
アクアリウムで人気のヤマトヌマエビとミナミヌマエビ。
どちらも「掃除屋」として活躍しますが、見た目や生態には明確な違いがあります。
本記事では見分け方のポイントや飼育で迷いやすい点、混泳のコツを初心者向けに解説します。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの見分け方とは?

成熟した2匹ならば体の大きさから判断が可能、体の模様からも判断できます。
ヤマトヌマエビ

ヤマトヌマエビは成長すると5センチ位にもなる大型のエビです。
その大きさは成熟したメダカよりも大きくなり、ヤマトヌマエビ1匹で存在感が強いです。
ミナミヌマエビ

対してミナミヌマエビは成長しても2~3センチほど、魚と混泳させてもあまり目立つことのないエビです。
あまり成長していない2匹だと、大きさだけだと判断しづらいと思います。
次は体の模様について、2匹の体の側面を見てみましょう。
体の側面に赤い斑点があればそれはヤマトヌマエビです。
ミナミヌマエビにはありません。
成長しきっていない2匹を見分ける時は赤い斑点があるかどうかで見分けることが出来ますね。
ヤマトヌマエビの赤い斑点はいつできる?

ヤマトヌマエビは幼体の頃から体側に赤っぽい斑点模様が現れます。
大きさが小さくても、この斑点は比較的はっきりしているため、ミナミヌマエビ(透明〜薄茶色で模様がほぼ無い)と見分けるポイントになります。
ただし注意点もあります。
- 稚エビの段階では判別が難しい
ヤマトヌマエビは孵化後しばらくは海水で育つため、ショップなどで販売されるのはある程度育った個体です。このため「本当に小さな稚エビの時点」で赤い斑点を見て判別するのは困難です。 - 判別できるのは淡水で販売されるサイズ以降
一般に販売される2cm前後以上の個体なら、斑点模様が出ているためミナミとの違いがわかります。
補足:稚エビの大きさ比較について
このため、流通段階や飼育環境によっては「ヤマトよりミナミの方が大きく見える」ケースもあります。判別する際は大きさよりも赤い斑点の有無や体色の違いに注目すると確実です。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの違い・特徴

ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは生まれも育ちも違います。
まずは生息地。
ヤマトヌマエビはキレイな川に住んでいる
ヤマトヌマエビの生息する川はキレイな川、と言われる位キレイな川に住んでいます。
ヤマトヌマエビは生まれたら海まで流され、海水と淡水の混ざった水で成長。
成長したら川に戻り、親エビと同じように暮らします。
ヤマトヌマエビは海につながったキレイな川の中流から上流に生息しています。
ミナミヌマエビは沼や池、川・用水路にも生息可能
ミナミヌマエビは沼や池、川にもいますし、用水路にも生息しています。
川に住んでいるミナミヌマエビは中流から下流に生息。
ヤマトヌマエビは水流の強い場所にいるようですが、ミナミヌマエビはあまり水流が起こらないよう場所にも生息しています。
ミナミヌマエビはヤマトヌマエビとは違い生まれたら海に行きません。
そのまま親エビと同じ場所で成長します。
その他にも違いがあります。
食べる量の違い=掃除能力の違い
大きさからもわかるようにヤマトヌマエビの方がたくさん食べます。
となると自ずと、アクアリウムでも水槽の掃除能力ではヤマトヌマエビの方が上と言われています。
短命ながらも繁殖力の強いミナミヌマエビ
寿命にも違いがあります。
ヤマトヌマエビの寿命は2~3年、上手に育てれば5年も長生きしてくれます。
ミナミヌマエビの寿命は1年半と短いです。
寿命が短いですが、繁殖力、繁殖の容易さはミナミヌマエビの方が圧倒的に強いです。
ミナミヌマエビは放っておくと増えている、という話をよく聞きます。
寿命が短い分定期的に繁殖させていれば、水槽内の掃除屋を不足することなく飼育できますね。

対してヤマトヌマエビを繁殖から育てるまでは大変です。
まず海水と淡水を混ぜた汽水を用意しなければならない上に、生まれたばかりのヤマトヌマエビの生存率はヤマトヌマエビよりもかなり低いです。
飼育初心者が迷いやすいポイントと選び方のコツ
価格と入手のしやすさ
ミナミヌマエビはホームセンターやペットショップ、ネット通販などで安価に手に入りやすく、10匹単位で販売されていることも多いです。
繁殖力が強いため、少数からでも水槽内で数を増やせる点が魅力です。
対してヤマトヌマエビはミナミより高価で、販売単位も少なく、繁殖が難しいため基本的には購入した個体を維持する形になります。
価格と繁殖性を考えると、コストパフォーマンス重視ならミナミ、掃除力を優先するならヤマトが向いています。
水槽サイズとレイアウトとの相性
小型水槽であればミナミヌマエビの方がサイズ的に扱いやすく、混泳魚に圧迫感を与えません。
30cm未満の小型水槽ならミナミをおすすめします。
一方、60cm以上の大きめの水槽でコケ取り能力を最大限に活かしたい場合はヤマトが効果的です。
ヤマトは大食漢なので、水草や流木のコケを効率的に除去してくれます。
繁殖目的か、掃除目的か
「繁殖を楽しみたい」ならミナミヌマエビ一択です。
室内でも屋外でも簡単に繁殖し、寿命の短さをカバーしてくれます。
逆に「繁殖は考えずに、掃除能力を重視したい」という場合にはヤマトヌマエビが適しています。
汽水での繁殖環境を整えるのは初心者には難しいため、増やすより維持を意識して飼育すると良いでしょう。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの混泳はできる?

混泳は可能
大きさも育ちも場所も違いますが、混泳は可能です。
生息する川は少し違いますが、同じ日本のエビなのでどちらも日本の気候に対応しています。
冬の水温も5℃くらいなら耐えることが出来ますので、室内でも屋外でも飼育できます。
水質も違いはありません。
定期的な水替えをしていれば問題なく飼育できます。
どちらのエビも雑食性で魚の餌の食べ残しやフン、魚の死骸や水草までなんでも食べてくれます。
飼育者が料理をした野菜くずを入れておくと食べてくれる、という話もありました。
生ごみが出ないのでとてもエコですね。
ヤマトヌマエビがミナミヌマエビを捕食する可能性はある?
基本的にヤマトヌマエビは雑食性で、魚の食べ残しや苔、水草の破片などを食べる「掃除屋」として知られています。
通常はミナミヌマエビを積極的に捕食することはありません。
しかし、条件によっては弱ったミナミヌマエビや稚エビがヤマトに捕食されるケースが報告されています。
ヤマトは体格が大きいため、動きの鈍い個体を捕らえる力を持っているからです。
捕食が起こりやすい状況
- 餌が不足しているとき
十分に与えられていないと、ヤマトは落ち葉や死骸だけでなく弱った個体にも手を出す可能性があります。 - 稚エビとのサイズ差が大きいとき
成体のヤマトは稚エビにとって脅威になり得ます。水槽内に隠れ家が少ないと捕食されやすくなります。 - ストレスや過密環境
水槽が狭すぎたり、隠れ場所が不足しているとエビ同士の小競り合いが起きやすくなり、その延長で弱い個体が食べられることがあります。
対策方法
混泳を安全に楽しみたいなら、十分な餌を与えること、隠れ家になる水草や流木を設置することが有効です。
また稚エビを繁殖させたい場合は、繁殖用にミナミだけの水槽を用意するのが無難です。
ミナミヌマエビとヤマトヌマエビ間での交配は起こる?
結論から言うと、ミナミヌマエビとヤマトヌマエビの間で交配は起こりません。
両者は外見こそ似ていますが、属も繁殖様式も異なるため、自然に交配して子孫を残すことは不可能です。
属の違い
- ヤマトヌマエビ:Caridina(カリディナ属)
- ミナミヌマエビ:Neocaridina(ネオカリディナ属)
近縁ではありますが属が異なるため、生殖行動をとっても受精や発生は成立しません。
繁殖環境の違い
ヤマトヌマエビは稚エビが汽水(淡水と海水の中間環境)で育つ必要があります。一方でミナミヌマエビは孵化直後から淡水で生活できます。この環境条件の違いも、交配・繁殖を不可能にしている大きな要因です。
誤解されやすいポイント
同じ水槽内で飼育していると、ヤマトとミナミが寄り添っていたり、交尾行動のように見える仕草をすることがあります。
しかし実際には繁殖には至らず、卵があっても孵化しません。
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビの見分け方【まとめ】
ヤマトヌマエビとミナミヌマエビは似ているようで、サイズ・模様・寿命・繁殖力に違いがあります。
どちらにも魅力があるため、目的に合わせて選ぶと失敗しません。
水槽に余裕があれば混泳も可能なので、どちらも飼育して自分に合ったスタイルを見つけてみましょう。