
フクロモモンガを飼っていて、「思ったより噛む力が強い」「指を噛まれて血が出た」と驚いた経験はありませんか?
フクロモモンガは小さな動物ですが鋭い歯を持っているため、本気で噛まれると皮膚が傷つき、出血することがあります。
ただし、フクロモモンガが人の手や指を噛む理由は一つではありません。怖がっている場合もあれば、触られたくない、手や指を確認しているなど、そのときの状況によって異なります。
この記事では、フクロモモンガに噛まれて血が出ることはあるのか、噛む力や痛さ、甘噛みと本気噛みの違い、噛む理由、噛み癖を減らすための接し方について解説します。
フクロモモンガに噛まれて血が出ることはある?

フクロモモンガに本気で噛まれると、血が出ることがあります。
体が小さいため「噛まれてもそれほど痛くないのでは?」と思うかもしれませんが、鋭い歯で皮膚を噛まれるため油断はできません。
本気噛みでは血が出ることもある
軽く噛まれた程度であれば皮膚に跡が残る程度の場合もありますが、強く噛まれると皮膚が傷ついて出血することがあります。
特に怖がって逃げようとしているときや、強く警戒しているときに無理に手を出すと、身を守るために強く噛む可能性があります。
フクロモモンガの体の大きさだけを見て「噛まれても大丈夫」と考えず、威嚇しているときには無理に触らないようにしましょう。
甘噛みと本気噛みの違い
フクロモモンガが手や指を口にする行動が、すべて攻撃を意味するわけではありません。
手や指を軽く噛んですぐに離す程度の場合もあれば、警戒して強く噛みつく場合もあります。
見るべきなのは、噛む力だけではなくその前後の様子です。
鳴き声を出して威嚇している、体をこわばらせている、逃げようとしているなどの様子がある場合は、嫌がっている可能性を考えて接触をやめましょう。
「甘噛みだから大丈夫」と決めつけるのではなく、フクロモモンガの反応を見ながら接することが大切です。
噛まれて血が出たときの対処法
フクロモモンガに噛まれて皮膚が傷ついた場合は、まず傷口を流水と石けんでよく洗い、清潔にします。
出血している場合は清潔なガーゼなどで圧迫して止血します。
傷が深い、出血がなかなか止まらない、強い痛みがある場合などは医療機関への相談を検討してください。
また、時間が経ってから赤みや腫れ、熱感、膿、痛みの悪化などが見られる場合も受診が必要になることがあります。
動物に噛まれた傷は小さく見えても感染につながる場合があるため、出血した傷をそのまま放置しないようにしましょう。
フクロモモンガの噛む力は強い?噛まれると痛い?

フクロモモンガの噛む力について「何kgある」といった単純な数値で表すのは難しいものの、人の皮膚を傷つけることがある程度には注意が必要です。
フクロモモンガは昆虫なども食べる雑食性の動物で、小さな体に鋭い歯を持っています。
そのため本気で指などを噛まれると、強い痛みを感じたり血が出たりすることがあります。
一方、噛む強さは毎回同じではありません。
軽く口を当てる程度の行動と、恐怖や警戒から強く噛みつく場合では、受ける痛みも大きく異なります。
大切なのは「どのくらい強く噛めるのか」だけではなく、フクロモモンガがなぜ噛んでいるのかを考えることです。
フクロモモンガが人を噛む理由は?

フクロモモンガが噛むと、「なついていないのかな?」と心配になるかもしれません。
しかし、噛むという行動だけで飼い主になついていないと判断することはできません。
そのときの状況を確認して原因を考えてみましょう。
怖くて警戒している
フクロモモンガは警戒しているとき、鳴き声を出したり、相手を遠ざけようとしたりすることがあります。
特に迎えたばかりで人に慣れていない時期や、知らない人の手が突然近づいてきた場合などは、恐怖から噛むことがあります。
威嚇している状態でさらに手を近づけると、本気噛みにつながる可能性があります。
まずは「触ること」よりも、人の存在に慣れてもらうことを優先しましょう。
触られたくない・逃げたい
眠っているときに起こされたり、嫌がっているのに捕まえようとしたりすると、逃げるために噛むことがあります。
この場合、噛むこと自体を叱っても根本的な解決にはなりません。
「どのタイミングで噛んだのか」を振り返ると、触られたくない状況だったことに気づける場合があります。
フクロモモンガが逃げようとしているときには、無理に追いかけたりつかんだりしないようにしましょう。
手や指を確認するように噛む
フクロモモンガが手や指に興味を示し、口を使って確認するような行動をすることもあります。
食べ物の匂いが手についている場合などは、指に口を近づける可能性もあります。
食べ物を扱った後は手を洗ってから触れるなど、噛み間違いにつながりそうな状況を減らしておくとよいでしょう。
発情期などで行動が変化している
それまではあまり噛まなかったフクロモモンガでも、時期や状態によって行動に変化が見られることがあります。
発情に伴って落ち着きがなくなったり、ほかの個体に対する行動が変わったりする場合もあります。
「以前は噛まなかったから、この子は絶対に噛まない」と考えず、その日の様子を見ながら接することが大切です。
急に噛むようになったら体調にも注意する
これまで普通に触れていたのに、ある日から特定の場所を触ると急に噛むようになった場合は注意が必要です。
単なる噛み癖ではなく、触られると痛い場所がある可能性も考えられます。
食欲や活動量などにも変化がある、体に触れると強く嫌がるなど普段と違う様子が見られる場合は、エキゾチックアニマルを診療できる動物病院への相談を検討しましょう。
フクロモモンガの本気噛み・噛み癖を減らす方法

噛み癖を減らしたい場合は、噛んだ後に罰を与えるのではなく、噛む原因やサインを見極めて噛まれる状況を減らすことが大切です。
威嚇しているときは無理に触らない
フクロモモンガが威嚇しているときは、無理に触らないことが基本です。
「ジコジコ」「ギーギー」といった鳴き声を出していたり、明らかに警戒した様子を見せていたりする場合は、いったん距離を取ります。
警戒しているのに手を近づけ続ければ、「噛まなければ離れてくれない」という状況を作ってしまいます。
噛む前のサインに気づき、噛まれる前に接触をやめることが重要です。
飼い主の匂いや声に少しずつ慣らす
迎えたばかりのフクロモモンガには、すぐに触ろうとするのではなく、飼い主の存在を覚えてもらう時間を作りましょう。
優しく声をかけるなど、怖いことをしない存在だと少しずつ理解してもらいます。
個体によって人に慣れるまでの期間は異なります。
焦って触れ合おうとせず、その子のペースに合わせることが大切です。
噛まれても大声を出したり急に振り払ったりしない
突然強く噛まれると、反射的に手を振り払いたくなるかもしれません。
しかし、大声や急激な動きによってフクロモモンガがさらに驚く可能性があります。
また、手を激しく振るとフクロモモンガ自身が落下してケガをする危険もあります。
可能な範囲で落ち着いて対応し、まず安全に距離を取るようにしましょう。
噛む前のサインを見逃さない
噛みつきを減らすためには、噛んだ後だけでなく「噛む前」に注目することが大切です。
警戒時の鳴き声や逃げる動き、体をこわばらせる様子などがあれば、それ以上触らないようにします。
フクロモモンガの「ジコジコ」「ギーギー」などの鳴き声については、関連記事でも詳しく解説しています。

噛んだからといって叩いたり強く叱ったりしない
噛まれたときに鼻先を叩いたり、強く叱ったりする方法はおすすめできません。
恐怖が原因で噛んでいる場合、人の手に対する警戒をさらに強める可能性があるからです。
噛んだことへの罰を考えるより、「なぜ噛んだのか」「噛む直前にどのようなサインがあったのか」を確認しましょう。
噛ませない接し方を繰り返しながら、少しずつ信頼関係を築いていくことが大切です。
フクロモモンガが急に噛むようになったのはなぜ?
以前は噛まなかったフクロモモンガが急に噛むようになると、「性格が変わったの?」と不安になりますよね。
しかし、まず確認したいのは性格ではなく、環境や接し方、体調などに変化がなかったかです。
飼育環境や接し方が変わっていないか確認する
ケージの場所を変えた、新しい家族やペットが増えた、生活時間が変化したなど、環境の変化がストレスにつながる場合があります。
また、以前より長時間触るようになったなど、人側の接し方が変化している可能性もあります。
いつから噛み始めたのかを振り返り、その前後に変化がなかったか確認してみましょう。
触る場所によって嫌がっていないか確認する
どこを触っても噛むのか、特定の場所を触ったときだけ噛むのかも重要です。
特定の場所に触れたときだけ嫌がるのであれば、その部分に違和感や痛みがある可能性も考えられます。
無理に何度も触って確認するのではなく、ほかの異変がないか観察してください。
痛みや体調不良が疑われる場合は動物病院へ
急に攻撃的になったように見える場合でも、背景に体調不良が隠れている可能性があります。
食欲がない、元気がない、動き方がおかしい、触ると強く嫌がる、口元に異常があるなど、噛む以外にも変化が見られる場合は注意しましょう。
気になる症状がある場合は、フクロモモンガなどのエキゾチックアニマルを診療できる動物病院に相談してください。
フクロモモンガの歯の特徴

フクロモモンガが噛むと痛い理由を理解するために、歯についても知っておきましょう。
フクロモモンガはハムスターなどとは分類が異なるため、歯の特徴にも違いがあります。
フクロモモンガはげっ歯類ではない
名前や見た目からリスやネズミの仲間だと思われることがありますが、フクロモモンガはげっ歯類ではありません。
カンガルーやコアラなどと同じ有袋類の仲間です。
そのため、ハムスターやネズミの前歯のように、一生伸び続ける歯を持っているわけではありません。
フクロモモンガの歯の本数
成体のフクロモモンガには40本の歯があります。
前方には食べ物をかじるための歯があり、口の奥にも食べ物を処理するための歯があります。
人の指を強く噛んだ場合には皮膚を傷つけることがあるため、口元を無理に触らないようにしましょう。
歯は一生伸び続ける?
フクロモモンガはげっ歯類ではないため、歯が一生伸び続けるわけではありません。
そのため、「歯を削るために硬いものを必ずかじらせなければならない」という考え方は、ハムスターなどと同じようには当てはまりません。
安全なおもちゃなどを用意することは行動の選択肢を増やすことにつながりますが、歯を削る目的だけで硬すぎるものを与える必要はありません。
歯磨きは必要?
フクロモモンガに人と同じような歯磨きを日常的に行うのは現実的ではありません。
口の健康を保つためには、適切な食事管理と日頃の観察が重要です。
口臭が急に強くなった、よだれが増えた、食べにくそうにする、口元を気にするといった変化がないか確認しましょう。
歯が抜ける・口に異常がある場合は注意
歯がぐらついている、抜けた、口から出血している、よだれが多い、食べ物をうまく食べられないなどの異常がある場合は注意が必要です。
口腔内の病気や外傷など、さまざまな原因が考えられます。
原因を自己判断せず、口元に明らかな異常が見られる場合は動物病院で診てもらいましょう。
多頭飼いでフクロモモンガ同士が噛む場合

フクロモモンガは複数で飼育されることもありますが、すべての個体同士が必ず仲良くできるわけではありません。
相性や導入方法によっては、フクロモモンガ同士で噛み合うこともあります。
相性によってケンカすることがある
同じフクロモモンガでも性格や相性には個体差があります。
威嚇だけで終わる場合もありますが、実際に噛みついてケガをさせるようであれば注意が必要です。
「そのうち仲良くなるだろう」と放置せず、ケガの有無を確認しましょう。
新しい個体をいきなり同じケージに入れない
すでに生活しているフクロモモンガのケージへ、新しく迎えた個体をいきなり入れるのは避けましょう。
新しい個体を迎えた場合は健康状態の確認も必要です。
そのうえで、別々の安全な環境から存在や匂いに慣らすなど、慎重に進めます。
フクロモモンガの多頭飼いについては、別記事でも詳しく紹介しています。

ケガをするほど噛み合う場合は分ける
同居後も激しく追い回す、噛みつく、出血するなどの状態が続く場合は、無理に一緒に飼育しないようにしましょう。
ケガを繰り返す状態であれば、安全のためにケージを分ける必要があります。
傷を負っている場合は状態を確認し、必要に応じて動物病院へ相談してください。
フクロモモンガに噛まれて血が出る場合と噛み癖【まとめ】

フクロモモンガは小さな動物ですが、本気で噛まれると痛みを感じ、皮膚が傷ついて血が出ることがあります。
噛まれて出血した場合は、まず傷口を流水と石けんで洗って清潔にし、傷が深い場合や異常が見られる場合は医療機関への相談を検討しましょう。
また、フクロモモンガが噛む理由は警戒や恐怖だけとは限りません。触られたくない、逃げたい、手や指を確認しているなど、状況によってさまざまです。
噛み癖を減らしたい場合も、叩いたり強く叱ったりするのではなく、噛む前のサインを確認して、無理に触らないことが重要です。
特に「ジコジコ」「ギーギー」など警戒している様子が見られる場合は、いったん距離を取りましょう。
時間をかけて飼い主の匂いや声、存在に慣れてもらい、フクロモモンガのペースに合わせて信頼関係を築いていくことが、噛まれる状況を減らすことにつながります。