
オコジョは体長15〜30cmほどの小さな動物で、夏は茶色、冬は真っ白な毛へと変化する美しい姿が魅力です。
「もし飼えたら」と思う方も多いですが、実際には絶滅危惧種に指定されておりペットにすることはできません。
本記事では、オコジョが人になつくのか、寿命はどのくらいか、そして代わりに飼える動物として人気のフェレットまで詳しく解説していきます。
オコジョはペットとして飼うことができる?

オコジョは体長15〜30cmほどで、体重は150〜300gくらいという、リスくらいのとても小さな動物です。
「このくらいならワンルームでも飼うことはできる?」
飼ってみたいな、と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし、現在オコジョは絶滅危惧種に指定されており、長野県では天然記念物にも指定されていますので、個人で飼育することはできません。
動物園でも飼育している情報がないので、オコジョが見られるのは野生でのみということになります。
オコジョは冬に真っ白な毛色になりますが、どうやらその毛皮が目的で乱獲が進んで数が減ってしまったようです。
ペットとして飼えないのはとても残念ですが、その原因は人間にあるのですね。
オコジョがペット飼育が可能と仮定した場合の飼い方

それでも諦めきれない方へ、もしもオコジョが飼えると仮定した場合にどんな飼い方が適しているのか考えてみましょう。
自然環境を家の中に作る
オコジョは寒い地域に生息し、野生では穴を掘って巣を作っています。
ということで、飼い方の第一ポイントとしては、「オコジョが暮らす自然環境を家の中に再現する」ことが必要となります。
オコジョを飼うには、温度管理が不可欠なので、夏場の暑さを避けるためにも空調は完璧に。
そしてオコジョ専用のフードもないので、ウサギやネズミなどを餌として提供しましょう。
むやみに触らない
オコジョはとーっても気の強い動物です。
赤ちゃんの頃から育てたとしても、遺伝子が野生動物なので他のペットのように完全になつくことはマレでしょう。
動物園のライオンやトラも、飼育員さんはある程度の緊張感を持って接していますよね。
オコジョも同じです。
さらにオコジョは野生では単独で生きています。
人間は極力手を出さず、ひとりの世界を満喫できる環境が必要です。
病気でも病院には行かない
飼育してはいけない動物は、動物病院でも問題視されます。
仮に、苦しんでいるオコジョを追い返すことができずに何とかしようとしてくれたとしても、獣医さんの専門分野から離れている可能性が高く、的確な治療をするのは難しくなります。
オコジョの病気はネットで検索しても情報量が少なく、何もしてあげられないまま終わることも考えられます。
また、野生動物は体調が悪かったりどこかが痛かったりすると、それを悟られないようにするため普段より攻撃的になることが考えられます。
野生だと弱いものは襲われやすくなるからですね。
助けるどころか逆に飼い主さんがケガをしてしまうことになりかねません。
オコジョは人になつく?その性格と飼育の難しさ

野生の気質が強く残る
オコジョは見た目の可愛らしさから「人に懐いてくれるのでは?」と思う人も多いですが、実際には非常に気性が荒く警戒心が強い動物です。
たとえ幼い頃から人の手で育てたとしても、完全に慣れてベタ慣れのペットになることはほとんどありません。
むしろ、野生本能の影響で突然噛みついたり攻撃的な行動を見せることがあるため、犬や猫のような「なつき」を期待するのは難しいでしょう。
単独行動を好む生態
オコジョは本来、野生下では単独で暮らす習性があります。
そのため群れで暮らすペットや、人間との密なスキンシップを前提とする動物とは異なります。
飼育を仮定した場合でも、触れ合いよりも「距離を保ちながら観察する」スタイルにならざるを得ません。
人との関係性においても独立心が強く、「飼い主とべったり過ごす」というペット像には合わないのです。
なつかせるのが難しい理由
犬や猫は長い歴史の中で人間に飼い慣らされてきましたが、オコジョにはそうした歴史がありません。
進化の過程で人と共存する方向に適応していないため、遺伝子的にも「人になつく」ことが前提になっていないのです。
仮に飼育できたとしても、慣れるのは一部の個体に限られ、多くの場合はストレスや攻撃性が強まる結果につながるでしょう。
オコジョの寿命はどのくらい?

オコジョの寿命は、野生と飼育下で大きく異なります。
野生のオコジョは、天敵や食糧不足、厳しい気候の影響を受けるため、平均寿命は 4〜6年程度 といわれています。
短い場合には1〜2年ほどで命を落とすこともあり、自然界の過酷さがうかがえます。
一方で、過去に研究や特別な環境下で飼育されたオコジョでは、7〜12年ほど生きた記録 もあります。
ただしこれは例外的で、一般的に人がペットとして長生きさせることは現実的ではありません。
寿命の違いを見ても分かる通り、オコジョは「野生で生き抜くための気性」を持っている動物です。
ペット化された犬や猫、フェレットのように、人と暮らすことで安定した寿命を得る生き物とは根本的に異なります。
「長生きさせたいから飼う」という人間本位の考え方ではなく、オコジョは自然の中で短くも力強い生涯を送る存在 と考えた方がよいでしょう。
オコジョに似た動物を飼うことはできる?

オコジョを飼うことが、絶滅危惧種という理由だけでなく様々な困難があることを、少しわかっていただけたかと思います。
でもあんなかわいらしい動物ですから、なかなか諦めきれないところもありますよね。
そこでおすすめしたいのがフェレットです!

人間がペットを飼いたいと考える時、その理由はどんなものでしょうか。
これは、爬虫類と哺乳類どちらを求めるかで変わってきます。
爬虫類の場合、その目的は「鑑賞」です。
触れ合うことではなく、その姿の美しさを眺めることが飼い主さんの最大の喜びであり、楽しみです。
だから、飼育環境を整えることに全力を注ぎ、いかに野生の状態を作り出してありのままのペットの姿を再現できるかがポイントになります。
一方で哺乳類の場合、人間が求めるのは「スキンシップ」が主になります。
一緒に遊んだり、抱っこして温かさを感じたりすることです。
さらに一緒に出かけられたりしたら最高! なんて考えるのではないでしょうか。
先ほどお話ししたとおり、オコジョの生態を考えると、哺乳類に求められるペットの要素はとても少ないことがわかりますね。
でも大丈夫。
オコジョに似ていて、でも人間の求めるペット像を満たしてくれる動物がフェレットなのです。
フェレットはオコジョより少し大きめで、体重1kg前後になりますが、見た目はオコジョそっくりです。
しかも毛色のカラーバリエーションが豊富で、性格も陽気で楽天的。
遊ぶのも大好きです。
専用フードやおやつもあるし、病気になっても診てくれる病院があるので、ペットとして飼うには最高です。
オコジョの代わり以上のものをフェレットは提供してくれるでしょう。
オコジョ好きな方は、ぜひ検討してみてくださいね。
オコジョをペットとして飼うことはできる?【まとめ】
オコジョは見た目の愛らしさとは裏腹に、人になつきにくくペットとしての適性は低い動物です。
絶滅危惧種であることもあり、飼うことは不可能と言えるでしょう。
ただし似た姿や性格で人に慣れやすいフェレットなら、オコジョ好きにもきっと満足できるはずです。
野生のオコジョは自然の中でこそ輝く存在。
実際に飼える動物との違いを理解し、正しい選択をしていきましょう。