動量の違いも体型に影響します。
室内中心の生活であまり動かない子は、筋肉より脂肪がつきやすく、ふっくらとした体つきになります。
一方で、適度に散歩や遊びをしているマルチーズは、筋肉がついて全体的に引き締まった印象になります。
毛量の違い
さらに、毛量の違いも見た目の印象を左右します。
同じ体重でも、フルコートに近い長毛の子は体が倍近く大きく見えることもあります。
トリミングで毛を整えるだけでも、印象ががらりと変わります。
マルチーズに“スタンダードサイズ”は存在するの?
「プードルにはスタンダードやトイがあるのに、マルチーズにはいないの?」
そんな疑問を持つ人も多いでしょう。
実はマルチーズは、プードルのように体格で犬種が分かれていません。
つまり、マルチーズという犬種はすべて1種類であり、「でかい」「小さい」はあくまで個体差の範囲です。
プードルは体格で犬種が分かれる

プードルの場合、最初に存在したのは「スタンダードプードル(大型)」です。
その後、小型化の交配が進み、ミニチュアプードル・トイプードルが誕生しました。
つまり、元々はサイズごとに独立した系統が確立しているのです。

マルチーズは最初から超小型犬

一方マルチーズは、古代から人に寄り添う「愛玩犬」として存在しており、そもそも大型化したルーツを持たない犬種です。
そのため、マルチーズには「スタンダードサイズ」「トイサイズ」といった分類は公式にはありません。
どの子も血統上は同じ「マルチーズ」として登録されます。
“ティーカップマルチーズ”や“大きめマルチーズ”は非公式呼称

近年では、ブリーダーや飼い主の間で便宜的にこう呼ばれることがあります。
| 呼び方 | 体重の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| ティーカップマルチーズ | 2kg未満 | 超小型。血統上は存在しないが人気 |
| 標準マルチーズ | 約2.5〜3kg | 理想的な体格とされる範囲 |
| 大きめマルチーズ | 4kg〜5kg以上 | 骨格しっかりタイプ。健康なら問題なし |
ただしこれらはJKC(ジャパンケネルクラブ)やFCI(国際畜犬連盟)では非公認です。
呼び方の違いこそあれ、どの子も立派なマルチーズであり、血統的な差はありません。
成犬のマルチーズの体型と個体差

マルチーズは生後8か月ごろに成犬の体型が完成します。
体高はおよそ23〜25cm、体重は2.5〜3kgが理想的な範囲です。
見た目はふんわりしていますが、毛を分けると意外と引き締まった体をしています。
体格には個体差があり、小さい子では2kg前後、大きい子では5〜6kgに達することもあります。
この差は遺伝や骨格の違いによるもので、必ずしも病気や肥満とは限りません。
特に骨太な体格の子は体重が重くても健康的な場合が多いです。
体型の目安としては、肋骨を軽く触ってわかる程度が理想です。
脂肪に覆われてアバラが確認しにくい場合は、少し太り気味かもしれません。
反対に、ゴツゴツ触れるようであれば痩せすぎのサインです。
小さすぎるマルチーズの場合

平均よりも極端に小さいマルチーズは、成長不足や先天的な病気の可能性があります。
膝蓋骨脱臼や水頭症、心臓病などのリスクが高く、下痢や嘔吐、歩行異常が見られたら早めに動物病院へ。
また、体が小さい女の子は出産時に難産になることがあるため、繁殖を考えている場合は特に注意が必要です。
大きめのマルチーズの場合

標準より大きくても、健康であればまったく問題ありません。
多くは遺伝的な体格差で、両親や祖先に大柄なマルチーズがいるケースもあります。
注意すべきは「太りすぎ」だけです。
体重が増えすぎると、心臓や呼吸器への負担がかかり、足腰のケガや関節トラブルの原因にもなります。
定期的に体重と体型をチェックして、適度な運動を心がけましょう。

マルチーズが「でかい子」はなぜ?【まとめ】
マルチーズの「でかさ」は必ずしも悪いことではありません。
遺伝や骨格による自然な違いも多く、健康であれば問題なし。
ただし、肥満による体重増加は関節や心臓に負担をかけるため、日々の食事と運動で体型維持を心がけましょう。